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どちらを選ぶかは自分次第

国益を唱えれば国益を損なう「つぶし合いから分かち合いへ」

2011年11月04日 | サーカーの予言
資本主義社会。私たちが、安住しつつ、どこかで不安を持ちながらも、これに頼ってきた確固とした現代の経済システム。
ガラガラと壊れていく前夜・・・なのか。

人類の歴史の中では、かつて侵略と武力によって、人を支配し国を統治してきた時代があった。
現代においては、経済、カネが支配する社会。力を持つ者は、カネを持つもの。
何につけても、経済が最優先であり、経済的に成り立たない仕事は、価値がないとみなされる。

ここへきて、かつては途上国と言われていた国々が、新興国と呼ばれるようになり、カネはさらにワールドワイドに世界を飛び回るようになった。
地球規模の経済活動、グローバリズムの下、支配するものとされるものは、ますます格差を広げてゆく。
お金がお金を生む、狂ったようなマネーゲームがゆきすぎて、このシステムはいよいよ暴走してしまったように思える。

リーマンショック以前から、大恐慌の予兆はあったものの、なんとか持ち直しつつ、ごまかし続けているようにも思える、世界経済。
世界恐慌は、起こるべくして起こるのだろうか。


     


最近、ちょっと気になる玉川徹さんの本、「玉川徹のちょっと待った総研」に、世界恐慌についてエコノミストの浜矩子さんの、説明と処方箋が載っていた。

世界恐慌の可能性もわかりやすく説明されており、特に処方箋については、とても興味深い内容だったので、以下、メモのために概要を書いておきます。


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世界恐慌の起こる3つのパターンの可能性

1.財政恐慌
2.新興国恐慌
3.国益衝突型恐慌


1.財政恐慌
  (再生型と破たん型の2つの経路)

財政再生型恐慌

国家の財政再生のため、歳出を減らされ企業を支援するための予算は大幅に減らされる。従来なら、破たんを逃れていたような企業が支援を受けられず倒産。国の経済は弱体化。

財政破たん型恐慌

財政再建がおしなべて失敗し、ごろごろと国家破たんが発生。

・・・ということは、財政が再生しても破たんしても恐慌になる可能性があるということ。

2.新興国恐慌

中国、インド、ブラジル、インドネシアの新興国の国債が多量に買われている。利回り10%を超える国もあり、カネがそこに流れ込みバブル状態になっている。
そのバブルが一斉に破裂して、同時多発型恐慌になる可能性がある。
先進国がデフレを解消しようとして、緊急緩和をやって、意図的にカネ余り状態を作った。
しかし、自国の経済を救うつもりが、自国内に流れず、高い金利を稼げる新興諸国にどんどん流れだし、さらに新興国のバブルがあおられる。
世界経済を救う頼みの綱の新興国がだめになれば、先進諸国は、輸出も投資もできなくなる。→世界恐慌へ。

3.国益衝突型恐慌

みんなが自国の利益だけ考えて、お互いを排除し合う。輸入はしない。為替レートをめぐって為替戦争は起こる。たがいにデフレを輸出し合うことになる。そういう状況で互いの市場を奪おうとすれば、本物の戦争になりかねない。


これらの危機に関して、浜氏の処方箋は・・・

このひどい状況になったのは、「地球は一つ。されど国々は多数」という状況から。カネは国境に制約されず、国境を越えて、グローバル経済上を飛び回る。その結果が、リーマンショックである。でも後始末をする国は、国境を越えられない。
一つの地球には、一つの財政で対応しなければ、状況は改善できない。国々が一体となって、協調体制を組んでかからねば、問題は解決しない。
グローバル経済では、「国益を唱えることが国益を損なう」ことになる。生き残るためには、「つぶし合いから、分かち合いへ」という心構えの変化が必要である。


最後に、玉川徹氏から一言

「利己主義は、結局自分に悪い結果しかもたらさない」という人間関係の根本が、実は経済にもそのまま当てはまるとは・・・。政治家はすぐ「国益」を唱えますが、本当に日本が生き残るには、「国益という利己主義を見つめなおす」必要があるのですね。


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私は、略奪資本主義には、自己利益と数字があるのみで、他者のためとか他国のためという発想なんかないものだと思っていました。
今回、たまたま読んだ、浜氏の「つぶし合いから分かち合い」というキーワードはとても新鮮で、心惹かれたので、概要を紹介させていただきました。

