きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

バーニング 劇場版

2020年02月28日 | 韓国


前作の「ポエトリー」から8年。
寡作な監督さんですよね、楽しみにしてるけど突きつけられるものが多くて
毎回悩むんだけど、今回はさらに難解でした。

村上春樹さんの小説の映像化するというNHKの企画から始まったもので、第一弾として作られ、原作は「納屋を焼く」。
2018年12月に95分の短縮版として放送され、翌年の2月に「バーニング 劇場版」として劇場公開されたそうです。

カンヌやアカデミー賞では評価は良かったけど、韓国では動員が50万ちょっとらしいので興行的にはぱっとしなかったんですねぇ。


一番印象に残ったのは、ジョンスのパジュの家の庭先の夕日の場面。
ヘミが半裸になってダンスをするシーンは彼女が今ここで生きているという美しさを最大限に表現してた。綺麗だったねー。

さらにそこでベンが語ったこと。
定期的にビニールハウスを焼いているということ。
衝撃的すぎる!

いくら朽ちたビニールハウスを選んだとしても、いやそれはダメでしょ犯罪でしょって思うけど、そういうのはいくらでもあるし、焼けたとしても誰も問題になんてしない、って、、、いやいや、金持ちのストレス発散というより、性癖っぽい雰囲気もあって、
月に一回くらいって言ってるし、なんか不穏だなって思ってる矢先にヘミがいなくなって一気にサスペンスの様相に。

ものすごく怖くないですか?焼けてなくなってもだれも問題にしない存在って、、、
存在しているってとういうこと?って思えば思うほど、マジックアワーのヘミが存在している半裸の美しさが際立ってくる。

ここにミカンがあるって思わないで
ミカンがないことを忘れたらいい

食べることに飢えたリトルハンガーと
生きることに飢えたグレイトハンガーの話

ヘミはジョンスの幼馴染なんだけど整形してるので最初はわからなかった
そもそも、彼女自体が本当に存在している人なのか
それさえも途中からいないことを忘れたらいいの?って混乱しましたわ。

でも本当のことはわからなくて、スティーヴン・ユァン演じるベンが狂気の人かもしれないけど、苦労知らずの金持ちでただのいい人かもしれなくてわからない。
得体のしれない不気味さが上手でしたね。
ユ・アインは人気のある若手俳優だけど、「ベテラン」で悪役御曹司を演じてて凄かったのよ、キレキレで☆
 ⇒⇒ 「ベテラン」レビューはこちら
今回は朴訥とした田舎の青年でまた全然違う。いいよねぇ。

ドラマ版は小説家志望のジョンスが小説を書く画面で終わったらしいんだけど、
劇場版は衝撃的すぎるエンディングを迎えます。

終わってからぐるぐるぐるぐるするよね、うん、イチャンドン監督だもん。
「何を書いたらいいのかわからない」と言っていたジョンスがやっとなにかを表現しようとしたのかなって小説の中の物語のようにも感じるし、これは正解はないんでしょうね。

「死ぬのは怖いから最初からいなかったみたいに消えたい」と言ったヘミ。
なんかさ、みんな孤独で寂しくて辛い。

因みに、イチャンドン監督の今までの作品は自身が脚本を書きおろしてたような気がするんだけど、今回は原作ありだったので、少しいままでとちょっと雰囲気が違うような、そんな気が個人的にはしたのでした。

 ⇒⇒ イチャンドン監督の過去作はこちら



バーニング 劇場版(原題:버닝)  2018年  ☆☆☆☆☆
監督:イ・チャンドン
出演:ユ・アイン、スティーヴン・ユァン、チョン・ジョンソ
原作:村上春樹

小説家を目指しながらアルバイトで生計を立てているジョンス(ユ・アイン)は、幼なじみのヘミ(チョン・ジョンソ)からアフリカ旅行へ行くのでペットの猫を預かってほしいと頼まれる。帰国したヘミに旅先で出会ったベン(スティーヴン・ユァン)を紹介されたジョンスはある日、ベンに秘密を打ち明けられ、恐ろしい予感が頭から離れなくなる。

ジョーカー

2020年02月11日 | アメリカ・イギリス



観に行きたくて何回も迷ったんだけどメンタル自信なくてねぇ、、
苦手意識はないんだけど、これに関してはなぜだか気持ち引きずられそうで、
結局映画館には行けないままだったんだけど、
今回アカデミー主演男優賞受賞したということで、ホアキン・フェニックスの怪演を観てみようと思いやっと鑑賞に至りました。

やっぱり重かった。
希望がひとつもない。
そんな人生を喜劇だ って言ってしまう人生は辛すぎる。

緊張する場面で笑ってしまう病気。
自分でコントロールできないものを持っている人はたぶん私が思ってる以上にたくさんいるのかもしれないと、この年になってやっと理解してきてる。
それが許容できる社会だったら、そうじゃない人にとっても楽なのにと思う。

スタンドアップコメディショーに出演するシーンで自ら死んじゃうんじゃないかとドキドキしながら観てたけど、そーいえばこれはジョーカー誕生の物語だった。
そもそもアメコミを全く知らないのでジョーカーの概念もないんですよ、私。
死んじゃったらダメじゃんね、すっかり忘れてマジで悲観しながら観てました。

