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晴れときどきブログ。

趣味(料理、本、マンガ、ゲーム、絵描き etc.)全開で日常をつづります。

【ビジネス】潰れないのはさおだけ屋だけじゃなかった(リテール経済研究会三銃士)

2009年09月18日 | 

リテール経済研究会三銃士
Amazonランキング:402391位
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業績が伸びている商売の実例を見ながら
儲かるビジネスモデルを探るのがコンセプト。
「さおだけ屋」ってタイトルに入っていますが、
「さおだけ屋」著者の山田氏は監修の立場で、
中を書いているのは別の方のようですね。

具体的な事業(プリンタ、置き薬、ちり紙交換など)を挙げて、
なぜ収益が出るしくみになっているのかを
会計事務所の所長とその下で働くアルバイト君との
会話形式で解説しています。
すぐ読めてしまうし、内容がすぐ頭に入るので
この形だと非常にわかりやすいです。
ただ、ビジネス書としての重みみたいなものが軽くなるのが難点?

目から鱗!といった衝撃的な内容ではないですが、
見方を変えれば見えてくるビジネスの「裏側」
がわかって、とても興味深かったです。

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昔から続く商売のできのよさに感心する度:★★★★

【小説】少し変わった子あります(森 博嗣)

2009年09月13日 | 

森 博嗣
Amazonランキング:275184位
Amazonおすすめ度:



短編小説。

後輩の荒木から紹介された料理店。
連絡手段は電話番号しかなく、
毎回店の所在地は変わる。
店名はなし。
女将の名前は内緒。
そして、毎回、食事を共にする女性が一人現れる。
客は、その女性の分の食事代を負担し、
二人きりで食事を楽しむ・・・。

すべてが謎めいた料理店での物語です。

初めはそのシステムに戸惑っていた
主人公の小山(大学教授)は、
違う場所、違う女性と共にする食事の
ミステリアスさに少しずつのめりこんでいきます。

そして、最後に、彼は・・・。

叙述トリックにしてやられました。
「そう来たか!」と。
小説じゃないと実現不可能などんでん返しにびっくりでした。
全体の物語のボリュームが少なめなので
あっという間に読み終わりますが、
読み終わった後のドキドキ感は結構半端ないですよ。

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少し変わった小説あります度:★★★★★

【小説】骨音―池袋ウエストゲートパーク〈3〉(石田 衣良)

2009年09月06日 | 
石田 衣良
Amazonランキング:271771位
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IWGPシリーズ第三弾。

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<あらすじ>

ホームレス襲撃事件の謎を追え。「骨音」
連れだしパブのNo.1の仕事を守れ。「西一番街テイクアウト」
地域通貨偽造犯をつきとめろ。「キミドリの神様」
「スネークバイト」の販売製造元・ウロボロスを排除せよ。「西口ミッドサマー狂乱」

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相変わらずマコトのお母さんはいい人です。
事件によっては登場人物中一番いい活躍をしてくれることも少なくない。
こんな肝っ玉母さんになりたいものです。

カオとかトワコとか、いい女性キャラクターが登場する本作。
みんないちいち台詞がクール。
東京の人ってみんなこんなカッコいいのかな、と
勘違いしてしまいそう。
違法行為はびこるストーリーの中、
心がささくれずに済むのは
こういったキャラクターのお陰かも。

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レイヴの描写が超絶かっこいい度:★★★★

【小説】灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉(石田 衣良)

2009年09月06日 | 


IWGPシリーズ第六弾。

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<あらすじ>

やり手小学生ビジネスマンを狙うマッドドッグ(狂犬)の影「灰色のピーターパン」
加害者と被害者の和解は可能?未成年強盗犯VSみなしご兄妹「野獣とリユニオン」
幼児性愛者から子どもを救え!見習い保育士の奮闘「駅前無認可ガーデン」
池袋が安全な街に?警察権力VS悪質風俗店「池袋フェニックス計画」

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ついにマコトにも彼女ができたりする?IWGP第六巻です。

盗撮ROMでもうけまくる小学生ミノル(やだなぁ、こんな小学生)が
主人公の「灰色のピーターパン」は、
最後に悪役が受ける罰がちょっとかわいそう。
マコト、ひらめくときはとことんひどいアイディアが浮かぶようです。

「野獣とリユニオン」は、強盗に遭ったときに足を砕かれ、
調理師の夢を捨てることになった兄・ツカサのために
復習を誓うチヒロのお話。
加害者であるエイジが兄妹と会って話をする場面では
胸にぐっと来るものがあります。
世の中、白黒じゃ片付けられないこともあるよ。

先代キングのシンジが出てくる(しかも保育園の園長!)
「駅前無認可ガーデン」はほんのり心があったかくなる話。
無認可保育園は必要とする人がまだまだありそうな感じ。
子どもを育てるってほんと、並々ならぬ覚悟がいりますよね。

風俗街掃討作戦をめぐる「池袋フェニックス計画」。
「街をきれいにする」ことは本当に地域のためなのか?
崇高な理念も、見る面を変えると全然違う見方ができます。
マコトのお母さんがかなり大活躍。
えぇ仕事してはりますよ。

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灰色に染まるのもたまにはいいんじゃない?度:★★★★

【ビジネス】「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉(山田 真哉)

2009年09月03日 | 


(投稿しようとしたらログイン画面になって最初からやり直しだよ!)