しかし、人類に「つぶし合わずに分かち合う」というハードル、乗り越えられるのだろうか・・・という思いが浮かんでは消え、消えては浮かび・・・。
人類は、武力支配から経済支配を越えて、分かち合いの次のステップに、向かおうとするのか。
あるいは、「サーカーの予言」の通り、「資本主義は花火のように爆発する」その過程を経なければ、そこにたどり着けないのか。

TPPの行方、ギリシャとEU諸国、G20の各国首脳の顔を見ながら、そんなことを思った。


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4 コメント

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私は少数派さんへ (金木犀)
2018-12-07 19:23:35
HANAさんのツイート、わかりやすい。
そのとおりですね。
自民党はとっくに終わってます。
ため息しか出てこないです。
お願いだから次の選挙では、人でなしの日本にならないように、自民党には投票しないでほしいと、思うことはそればかりです。
立民はじめとした野党には、まっとうな良心があるのでそれだけが救いです。
返信する
心ない人たちが国会議員をやっている国 (私は少数派)
2018-12-07 19:02:22
偶然見かけたツイですが、
HANAさんという方が以下の様につぶやいておられます。このツイにいくつもの同調するツイがつながっていました。
‏「有田議員が
亡くなった実習生の死因を
一人一人読み上げてる
与党はすごいヤジ
法務委員会で出たリストを知らないわけがない
これを聞いて平気なやつばっかりなんだ
ひとでなしは安倍だけじゃない
自民党も公明党もひとでなししかいない
こいつら担ぎ出したやつらもひとでなしだ!
17:51 - 2018年12月6日 」

本当に、情けない人たちです。
この様な人たちが国会議員になっている日本っていったい・・・?
と、思ってしまいます。
私はこのHANAさんという方の憤りがわかります。自分も憤っています。野党の人たちはコピーも許可されず(よほど隠しておきたかった資料だということがよく判る内容。)、これらの資料を全部手書きで写したといいます。
こういう人たちで構成されている与党を支持する人たちも投票する人たちも同じ穴の狢だと思えてなりません。
返信する
ひろみさんへ (金木犀)
2018-12-06 17:42:23
古い記事を見つけていただきありがとうございます。
世界はこの記事を書いた頃よりも一層保護主義が進んで、ナショナリズムも目立ちます。
基本、私は経済に疎いのですが、今の米中の対立など見ていると、互いに自国の利益しか求めないという意味では、まさに国益衝突の真っ最中ですね。

>金木犀さんがこの記事を書かれてから、表面的には、つぶし合いの道が主流でどんどん進んでいるように見えますが、分かち合いの道も生まれてきていて、徐々に変化が起こってきています。

そうですよね。

>我が家の3人を見ていて、ずっと不思議だったのが、本当に競争心がない、他者との比較で卑下したりしないし、他者を蔑んだりしないことだったのですが、やっとその意味がはっきりと理解できました。

わあ。素敵な息子さんたちですね。
未来をつくる人たちがそのような方たちで、とても嬉しくありがたいです。
いい世界を作って欲しいです。

返信する
まさに・・・ (ひろみ)
2018-12-06 17:03:52
朝、起きて、ベッドの中でスマホで見ていて、目に入った「サーカーの予言」というカテゴリー名。
記事の数も少なかったので、気になって、最初から読み始めてみたら・・・。

おぉーですね!

そして、最後のこの記事。
この数年、ナショナリズムの台頭で、まさに、この状態になっていますよね。

「つぶし合わずに分かち合う」・・・これは、国家間だけでなく、企業間、政党間、個々の人間関係にも当てはまると思います。

金木犀さんがこの記事を書かれてから、表面的には、つぶし合いの道が主流でどんどん進んでいるように見えますが、分かち合いの道も生まれてきていて、徐々に変化が起こってきています。
特に若い世代を中心に、どうやら、特に、1980年代以降に生まれた人たちの一部は、21世紀型の資質を維持したまま成長している人の割合が多く、現実化を加速してくれているような気がします。
21世紀生まれの子供たちも、高校生となり、来年には18歳になり、成人します。
我が家の3人を見ていて、ずっと不思議だったのが、本当に競争心がない、他者との比較で卑下したりしないし、他者を蔑んだりしないことだったのですが、やっとその意味がはっきりと理解できました。

彼らが頼もしい大人となって、社会を変えていく原動力となっていくことでしょう!

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