きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

騙し絵の牙

2021年03月26日 | 日本

 

面白かった!!

原作未読、「騙し合いバトル 全員ウソをついている」のキャッチフレーズ情報のみで観ました。
予告編は忘れたほうがいいかも。

大泉洋さんを当て書きされた作品だそうですが、脚本が当て書きと思っていたら、なんと!そもそも原作が当て書きされたものと後で知って驚いて、さらに映画化にあたって大幅に改変されていて驚きまくりです。
原作に引っ張られてわかりにくくなる作品がたまにある中で、吉田大八監督流石です。

結果、超面白かった!!

ともかくテンポが良い、主人公速水のすることがことごとく冴えわたって上手くいくので楽しい。
そんな、出来すぎでしょ!っていう感想は、なしでお願いしたい(笑)
だってそれを言ったら面白くない。
若干チープな展開もあるけれど、二転三転する状況に、ほぇ~って言いながらついていくのが楽しいんですから。

出版業界の内情が垣間見えて興味深かった。
高野恵の実家の書店が懐かしくて、子供の頃近所にあったなぁあんな本屋さん。

最上級のエンタメ、出演者陣も贅沢、最初から最後までストレスなくずっと楽しめて、
ラストも気持ちよ~~く回収されました。

 

 

騙し絵の牙  2021年  ☆☆☆☆
監督:吉田大八
原作:塩田武士
出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、木村佳乃、佐野史郎、佐藤浩市、國村隼

大手出版社の薫風社で創業一族の社長が急死し、次期社長の座を巡って権力争いが勃発する。専務の東松(佐藤浩市)が断行する改革で雑誌が次々と廃刊の危機に陥り、変わり者の速水(大泉洋)が編集長を務めるお荷物雑誌「トリニティ」も例外ではなかった。くせ者ぞろいの上層部、作家、同僚たちの思惑が交錯する中、速水は新人編集者の高野(松岡茉優)を巻き込んで雑誌を存続させるための策を仕掛ける。


アズミ・ハルコは行方不明

2021年03月23日 | 日本



これはね、とても面白かったんだけど、難しかった。

なんといっても時間軸がわかりにくい。行ったり来たり、もしくは同じ場面が繰り返されたり。
それが難しさの要因だけど、同時に疾走感と躍動感が増してテンポよく面白くなってる。

ハルコの職場の環境の最悪さはちょっと懐かしいというか(←おいおい)
私が20代の頃の職場の女子の環境って近いものがあった、結婚するまでの腰掛っていうか。
それにしても最悪で最低な上司なんだこれが。

強烈なのがフラッシュバックのように突如現れる女子高生集団。
無差別に男子をボコる。

これは原作者の山内マリコさんの怒りなんでしょうね。
最後は女子高生だけじゃない集団になってた(私もいるのかな?)面白い!!

高畑充希演じるアイナが、軽薄でハイテンションでヒドイ!イライラする!最高だった!!
走りまくってたね、パワーがあったわ。
ユキオ(太賀くん)学(葉山くん)と共に「キルロイ」として街にアズミハルコの捜索願の張り紙をして落書きしまくる。
アホや~、アホだけど、有り余ったエネルギー、高揚感が凄かった、無知な若さが鬱陶しい。

失踪しちゃうアズミハルコもたぶんよくわかってないんだろな。
曽我(石崎ひゅーい)に付き合いたいと懇願してた。
あんなつまんない奴でさえ、ここではないどこかへ連れて行ってくれるかもしれない男なんだ、、悲しすぎる嫌になる。

ハルコの同級生の今井が、キャバクラで働いてた時のアイナの先輩という3人の関係。
今井の娘と共に3人で海へ行こうと物語は完結する。

もうね、正直ここまでくると整理がつきません(本音)
つまらん男たちがいない世界、女だけでいるんだな、と思うけど、これは人によっていろんな解釈がありそうです。

私の素直な感想としては、アズミハルコは行方不明になってないし、失踪もしてない気がしてて、
でも彼女が暮らしてたところは、閉塞してて最悪だった。

そんなところからはさっさと行方不明になってしまえ!
自分らしく生きられるところで生きればいいんだ!
って、そういうことかなって、私なりの結論なのでした。

好き嫌いが分かれるかもしれない。私はお気に入りの作品になりました。




アズミ・ハルコは行方不明  2016年  ☆☆☆☆
監督:松居大悟
原作:山内マリコ
出演:蒼井優、高畑充希、仲野太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子

地方都市在住で27歳独身の会社員安曇春子(蒼井優)は、実家で両親と高齢の祖母と猫のみーちゃんと共に暮らしている。祖母の介護でイライラしがちな母親のまき散らす険悪な雰囲気が漂う家は、彼女にとって安らげる場所ではなかった。一方、成人式で中学時代の友人ユキオ(太賀)と再会した20歳の愛菜(高畑充希)は、流れでつい体の関係を持つ。


