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世界で初めて感染牛が英国で確認されてから20年。これまでに発生した世界25カ
国の中で,BSEを撲滅した国はない。
OIEの基準では、BSEリスクを無視できる「清浄国」になるには、「過去11
年以内に生まれた牛で未発生」なのが条件。日本の場合は、6年以上かかる。
英国では今年5月、欧州11カ国への牛肉輸出が10年ぶりに再開された。これまで
に18万頭以上の感染牛が確認されたが、発生はピーク時の100分の1以下に沈静
化。輸血や外科手術などによる人から人への感染に関心が集まりつつある。
英国では、感染牛を食べたことによる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(VC
JD)の潜在的な感染者が3800人いるという推定もあり、実際に輸血で感染し
たと疑われるVCJD患者が3人見つかっている。英国と日本では、かなりリスク
は違うが、山内一也・東京大名誉教授は「食の安全面から大きな問題になったBS
E問題は今、医療行為にかかわる問題にもなろうとしている」と指摘する。
(2006.09.10 朝日朝刊/総説)
世界で初めて感染牛が英国で確認されてから20年。これまでに発生した世界25カ
国の中で,BSEを撲滅した国はない。
OIEの基準では、BSEリスクを無視できる「清浄国」になるには、「過去11
年以内に生まれた牛で未発生」なのが条件。日本の場合は、6年以上かかる。
英国では今年5月、欧州11カ国への牛肉輸出が10年ぶりに再開された。これまで
に18万頭以上の感染牛が確認されたが、発生はピーク時の100分の1以下に沈静
化。輸血や外科手術などによる人から人への感染に関心が集まりつつある。
英国では、感染牛を食べたことによる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(VC
JD)の潜在的な感染者が3800人いるという推定もあり、実際に輸血で感染し
たと疑われるVCJD患者が3人見つかっている。英国と日本では、かなりリスク
は違うが、山内一也・東京大名誉教授は「食の安全面から大きな問題になったBS
E問題は今、医療行為にかかわる問題にもなろうとしている」と指摘する。
(2006.09.10 朝日朝刊/総説)