電波漏れ 強い強い懸念
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「電波監理審議会(電監審)にこんなに反対意見が集まるのは珍しい」。電力線
通信を認めるかどうかの最終判断で多数の反対意見が集まったことについて、総務
省内からも「異例だ」という声が上った。装置メーカーはすでに巨額の投資をして
おり、後に引けない。検討から6年がたっているという状況だった。
電力線通信を利用する際、そこから漏れ出す電波を規制するため、今回の規制値
案が電監審に諮問されていた。01から始まった研究会などにも、短波放送事業者、
アマチュア無線家、天文学者らから反対の意見が寄せられた。このため、当初案よ
り厳しい規制値案が提示されたものの、最終段階の電監審にも、ほとんど同じ内容
の反対意見が続出した。検討内容に納得しなかったためだ。
メーカーなど約50社でつくる高速電力線通信推進協議会も「電波は漏れる」こと
は認める。「だが、市場に出なければ、改良のしようもない」という立場だ。
電監審も微妙な問題だということは承知だ。「慎重な許可手続き」「混信時の対
応制度」などを求め、反対意見には配慮している。
だが「電波による天文観測が崩壊する」と、危機感を表明する大石雅敏寿・国立
天文台助教授は「科学的な誤りだという指摘が多く寄せられたのに、強行するのに
はあきれる。総務省は電波公害を垂れ流しにする責任を覚悟してほしい」と話す。
(2006.09.14 朝日朝刊/総合)
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「電波監理審議会(電監審)にこんなに反対意見が集まるのは珍しい」。電力線
通信を認めるかどうかの最終判断で多数の反対意見が集まったことについて、総務
省内からも「異例だ」という声が上った。装置メーカーはすでに巨額の投資をして
おり、後に引けない。検討から6年がたっているという状況だった。
電力線通信を利用する際、そこから漏れ出す電波を規制するため、今回の規制値
案が電監審に諮問されていた。01から始まった研究会などにも、短波放送事業者、
アマチュア無線家、天文学者らから反対の意見が寄せられた。このため、当初案よ
り厳しい規制値案が提示されたものの、最終段階の電監審にも、ほとんど同じ内容
の反対意見が続出した。検討内容に納得しなかったためだ。
メーカーなど約50社でつくる高速電力線通信推進協議会も「電波は漏れる」こと
は認める。「だが、市場に出なければ、改良のしようもない」という立場だ。
電監審も微妙な問題だということは承知だ。「慎重な許可手続き」「混信時の対
応制度」などを求め、反対意見には配慮している。
だが「電波による天文観測が崩壊する」と、危機感を表明する大石雅敏寿・国立
天文台助教授は「科学的な誤りだという指摘が多く寄せられたのに、強行するのに
はあきれる。総務省は電波公害を垂れ流しにする責任を覚悟してほしい」と話す。
(2006.09.14 朝日朝刊/総合)