ミナリ

2021年03月20日 | アメリカ・イギリス
韓国映画は面白い、主演3人の代表的な過去作を振り返ってそれだけでも楽しい。

『ハウスメイド』のユン・ヨジョン
強烈でキレキレな作品、ユン・ヨジョンさんの「家政婦は見た」版、好きですよ私は。    
『海にかかる霧』のハン・イェリ
ずっしり重い作品でハン・イェリちゃん可愛かった。
『バーニング 劇場版』のスティーブン・ユァン 
何気に今作とリンクして終盤ちょっと驚きました。



アカデミー賞最有力という最強なパワーワードを眺めつつ、数々の韓国映画作品の先にこういう事象(評価)に辿り着いたんだなぁなどと、勝手にいろいろ思ったりしております(超個人的感想)
でも、これは韓国映画ではない、アメリカ映画なんですよ、ややこしい。

ミナリ(芹)は韓国でよく食べられる食材で、田んぼの畔で逞しく生息する植物。
移住した先で逞しく根を張って生きた家族の話、移民した一家の話。

家族の話であり、移民の話でもあり、宗教の話でもあり、ラストはダウンジングで水脈を探す場面で終わったってことは、いろんなことを受け入れてその土地で生きていこうと決めたんだ、という話なんですよね、きっと。
実感として受け入れられない部分も感じつつだけど、総じて面白い作品でありました。

リー・アイザック・チョン監督の自伝的物語で、息子のデビッドが監督ということなんだよね。
一番の見どころはおばあちゃんの存在ですよね、おばあちゃんが登場したことで物語が俄然面白くなってくる。
クッキーも焼けない韓国の匂いのする花札をするおばあちゃんを嫌がっていたのだけれど、体の弱い自分を「ストロングボーイ」だと励ましてくれるおばあちゃんと心を通わせていく。
理屈じゃないんだよね、おばあちゃんと暮らすことで自身のアイデンティティを見つけるような話だった。
ユン・ヨジョンさんが素晴らしくて、「すべてのおばあちゃんに捧ぐ」で納得だなぁって、思ったのでした。

日々の暮らしを丁寧描いた作品。夫婦のぶつかり合いがリアルで喧嘩ばかりしてたけど、大きな災難に対しては家族は一致団結して乗り越えていくんだよね。




ミナリ(原題:미나리)  2021年
監督:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョン

1980年代、農業で成功したいと意気込む韓国系移民のジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、アメリカ・アーカンソー州に家族と共に移住。広大な荒地とおんぼろのトレーラーハウスを見た妻は、夫の無謀な冒険に危うさを感じる。一方、しっかり者の長女アンと好奇心豊かな弟デビッドは新天地に希望を見いだし、デビッドは口の悪い破天荒な祖母とも風変わりな絆を育む。しかし、干ばつなどのために窮地に立たされた一家をさらなる試練が襲う。

あの頃。

2021年03月05日 | 日本

 

自身、かなりの大人になってからあるグループのファンになって10年、万難を排してライブ参戦してきた身としては、共感する部分あり、気恥ずかしさありつつ、総じて興味深く面白かった。
「好き」って最強だもんね、「好きなものがあって、人生で今が一番楽しい」って言葉には共感しかない。

チケットのご縁で初対面の方と並んでコンサートを見るシーン、あるあるだもんなぁ。
桃李くんがそもそもオタク要素のある人だもんね、あややに出会った瞬間の表情はこっちまで感涙しちゃった。

と、共感しまくってますけど、恋愛研究会の彼らのやってることがダメダメで笑っちゃいました。
中学10年生。
楽しそうなんだけど、男同志のおふざけが素直に受け入れられるかは人によるかもしれない。何度かあったトークイベントは原作者さんが脚本を書いていて実話ベースらしいです。白ブリーフ姿の彼にも感服したし。
ということで、そうですかと受け入れます←(笑)

下手に描くと痛くなるけれど、距離感も含め、そのあたりのイタさの描き方の加減が絶妙で、演出も演者も素晴らしかった。

松坂桃李くんの素晴らしさは言わずもがなだけど、コズミン役の仲野太賀くんがね、彼は嫌な役を演じるととことん嫌いになっちゃうくらいに嫌だもんね。でも嫌いになれない。流石です。
ラストは悲しくて切なかった。

永遠ってないのよね、いつかは卒業する。
今が一番幸せって思えるのが何よりです。

サルビアの花は何故かたま~~に思い出して口ずさむ歌。びっくりした。

 

 

あの頃。  2021年
監督:今泉力哉
脚本:富永昌敬
出演:松坂桃李、仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウ

大学院受験に落ち、恋人もおらず、金もない劔(松坂桃李)。どん底の生活を送る中、松浦亜弥の「桃色片想い」のミュージックビデオを目にしたのがきっかけで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちの熱狂的なファンになりオタ活に没頭する。藤本美貴推しで、プライドが高くてひねくれたコズミン(仲野太賀)をはじめとするオタク仲間と「恋愛研究会。」を結成し、トークイベントやライブの開催、学園祭でのアイドルの啓蒙活動に励む劔。だが仲間たちは、アイドルよりも大切なものを見つけて散り散りになっていく。

今泉力哉×劔樹人 映画『あの頃。』で描く「アイドルに捧げた大人の青春」