-----------------------------------------------------------------
特定の遺伝子を働かなくし、病気の原因究明や新薬開発に役立てる実験用のメダカ
づくりに京都大大学院医学研究科の武田俊一教授らのグループが成功し、英科学誌
「ゲノム・バイオロジー」に発表した。ノックアウト動物で実用化されているのは
マウスしかおらず、「ノックアウトメダカ」は日本発の新しい実験動物として注目
される。
武田教授らは、魚に突然変異を起こす薬物を食べさせて遺伝子を壊すというオラン
ダの共同研究者の開発した方法で、遺伝子が無作為に壊された5760種類のメダカ
集団をつくり、染色体と精子を凍結保存した。
研究者の注文を受けて、目的の遺伝子が壊れたメダカを探し、その精子と健康なメ
スの卵子を受精させて子メダカ、孫メダカを生産することを考えている。すべての遺
伝子が壊れているわけではないので、注文に応えられるのは半分ほどという。
ノックアウトマウスは胚に遺伝子を操作した胚性幹細胞(ES細胞)を入れてつく
る手間がかかり、1個の遺伝子を壊したものの価格は数百万円になるが、ノックアウ
トメダカは30万~100万円ぐらいでできる。武田教授は「安価なうえ、子孫もすぐ
に増やせて飼育も簡単。複数の遺伝子を壊すなどの複雑な実験もできるなど多くの
メリットがある」と話す。
(2007.02.15 朝日朝刊/第3社会)
特定の遺伝子を働かなくし、病気の原因究明や新薬開発に役立てる実験用のメダカ
づくりに京都大大学院医学研究科の武田俊一教授らのグループが成功し、英科学誌
「ゲノム・バイオロジー」に発表した。ノックアウト動物で実用化されているのは
マウスしかおらず、「ノックアウトメダカ」は日本発の新しい実験動物として注目
される。
武田教授らは、魚に突然変異を起こす薬物を食べさせて遺伝子を壊すというオラン
ダの共同研究者の開発した方法で、遺伝子が無作為に壊された5760種類のメダカ
集団をつくり、染色体と精子を凍結保存した。
研究者の注文を受けて、目的の遺伝子が壊れたメダカを探し、その精子と健康なメ
スの卵子を受精させて子メダカ、孫メダカを生産することを考えている。すべての遺
伝子が壊れているわけではないので、注文に応えられるのは半分ほどという。
ノックアウトマウスは胚に遺伝子を操作した胚性幹細胞(ES細胞)を入れてつく
る手間がかかり、1個の遺伝子を壊したものの価格は数百万円になるが、ノックアウ
トメダカは30万~100万円ぐらいでできる。武田教授は「安価なうえ、子孫もすぐ
に増やせて飼育も簡単。複数の遺伝子を壊すなどの複雑な実験もできるなど多くの
メリットがある」と話す。
(2007.02.15 朝日朝刊/第3社会)