きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

脳内ポイズンベリー

2016年07月31日 | 日本
引っ込み思案で優柔不断な彼女の性格は、どうやらその脳内派閥の力関係によるもののようである。



原作は水城せとなさんの漫画。失恋ショコラティエもこの方だそうです。
理性、ポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶 を担当するキャラクタが脳内で会議をする。

理性担当→吉田(西島秀俊)
   議長を務めるメガネ男子。多数派に従いがちな風見鶏。
ポジティブ担当→石橋(神木隆之介)
   ポジティブな思考を表す。陽気な性格。
ネガティブ担当→池田(吉田羊)
   ネガティブな思考女子。あらゆる行動に否定的消極的。
衝動担当→ハトコ(桜田ひより)
   嬉しい、悲しい、ときめきなどを直截に表現する子供じみた性格。
記憶担当→岸(浅野和之)
   記録係の初老の男性。票決が偶数で割れた時は参加する。

設定の面白さと
脳内メンバーの豪華さだけで十分楽しいです





始まりは軽いタッチのラブコメかと思って観てたんですよね、
恋人役の早乙女(古河雄輝)くんはヒロインと年齢差もあったのでまさかここまで真剣に付き合うとはね。
意外に真面目な男の子だった。
いちこはケータイ小説を足掛かりに小説家になり、早乙女も売れないアーティストになる。
いい感じだったのになぁ、このまま付き合えば良かったのに。
、、つか、これは完全に私の好みで、
古河雄輝くんの持ってる今どきっぽくて、清潔感のある知的な感じが好きかも。
直後に映画「太陽」を観たんだけど、そこでもキーパーソンを握るいい役を演じてました。

いちこの住んでる部屋が素敵だったんですよ
       ⇒ 恋に揺れるアラサー女子、いちこの部屋



脳内ポイズンベリー  2015年
監督:佐藤祐市
脚本:相沢友子
原作:水城せとな

櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で同席して以降興味を惹かれる年下の早乙女(古川雄輝)と偶然再会。声を掛けるか否か、彼女の脳内ではいろいろな役割を持つメンバーが会議を繰り広げられ、議長の吉田(西島秀俊)が取りまとめた結果、早乙女を食事に誘うという結論に。その後交際に至るも双方の誤解や彼の元恋人の登場などで疲れ果てたいちこは、編集者の越智(成河)からもアプローチされる。

海よりもまだ深く

2016年07月31日 | 日本


「歩いても歩いても」「海街diary」が大好きなので公開早々に観に行ってきました。
日常生活を淡々と描く是枝作品らしくて嫌いではないんだけど
すぐにレビューを書く気にならなくてね。

正直、コンパクトサイズの団地に無精ひげの背の高い阿部寛さんは狭すぎて、
きっと子供の頃は自慢の子だったんだと思うよね。
いい子なんだとは思うのよ。
でもあの年になっても金にだらしない息子ってのもね、、母は心が痛みまする。
いや、わかるのよ、わかり過ぎるくらいわかる。
ダメな子ほど可愛いのよ息子って。

樹木希林おかあさーーん!
カルピスを凍らすって手はアリですね(笑)カチカチで食べにくそうだけど。
見覚えのある黄色い電車登場で親近感湧きますなー。
実際、ここは是枝監督が育った団地らしいです。

クライマックスが台風の夜っていうのもエピソードとしてはちょっと弱い気がして、
気分としては、ホント、実家に帰ったんだなワタシ、っていう感想でした。



海よりもまだ深く  2016年
監督:是枝裕和
出演:阿部寛、樹木希林、真木よう子

15年前に1度だけ文学賞を受賞したことのある良多(阿部寛)は、「小説のための取材」と理由を付けて探偵事務所で働いている。良多は離婚した元妻の響子(真木よう子)への思いを捨てきれず、響子に新しく恋人ができたことにぼうぜんとしていた。良多、響子、息子の真悟(吉澤太陽)は、良多の母・淑子(樹木希林)の家に偶然集まったある日、台風の一夜を皆で過ごすことになる。

のぼうの城

2016年07月29日 | 日本


上映中から気になってた作品ではあったのですよ「のぼうの城」
いつかは観ようと思ってたら、おーちゃんの「忍びの国」との繋がりができて、
ぜひ近々に観なくちゃと思ってたところにWOWOWで放映。
2時間26分もあるのよ、長い~。

