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ロサンゼルスで、着物暮らし

太陽燦燦のロサンゼルス近郊で接する和なあれこれ。
LAに帰って来ました。肌寒い日が続いています。

行躰さんの白足袋

2006年04月23日 | こもの
随分前に仕事上、秋になると「にっぽんと遊ぼう」というイベントの手伝いをしていました。ドン・○リニオンなどが協賛して、二尊院に始まり永観堂、高台寺、大覚寺、仁和寺、平安神宮など錚々たる寺社を会場に日本独自の美を感じていただこうというもので、全国からいろいろな方が集まってこられました。確かドンちゃん飲み放題、という今から思うとバブル崩壊後とは思えない企画(笑)。当時大人気だったサッカー選手が美しい奥さま連れでいらして、別の意味で目の保養をさせていただいたこともありました。
さて、二条城で和魂洋才をテーマに催しがあった年のこと、庭園「清流園」でお茶席を設け、当日の一切は某千家の行躰さん(お家元の高弟)が面倒を見てくださることに。案内係を務める予定だった私も、担当者と行躰さんとの現地下見にご一緒させていだきました。いろいろな細かい打ち合わせが進む中、本筋に関係のない供は、目をあちこちに走らせ、ふと行躰さんの足袋の表面がでこぼこしているのに気づき、はっとしたのです。ハレの席にはきちんとしたものをお履きの方も、ケのときはこうやって始末してはるんやなぁ、毎日お着物で過ごす方はこういうことをしはるんかぁ、と。
後にも先にもあんなにしっかり綴った足袋を見たことはなく、何かの折にはその行躰さんのお顔は覚えていないのに、あのつま先を思い出すのです。だからといって、茶の道も着物の道も究めるではない私は、あれから一度も足袋を破れるまで履いたことがなければ、綴ることもない、という暢気なこと。どちらかというと足袋の手入れが大の苦手で、ネットに入れて洗濯機ということもする始末で、我ながら困ったものです。そうそう、どこかで読んだことがある「京都の町で白足袋にはかなわない」というような言葉、何やら言い得て妙だと思いませんか。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんばんわ♪ (いしのすけ)
2006-04-24 21:28:32
harukoさん、こんばんわ。行躰さんという言葉、恥ずかしながら松風の家を読んで初めて知った言葉でした。高弟の方ともなると、修行も僧侶のように厳しいものなのでしょうね。道と名の付くものには、こういう風に厳しさを背負って下さる方が脈々といらっしゃるからこそ、ゆるぎなく在るのだと感じました。かの本の読後の感慨に思わず思いを馳せる、とても印象深いお話、有難うございます。



私も足袋の始末、苦手(笑)!洗い上がって乾いたところを見るのは好きなんですけれども、それまでの過程が・・ごにょごにょ・・(笑)!
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いしのすけさん (haruko)
2006-04-26 13:26:19
京都では何となく身近な感じだった行躰さん、海外に来ると改めてお家元やお流の中で重要なお役目をなさっているのだと思いました。日本人は何でも「道」にしてしまう、とも聞いたことがあります。道を究めるということは生半なことではないでしょうが、何であれ、それが日本人の美意識の一端を担っているのではないかとも思います。

足袋の始末とともに、半襟の始末も苦手でございます(苦笑)。どちらもとても大事な部分なのに~。
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足袋はやっぱり白足袋! (真美@芦屋)
2006-04-29 05:18:54
私も、行躰という言葉を「松風の家」で知りました。

足袋は、やっぱり白足袋ですよねぇ~~

キッパリとした白が好きですぅ~♪

私、一度だけ、足袋の親指部分が破れてしまった事があります。

多分、夏場で、お花が立体的になってるペディキュアをネイルサロンでして頂いてた時だったから、破れたのかなぁ~~と思ってます。

繕ったりせず、捨ててしまいました。

神様、ごめんなさい。
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真美@芦屋さま (haruko)
2006-04-29 12:44:51
立体ペディキュアで足袋をいためてしまったとは!メモしておきます。立体でも正座大丈夫なんですね!手の爪が無理な分、足のお洒落をなさっているんですね~。こっちのネイルサロンに行きたいと思いながら、未経験です。お手入れから何からお願いしたいなあ、と思いつつ、お店がわからずうろうろしています。

改めて、白襟白足袋派だわ、と感じる今日この頃です。

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