悪のヒーロー誕生の物語と思えば、もう少し違う気持ちで観られるのかもしれない。
人を殺した瞬間からアーサーの表情がふっきれたもんなぁ。
好んで観るタイプの作品ではなかったけど、ホアキン・フェニックスさんは間違いなく怪演されてて最高でした。



ジョーカー  2019年
監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ

孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。

フォードvsフェラーリ

2020年02月07日 | アメリカ・イギリス



うちの夫は車が好きで、工具好き(収集癖)がありまして、そりゃ観たくなる映画です。
出てくる車や小道具すべてにリアリティがあって、それだけでも超楽しかったそうですわ。
そういう意味では比較的男性が好む傾向があるのかもしれないけれど、私も面白かったです。

シェルビーが日常で乗ってる車のなんとキュートなこと、アメ車ってやたらとデカいイメージだったけど、おもちゃみたいな可愛らしさでした。
今とは違うなにもかもが手作りのアナログな世界。
レース中にドアが外れて、ガーーンって打ち付けて直すって笑っちゃうよね。

タイトルが「フォードvsフェラーリ」なので、ルマン24時間レースをめぐって両社が競い合うのかと思ってたら、そうばかりでもなくて、フォードの経営陣の妨害と闘いながら、自社の企業倫理の中で上司との軋轢もありつつ、純粋にマシンの開発に挑み勝利に向かっていく男二人のお話。

なんつーかドラマの日曜劇場的な働く男たちの話って感じもありつつで、、、池井戸潤かよって思った(笑)
バディものともいえるわけで、二人の熱い友情の話。
殴り合って分かり合えるってホント古典的でもあり、それが良いんですよ。
マット・デイモンとクリスチャン・ベールの競演っていうのが贅沢で楽しめました。
渋めでリアリティあったな。

7000rpmというたった一人で挑む極限の世界。
ギアチェンジによる加速やドライバー目線のレースの臨場感は音も良くて、迫力満点でした。

最後にご本人たちの写真が出てきたけど、特にケン・マイルズさんは横顔がとっても良く似てました。




フォードvsフェラーリ(原題:Ford v Ferrari)  2019年
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:マット・デイモン、クリスチャン・ベイル、カトリーナ・バルフ、ノア・ジュープ

カーレース界でフェラーリが圧倒的な力を持っていた1966年、エンジニアのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)はフォード・モーター社からル・マンでの勝利を命じられる。敵を圧倒する新車開発に励む彼は、型破りなイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつける。時間も資金も限られた中、二人はフェラーリに勝利するため力を合わせて試練を乗り越えていく。

パラサイト 半地下の家族

2020年02月02日 | 韓国


面白かった!!

一人いろいろ考えながら歩いて帰ってきました。
思うようにはいかないから、計画しない人生、、、、わかるもんなぁ
自分がってことじゃなくても周りを見渡して、、そうなるよなぁってことあるもん。
思うようにならないことのほうが多い。

、、って何をいきなりいってるのか自分(笑)

格差の問題、ワーキングプア、温暖化による豪雨
いろんなテーマが含まれる作品でありますけど
とりあえず全部ひっくるめて
エンタメとして最高に面白かった!!

なかなか観に行く時間が取れなくて、頑張ってネタバレ阻止してたんっすよ。
予告編↓レベルで止めておくのが賢明です、あとは映画館で観るべしな作品です。

ひと昔前の韓国ドラマでは、貧乏人は屋上に追加で建てられたような家に住んでた気がするんだけど今は半地下で、北朝鮮からの攻撃に備えた防空壕を住まいとして格安で借りるんだって。水圧のせいでトイレがあんな高いところにある。
風も通らないし、日も当たらない、さぞかしかび臭いんだろな。

チキン屋が倒産してって話をよく聞いたけど、そのあとは台湾カステラの店を開いて倒産したって話らしく、両方とも手をだして、どちらもうまくいかなかったのね。
コネを持たないキム一家はそうやって必死に生計を立ててきたけれど結局半地下でその日その日を暮らしてる。

決して能力のない人たちじゃないのよね、でなきゃあんなパラサイトできないですよ。
お金持ちのパク家も、なんか純粋というか人の好い方たちで← 嫌な人があまり出てこないんですよね。
なのに、ものすごい展開で話が進んでいく、凄いわ!

家族がね、仲が良いのよね、貧しくてもみんなで協力して生きてる。
「グエムル 漢江の怪物」もそうだった。 
頼れるものは家族親族だからね。
深刻な現状でも笑えるのは、ソンガンホさんのなせる業か、ポンジュノさんだからか。

バイオレンスで終わるのも韓国映画らしいといえばらしくて、
一瞬夢見たけどね、そんなに甘くない。

しかし相変わらずイ・ソンギュンさんは声がいいなぁ☆



パラサイト 半地下の家族(原題:기생충)  2019年  ☆☆☆☆☆
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン、チョ・ヨジョン、イ・ソンギュン

半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね、兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れる。