「さおだけ」シリーズ第三弾。

上巻ではビジネスや会計の世界での「使うべき数字」に
焦点を当てていましたが、
下巻ではその逆の「禁じられた数字」に焦点を当てています。

「禁じられた数字」とは、作者が独自に定義しているもので、
それを受け取る側の思考を操作するために意図的に使われる
誤った情報としての数字を指しています。
広告に並ぶ実績率の数字や、統計のパーセンテージなどです。
「禁じられた数字」としての数字は
計算上は間違っていない場合もありますが、
情報の質を考えたときにふさわしくないという性質を持っています。

この「禁じられた数字」が生み出される土壌となっている
ビジネス社会の常識、
ビジネスと会計との関係、
そして私たちがビジネス社会において
どのように思考をめぐらせればよいのか、
という点にまで話は及んでいます。

途中で小説形式のケーススタディが挿入されていたり、
ビジネス書としてはかなり風変わり?な構成で
ちょっと違和感を覚える箇所もあります。
しかし、ビジネス書としてのとっつきのよさはさすがだと思います。
・・・他のビジネス書との比較は困難ですが。

「へぇ、こんな考え方もあるのか」と思いながら
気楽に読める一冊です。

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本論とは関係ないけど、10ヶ月で公認会計士試験に合格するってすごすぎ度:★★★

【ビジネス】食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字〈上〉(山田 真哉)

2009年09月02日 | 


ミリオンセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」第二弾。

「数字がうまくなる」コツとして、
数字が持つ特徴と会計との関係を
作者なりにポイントをしぼって解説している一冊。

全編、ほぼたとえ話です。

どうしてもビジネス書
(この本がビジネス書のカテゴリに入るかはちょっと疑問?)
というととっつきづらいイメージが強いですが、
「食い逃げ」は非常に文章が平易で論点も明快なため
本を読みなれてない人でもスッと読めてしまうと思います。
作者が言いたいことがとてもわかりやすいです。

分量も少ないので、気楽に読めて、
読書に割く時間があまりない人にオススメ。

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小見出しとかのタイトルが上手い度:★★★

【小説】ブルータワー(石田 衣良)

2009年09月02日 | 

石田 衣良
Amazonランキング:272257位
Amazonおすすめ度:



200年後の世界を救えるか?石田 衣良初の長編SFファンタジー。

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<あらすじ>

瀬野周司は末期の脳腫瘍に侵され、
自宅である新宿の超高層マンションで自宅療養している。
ある日、脳腫瘍から来る強烈な頭痛で気を失った周司は
別の世界で覚醒したことに気がつく。

そこは、200年後の東京。

「黄魔(こうま)」と呼ばれる
インフルエンザウイルスを遺伝子操作した生物兵器の拡大により
地上での暮らしが困難になり、
人々は高さ2kmの塔の中で生活をしている。
その塔では、厳然たる格差社会が築かれていた。
未来の彼は階級の頂点に近い三十人委員会の委員の一人。

そんな中、格差社会を打破するため、最下層の人々によるテロが勃発する。

果たして周司は暴力と病理に蝕まれた世界を救うことができるのか?

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石田衣良作品にしては珍しい、400ページ強もある長編小説です。

「時間を駆ける」という
SFではよくあるテーマを軸に物語が更正されています。
ただし、行き来できるのは主人公の精神のみです。

ほぼ治療は無理と診断された病と
妻との冷え切った関係という
何とも救われない状況の中、
主人公が200年後の世界を救うことに
自らの存在価値を見出していきます。

ただ、その試みはほとんど上手く行きません。
塔上層部による独裁的な政治によって
主人公とその仲間はどんどん追い詰められていきます。

しかし、現代と未来を何度も行き来するうちに、
様々な人たちからヒントをもらい、
ある解決策にたどり着く主人公。

最後の時間の跳躍の展開は見ものです。

とことん残酷な描写もありますが、
ラストはしっかりハッピーエンドです。
途中で救いがない展開にちょっとくじけそうになりますが
テンポのよい文章なので長い割にはスラスラ読めると思います。

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インフルエンザより怖いのはやっぱり人間だろう度:★★★

【小説】夜を守る(石田 衣良)

