「封じ込め」、都市は困難
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インフルエンザは、発症までに数日間の潜伏期間がある。シナリオのように、海外
で感染した人が潜伏期間中に検疫でチェックされずに入国すれば、発症後に不特定多
数の人と接触する可能性がある。だが、訓練のようにうまく感染拡大を防ぐことはで
きるだろうか。
国立感染症研究所感染症情報センター(東京都新宿区)の大日康史主任研究官らは、
関東5都県を走るJRと私鉄、地下鉄などの利用者の移動データをもとに、首都圏で
患者が発生したときの感染の広がりをシミュレーションした。
条件は、訓練のシナリオと同じだ。海外から帰国し、東京西部の自宅に戻った感染
者が、翌日からJRで都心に出勤する。帰国3日目、出勤後に体調が悪化して病院で
受診。検査後、5日目に新型インフルエンザと診断される。
だが、通勤電車などを介して、その時すでに感染が拡大。関東一円で同時多発的に
患者が生じている。計算によると、感染は爆発的に広がり、8日目には12万人に達し
てしまう。
(2007.02.14 朝日朝刊/オピニオン『その3に続く』)
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インフルエンザは、発症までに数日間の潜伏期間がある。シナリオのように、海外
で感染した人が潜伏期間中に検疫でチェックされずに入国すれば、発症後に不特定多
数の人と接触する可能性がある。だが、訓練のようにうまく感染拡大を防ぐことはで
きるだろうか。
国立感染症研究所感染症情報センター(東京都新宿区)の大日康史主任研究官らは、
関東5都県を走るJRと私鉄、地下鉄などの利用者の移動データをもとに、首都圏で
患者が発生したときの感染の広がりをシミュレーションした。
条件は、訓練のシナリオと同じだ。海外から帰国し、東京西部の自宅に戻った感染
者が、翌日からJRで都心に出勤する。帰国3日目、出勤後に体調が悪化して病院で
受診。検査後、5日目に新型インフルエンザと診断される。
だが、通勤電車などを介して、その時すでに感染が拡大。関東一円で同時多発的に
患者が生じている。計算によると、感染は爆発的に広がり、8日目には12万人に達し
てしまう。
(2007.02.14 朝日朝刊/オピニオン『その3に続く』)