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世相見聞録

世間の出来事や自分自身が体験したり見聞きしたことなどを、論評や感想を加えて書きつづっていきます。

火事場の行動、批判するのは結果論

2007年12月06日 | 事件・事故
岐阜県・県営住宅の5階が火事になり、4階に住む26歳の母親が2歳の長女をベランダから投げ落としたが、付近の住民が受け止められず、その長女はアスファルトに頭を打って重体に陥ったという。

この事故については、子供を投げ落とした母親に対して、無謀だ、軽率だ、テレビの見すぎだ、などの批判が数多く寄せられている。

確かに、その母親本人は夫や5歳の長男などとともに無事に脱出できたので、子供を抱いて逃げられたはずだ、ということだろう。

しかしパニック状態に陥った母親が子供を必死で助けようとして、結果として失敗したことについて、結果論でただその行為を責めるだけというのは酷である。

外から眺めていれば5階だけ燃えていて4階は大丈夫というように見えても、4階にいる当事者にとってはどこが燃えているのか皆目わからず、火に囲まれていると錯覚してもおかしくはない。

私はむしろ、テレビなどのマスコミこそ批判されるべきだと思う。

先日も、同じような状況でベランダから投げ落とされた子供が下の人に無事に受け止められたという場面がテレビで放映されていた。

この番組では、子供を投げ落とした母親を、勇気ある行動、正しい判断、子供を助けたい一心が奇跡を生んだ、などともてはやしていた。

こうしたマスコミによる興味本位の番組が、咄嗟の場面で頭をよぎり、危険な行動を誘発することになるのである。

そのような番組を一切無くせとは言わないが、たまたま運よく成功したことばかりを強調するだけではなく、危険な面も合わせて認識できるよう、十分配慮された番組を制作してもらいたい。


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