私が通っている専門学校では、2学期から始まった教養課程科目で、あれ?鍼灸学校でこのようなこともやるの?と思うような変り種の授業もある。
その授業の一つでは、少子高齢化、労働、格差、差別、人権、いじめ、うつ病、引きこもり、自殺、教育、飽食、環境、生命といったような現代社会の問題について、講師がその日のテーマを提起し全員が車座になって議論しあうということをする。
いわば小・中学校における道徳教育のようなものであるが、提起される問題はいずれも社会問題として真剣に考えなければならないことばかりである。
今日のテーマは、ブラインドウォーク。
医療人として、患者から信頼されて体を預けてもらう、そして体を預ける側の心理を体験してみるというものである。
2人一組になって、目隠しをして、もう一人にサポートしてもらって学校から駅まで歩いて切符を買ってくるという体験。
随所で適切な声をかけてもらわないと不安で歩けない。
目が見えればなんでもない道のちょっとした段差でもつまずいてしまう。
歩道でも飛ばしてくる自転車も見えない恐怖。
歩道にはみ出した商店の看板も危ない。
不安で腕を前に伸ばしたら誰か知らない女性の胸を触ってしまって、介助役が謝っていた。(もちろん私も冷や汗かいて謝ったけど・・・)
それでも何とか歩けたのは、介助役を信頼できていたからこそである。
相手の身になって考えるためには、こういった体験も必要なことだと身にしみてわかった次第である。