横浜市立の高校生が修学旅行先で海に入って水死した事故で、遺族が引率教諭に責任があったとして、市に対して9500万円の損害賠償を提訴したという。
この事故は、沖縄県波照間島で2006年5月、高校の修学旅行生が波にさらわれて3人が死傷したもので、教諭が事前に現場の状況を十分調べず、危険な場所に近づかないよう指導もしなかったとして訴えたものである。
確かに親の気持ちとしては、先生を信頼して大事な子供を預けたのに事故で死なせてしまったのは許せない、ということだとは思う。
しかし高校生といえばもうそれなりに分別のつく年頃、なにもかも先生に 『おんぶにだっこ』 ということでもないだろう。それなりに自分の責任というのもあるのではないだろうか。
学校側に全く責任がないとは言えないが、先生に強制されて海に入ったわけでもなく、単に先生に指導されなかったから勝手に危険な海に入った、ということで先生の責任だけ責めるのはあまりにも酷である。
そういう分別のできない子供に育てた親の責任は?
修学旅行ではなく家族旅行だったら高校生の子供がそういう場所にいかなかった?
学校側の管理や指導にも改善すべきことは多々あるかとは思うが、こうした事故が即訴訟になってしまうことで、学校の教育活動が萎縮するのではないかと心配である。
運動会や修学旅行、あるいはちょっとした課外活動など、不測の事態が少しでも起こりうるような活動は初めからやらないほうが安全、ということになる。
社会全体が管理強化で息苦しくなっている現在、それを益々助長させるような訴訟が頻発することに反発したい気持ちである。
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「旅先の死、教諭に責任」と提訴 生徒の遺族が賠償求め 2009年5月7日 19時24分(東京新聞)