シニアの一人たび

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NPOバンク、困った

2006-09-12 09:50:56 | 生活関連ニュース
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 なんとも悩ましい。年率29.2%の灰色高利の廃止を巡って大もめの貸金業規正法
の改正で、とんだ迷惑を被りそうな人々がいる。
 NPOバンクの面々だ。
 福祉や子育てなど地域に役立つ事業なのに、担保がなくて一般の金融機関からは
融資を受けられない。そんな人たちに、市民運動や生協活動などを母体に集めた資
金を、低利で貸し付けている。

 もうけ主義ではない。「信頼」を担保にした新しいお金の生かし方が共感を呼び、
各地に広がりつつある。この春までの累計で、首都圏や北海道など五つのNPOバ
ンクの融資総額は12億円を越えている。
 それが今回の法改正では、暴利をむさぼってきた業者と同列に規制対象になる。
たとえば、貸金業者の純資産額の下限を5千万円に引き上げる規定は、小口の悪徳
業者を締め出す狙いだが、小規模なNPOバンクの存立と新規参入を難しくする。

 入会金10万円、年会費6万円の貸金業協会への強制加入も、軽くない負担だ。
多重債務者をなくす。高利貸を排除する。こうした法改正の趣旨を支持しつつ、N
PO関係者は非営利の自分たちの「適用除外」を求め始めた。
 だが、金融庁は悪質な業者にも逃げ道を与えかねない、と慎重だ。
神奈川県内で、NPOバンクを運営する向田映子さん(60)は、戸惑いながら言う。
「私たちは多重債務者を支援するNPOにも融資してきたのに....」<坪井ゆずる>
              (2006.09.11 朝日夕刊/窓(論説委員室から))