秀吉の天下統一の仕上げとしての小田原征伐。
支城のひとつである忍城を2万の大軍で攻めた石田三成に対して、城にこもったのは500人。
忍城は小田原本城が開城した後も落城せず抵抗を続ける唯一の城となった、という史実に基づいての物語。

出だしが若干間延びして退屈な気がしたけど、
合戦が始まってからはエンターテイメント色が強くなってきて面白かった。
ぐっさん力持ち過ぎでしょ(笑)
命がけの戦いではあるけど、ヨーイドンで試合が始まるみたいな感じ。
今の時代、生死をかけた戦いなんて考えられないけど、
死生観が全く違うんだね。

上地雄輔って端正な顔立ちしてるのね、新鮮な石田三成さんでした。

のぼう役の野村萬斎さんありきの脚本ですよね。
クライマックスの田楽踊りは他の方では成立しないでしょ。
戦国エンターテイメントとして充分楽しめました。

シネマハスラーの宇多丸さんのレビューを探して聴いてみたけど面白かった。
戦国ものを作るのって難しくなってきてるっていう話だけど、
和田竜さん脚本の「忍びの国」楽しみにしています。

+追記+
今日から始まった映画「シン・ゴジラ」
珍しく旦那も行きたいって言うから楽しみにしてるんだけど、
特撮が樋口監督で、ゴジラは野村萬斎さんだそうで、、、なんか繋がってる☆



のぼうの城 2011年
監督:犬童一心、樋口真嗣
出演:野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、佐藤浩市、市村正親
脚本:和田竜

天下統一を目指す豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じるも、その中には最後まで落ちなかった武州・忍城(おしじょう)と呼ばれる支城があった。その城には領民からでくのぼうをやゆした“のぼう様”と呼ばれ、誰も及ばぬ人気で人心を掌握する成田長親(野村萬斎)という城代がいた。秀吉は20,000の軍勢で攻撃を開始するが、将に求められる智も仁も勇もない、文字通りのでくのぼうのような男の長親は、その40分の1の軍勢で迎え討とうとする。

太陽

2016年07月18日 | 日本

 

原作は劇団「イキウメ」の舞台、初演は2011年。
2014年に蜷川さんが「太陽2068」というタイトルで演出してる。
その映画化。

ウィルスの猛威で人口が激減し、
太陽の下では生きられないが老化しにくく、理性的で進化した富裕層の新人類「ノクス」と、
太陽の下で自由に生きるがノクスに管理される貧しい旧人類「キュリオ」という
格差社会が構成された近未来の話。

観終ってから考えることがあまりにたくさんあって、
どんどん嵌っていった作品。
「太陽2068」は映像化されておりWOWOWでも放送されているので探してきてそれも観ちゃった。
基本ストーリはほぼいっしょだったけど、やはり舞台と映画では表現手段が違うので興味深かった。

日本地図を見て、僕らの知ってる地図と違うと鉄彦が言うの。
情報を管理され教育も正しく受けらないということだよね。
中盤、ある理由で鉄彦(神木隆之介)が叫びながら地団駄を踏む場面があるんだけど、
感情をコントロールできないということは、感情を正しく語源化しげ表現できないということ、
子供と一緒ね、泣け叫びながら地団駄を踏むしかない。
閉塞感で正直こっちがイライラするくらい苦しかった。

神木くんと結役の門脇麦ちゃんが素晴らしかった。

太陽の光を浴びられない人生は考えられないけど、
ノクスに管理されて暮すのは嫌。
でも実は富裕層のノクスのほうが恐ろしく何かに管理されてる気がして、
ラスト、キュリオからノクスに転換した結の表情。
キュリオとして苦しみながらも思慮深い表情だった彼女が、
なにもかもがスッキリして生まれ変わったと言っているのに、
大事なものを失ってしまった薄っぺらな表情で話している姿に背筋がぞっとした。

もしかしたら、当たり前として受け入れている今の生活は、
ノクスの要素を何かしら持っているのではないかと、、
人間はどうしてこうも何かに管理されて生きるしかないのか。
そういう思いが映画を観て以来頭から離れない。

門番のノクスの青年、古川雄輝くん、どっかで見たと思ったら「脳内ポイズンベリー」の男の子なのね。
すらっと背が髙くて顔が小さい彼の風貌が、近未来の新人類のイメージにぴったりだった。
ノクスの場面は夜なのでずっと暗いんだけど、
彼の品のよさと真っ当さにとても救われた気がしました。

地味な作品ですけどね、
興味のある方にはお薦めしたい作品です。