晴れときどきブログ。

趣味(料理、本、マンガ、ゲーム、絵描き etc.)全開で日常をつづります。

【小説】ぼくとひかりと園庭で(石田 衣良)

2009年08月26日 | 
石田 衣良
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石田衣良初のジュヴナイル・ファンタジー。(帯より)

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<あらすじ>

ひぐらし幼稚園に通う新村あさひと須賀みずきは仲良しの友だち。
ある日、園に徳永ひかりが転入してくる。
あさひとみずきは一目で恋に落ちる。
一週間後のおとまり保育の夜、
目が覚めたあさひとひかりが園庭で出会ったのは
白いドレスをまとう「夜あけの庭の園丁」だった。
園丁は、二人に恋の試練を与える・・・。

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対象年齢があまりはっきりとしないなぁ、というのが読後の第一印象です。

低年齢(小学生?)向けを意識しているのか、
本文の数箇所の漢字にルビが振ってありますが、
人物名の漢字にはルビがなかったり
振ってあるものより難しい漢字にはなぜかなかったり、
と統一感がない。
内容とはぜんぜん関係ないところで気になってしまいました。
(細かいよ!)

試練として課された悲劇の回避も、
対象となっている悲劇があまりにも衝撃的過ぎて、
全体的なファンタジーっぽい雰囲気から
現実に引き戻されてしまう感じがしてしまい、
どうだろう?と思ってしまいました。

これが「子ども向けファンタジー」ではなかったら
特に気になることでもなかったのに・・・。

石田衣良は、大人向けの文章を書く方が断然いいです。
人間の暗い・汚い部分の描写が美しく
制限がないところでこそ本領が発揮できる作家さんだと思うので。

物語とは別として、
この本、挿し絵はとてもすばらしいので、
イラストだけで満足してしまえます。
絵目的で読んでもいいかもしれません。

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絵本のつもりで読めばよいのかも度:★★