去年の正月に韓国で映画を観た時にこの映画の予告編が流れたらキャーって悲鳴があがってみんながため息ついてた。当時ヒョンビンはドラマがヒットして話題の人気者で、そして兵役間近の映画公開だったんですよね。確かに予告編で見るヒョンビンはムッチャ男前、タンウェイは韓国の映画祭で女優賞をたくさん受賞してたよね。そりゃもー観る前から期待が膨らみます。
「レイトオータム」は日本映画(岸恵子と萩原健一共演の「約束」)のリメイクかと思ってたけど、もとは韓国映画。1966年の映画「晩秋」は韓国で「オールタイム・ベストテン」にランクインされる名作だそうです。やっぱり期待するっちゅーの(笑)引越まで10日切った忙しい中、観に行っちゃいました。
あんまり期待して観ちゃだめってことでしょうかね~、期待以上ではなかった。
出会いから二人が近づくところがちょっと間延びして退屈しちゃった。
シアトルっていつもあんなに霧が立ち込める街なんですね、雰囲気のある街なんだからもっとシアトルの街を見たかったかな。もっと異国の街に立つ二人の心細さがでればいいのに。
フンがアンナの元カレに「こいつはおれのフォークをつかったんだ!」とウソをついて責めた時、アンナは元カレの言葉を信じずフンの嘘を信じて「なんでヒトのフォークを使うのよ!」って食ってかかるシーンが面白かった。元カレがあの時アンナのところに来なかったこと怒りが爆発したのね。
遊園地のカップルの会話をフンとアンナのアテレコする場面もそうだけど、異国で出会う異国のカップルの現実的でない夢のような出会い。なんかねぇ、現実感なかったのよね。だから二人の切ない恋を感じなかった。
私が思うに、この場合、ヒョンビンがかっこよすぎたんだと思うんですよね。
だってフンはいわば出張ホステスの男版で全然まともな男じゃなくて、髪のセットを気にしたりして軽い男なわけでしょ。なのに、なにあのカッコよさ(笑)フンの軽さやふざけた感じがアンナの頑なな心をとかすと思うのよね。ちょっとダサくて軽い感じの男が影のあるアンナと出会うことで刹那な恋が生まれるっての、想像するだけで私的にはゾクゾクするんだけど、ヒョンビンは最初から絵に描いたようにカッコよくて、シャワーシーンなんてストリーに関係なく見惚れちゃったもんね(笑)
こんな結論、ヒョンビンに申し訳ないかしらん。いや、彼はすごく素敵に演じてたと思う。外国の風景に自然に馴染む俳優ってそんなにいないと思うのよね。
以前に映画「インタビュー」でパリの風景に似合ってるイ・ジョンジェが超かっこいいって書いたことあったけど、ヒョンビンもそんな素敵さがある俳優でした。
晩秋(만추) 2011年
監督:キム・テヨン
俳優:ヒョンビン、タン・ウェイ
DVの夫を誤って死なせてしまったアンナ(タン・ウェイ)。収監されてから7年。模範囚であった彼女は母親の訃報を受け初めて72時間だけ外出が許可される。葬儀に向かうバスに乗ると、誰かに追われている様子の男フン(ヒョンビン)が慌てて乗り込んでくる。持ち合わせのないフンは、同じアジア系のアンにお金を貸してほしいと頼む。そんなフンは寂しい女性たちを喜ばせる「エスコート・サービス」をしている、ひたすらよく喋る韓国人男性だった。