2009年09月01日 | 

石田 衣良
Amazonランキング:158958位
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アメ横を守る4人のガーディアンたちの物語。

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<あらすじ>

フリーターのアポロ、区役所勤めのヤクショ、
古着屋のサモハンは中学時代からの同級生。
ひょんなことから知り合った老人との出会いをきっかけに、
行きつけの定食屋「福屋」で知り合った支援施設の天才を加え、
4人は夜のアメ横をパトロールするガーディアンになる。

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実際にこういう風なガーディアンとして活動している方々も
いるということをどこかで耳にしたことがあります。
完全なボランティアで毎晩街の見回りをする――。
強い信念がないとできないのではないか?と思われますが、
このストーリーに出てくる4人は
特に自分たちがすごいことをしているという意識もなく、
毎日淡々と任務をこなしていきます。

任務、といっても、街の人に挨拶をしたり、
街のゴミを拾ったり、
放置自転車を整理したり、
酔っ払いの介抱をしたり
とにかくやることは地味で地道。

きっかけはささいなことでしたが、
いつしかこういったガーディアン活動が
代わり映えのない彼らの昼の顔のバランスを保つ
調整弁へと変化していきます。
月並みだけれど、小さくても誰かの役に立つことをするって
何かしらその人の心に変化をもたらすんですね。

作者の代表作「IWGP」シリーズのマコトみたいに
人脈と知識をフル活用して派手に事件を解決するのではなく、
毎日のパトロールの中、
各々できる範囲で困った人に手を差し伸べる姿には
心がほんのり温かくなりました。

特に、天才の場の和ませっぷりは天下一品です。
邪念がなさすぎて自分が恥ずかしくなるぐらい。

みんな将来に希望を持てないけれど、
少しずつもがきながら何かを見つけていく、
そんな若者たちの姿を軽快に描いています。
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天才がいい子すぎて困る度:★★★★★

【小説】Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク〈7〉(石田 衣良)

2009年08月31日 | 


IWGPシリーズ第七弾。

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<あらすじ>
振り込め詐欺グループからの脱却を手助けせよ。「要町テレフォンマン」
絵画商法の“ヴィーナス”に恋をしたオタク少年「詐欺師のヴィーナス」
連続放火魔の反抗を少年放火犯と共に阻止せよ。「バーン・ダウン・ザ・ハウス」
マコト、俳優デビュー?キング・タカシとの友情「Gボーイズ冬戦争」

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IWGP2の「水のなかの目」を読んでからをオススメする今作。
イチオシはやはりサブタイトルにもなっている
「Gボーイズ冬戦争」です。
マコトとタカシの友情が熱い!
安心して背中を預けられる友人って本当に貴重な財産です。

あと、「バーン・ダウン・ザ・ハウス」で
ユウキがおばあちゃんに謝りに行くシーンでは
思わず涙腺崩壊で胸が苦しくなりました。
おばあちゃんが出てくる話には弱いんですよ・・・。

放火犯がその家の子ども、といった
同じようなシチュエーションが(といっても犯人は兄ですが)
「5年3組リョウタ組」にも出てくるわけですが、
自分の家に火をつける子どもの気持ち、
難しいけれど何となくわかるような気もします。
自分を取り巻く世界をぶっ壊すため、家に火をつける。
悲しいけれど、極限まで追い詰められたら他に道は選べないのかも。

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タカシが思う存分活躍しちゃうよ度:★★★★

【小説】反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク〈5〉(石田 衣良)

2009年08月30日 | 


IWGPシリーズ第五弾。

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<あらすじ>

風俗スカウトサークルの罠にはまったウエイトレスを救え。「スカウトマンズ・ブルース」
伝説のスターが夢見た東池袋のロックミュージアムとは・・・「伝説の星」
中国の玩具工場で起こった過労死を世間に訴えろ。「死に至る玩具」
集団自殺をプロデュースするクモ男を探せ。「反自殺クラブ」

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各話の事件のトラブルシューティングが始まる場面が
いずれも真島フルーツの店先でマコトにご指名がかかる
というシーンなのが気になるようなならないような、なIWGP5です。
マコト、ちょっと名前が売れすぎ。

今回の個人的イチオシは「伝説の星」で
凄腕ハッカーのゼロワンがピアスの金属アレルギーに悩む場面。
気にしてる様子を見せるのがかわいい。
話の本筋とは全然関係ないですが。
何気にゼロワンもいいサブキャラクターです。

5巻を迎えて、いろいろと登場人物が出てきました。
主要メンバー(キングとかサルとか)以外の
各話の登場人物もまた違う話で出てこないのかな?
と期待しているのですが・・・。
いい子が多いだけに、再登場が見込まれないのは
もったいないと思ったりもします。

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死に向かう人間はいろんな意味で誰よりも強い度:★★★★