あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

子宮頚管無力症

2007-03-30 20:04:00 | 健康・病気

続いていますが産婦人科に関する話題です。
生活環境の変化によって(地球温暖化による環境ホルモンの影響も大きいようです)非常にたくさんの方が婦人科系統疾患でお悩みです。
3.20
 昨年の10月に妊娠六ヶ月で子宮頚管無力症でトイレで流産してしまいました。現在、妊娠二ヶ月ですが不安です。と、母親と一緒に来院した21歳の患者様の例です。
腹診すると肌肉・筋肉ともに軟弱で力が無く、脉診するとこれも沈・遅・虚で力が無く弱々しく、とても20代の肌とは思えない程に若さが無いのです。
甘いものや冷たいものを好み・運動が嫌いとのことです。
そこで甘いものと冷たいものの摂取を控え、適度な運動(軽い散歩)を行うように指示しました。「生活習慣をかえなければ、また同じことになりますよ。」と、生活習慣の改善を促しました。
治療は脾虚証で行いました。この治療は食物が生体にとって必要な物質に転化するエネルギーを高めること(運化作用)と、転化した生体エネルギーを上の肺・心に運ぶとともに内臓が下垂しないように保持する力(昇清作用)を高めるものです。
3.22
 やはり若さは素晴らしいですね。一度の治療で肌肉・筋肉ともにかなりの力が付いてきました。ただし、冷えを示す脉状は少しは改善したもののまだまだです。
4月の中旬に、子宮口を縛る手術を行うことになっているようです。
当院に来院しているm病院の産婦人科の医師に尋ねると、子宮口を縛るのは常套手段の様ですが・・・・・。
「子宮頚管無力症の患者さんは特殊ですか?」とお聞きしたところ、「時々見かけますよ」との答えでしたので更にお聞きしてみました。「子宮頚管無力症の患者さんの場合、身体が冷えて、肌肉・筋肉は無力で、脉に力が無いでしょうか?」と、しかし、これは無駄な質問でした。
「そのような観点で見たことが無い」との回答でした。
観察のポイントが西洋医学と東洋医学とは違うのです。

さて、NHKラジオでホームドクター(家庭医・総合医)の話がされていました。治療中ではありましたが意識がそちらに傾きました。(治療中の患者さんすみません)
「日本の医学教育は専門家の養成に力が注がれ、全人的な総合医療の教育が行われていない」
この話を聞きながらすぐにkさんのことが思い出されました。家庭医療・総合医療のプログラムに人体を小宇宙ととらえ総合的に診断治療を行う東洋医学を組み入れたらkさんの様な悲しい結果が無かったのではないでしょうか。
予防医学(東洋医学では未病治と言います)が定着すれば国民医療費も大幅に減少すると思います。今後は介護同様に予防の観点で医療も進化していくことを願ってやみません。

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