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美談より安全対策を

2013年10月11日 | 社会のニュースを考える
女性がおじいさんを助けながらも亡くなった踏切事故。
とっさの事で、危険を顧みず人助けに走っていった彼女の行動は、もちろん尊いと思います。
しかし、あまりに美談を強調する報道の仕方や、安倍総理の名のもとに国から勲章を贈るとか、事故の本質がずれちゃっていないか、この違和感イナメナイ。

いきなり総理が勲章を贈るなんてニュースが流れた時は、よりによって憲法9条改悪熱烈希望の安倍政権なだけに、思わず連想してしまったのは、戦争中、大事な夫や息子の戦死の報を受けた遺族が、「お国のために戦って靖国の英霊となった。名誉なことだ」って上から言われて、涙を飲んだあの時代・・・
でも、そう思ったのは、私だけじゃなかった。10日の東京新聞「こちら特報部」に、我が意を得たりの記事がありました。


美談より安全対策を 横浜 踏切事故で表彰ラッシュ

横浜市内のJR踏切で高齢男性を助けた会社員村田奈津恵さん(40)が電車にはねられて死亡した事故。安倍晋三首相はさっそく感謝状を贈った。勇気ある行動に違いないが、尊い人命が失われた事故を「美談」に仕立てるかのような風潮は危うくないか。(出田阿生


 6日に営まれた村田さんの通夜。会場には菅義偉官房長官が訪れ、祭壇前で「身の危険が伴うにもかかわらず、救出しようとして尊い命を犠牲にされた」と安倍首相名の感謝状を読み上げた。安倍政権としても、紅綬褒章の授与と遺族への銀杯贈呈を閣議決定済みだ。
 神奈川県警や神奈川県は、感謝状を父恵弘(しげひろ)さん(67)と母春子さん(66)に手渡した。警察庁も、民間人への最高位の表彰である警察協力章を贈ると決定した。さながら表彰ラッシュの様相だ。

 事故当時、車の助手席に乗っていた奈津恵さんは、父の制止を振り切り、男性を救出するため遮断機をくぐった。

 全国の踏切事故の遺族でつくる「紡ぎの会」代表の加山圭子さん(58)は、「いくら周囲に立派だと言われても、お父様はじめご遺族は、悔やんでも悔やみきれないお気持ちではないか」とおもんぱかる。

 加山さんは、2005年の東武伊勢崎線竹ノ塚駅の事故で母を失った。現在、再発防止活動を続けている。今回の事故後、現場を訪れて花を手向けた。
「線路の見通しが悪く、電車の接近がすぐにわからない」と感じた。
 踏切内にはセンサーもあったが、誤作動防止のために自動車程度の大きさでないと反応せず、今回は動かなかった。「
表彰だけでなく国や自治体、鉄道事業者は、事故の検証と今後の安全対策に取り組んでほしい

 一方、ある鉄道関係者は「勇気ある行動を称賛するならば、それと同時に線路内に立ち入る危険性をもっと周知するべきだ」と訴える。鉄道会社の職員でも、線路内への立ち入りは厳重に禁止されている。たとえば線路内の落とし物は原則として器具を使って拾う。

 電車は、一般道路を走る車よりもはるかに速い。時速130キロを出すことも珍しくない。「警報機が鳴り始めてから電車の通過までは30~40秒。屈強な男性であっても、警報機がなってから救助を成功させるのは非常にむずかしい。そのことを学校教育でもきちんと教えるべきだ


 
遺族の悲しみ封じる恐れも

 精神科医の香山リカさんは「メディアを含めて称賛一色。こうなると『人助けをしていなければ、今頃は・・・』と言った複雑な感情や悲しみを遺族が表に出しにくくなる危険がある」と心配する。


自己犠牲を政府が誘導?

 安倍政権が次々と表彰を続けることには「大きな違和感がある」という。なぜ間髪入れず、首相名で感謝状を贈る必用があるのか。現段階では事故の検証は終わっておらず、再発防止策の見通しも立っていない。
 「うがった見方かもしれないが、安倍首相が『命をかけた自己犠牲は美しい』と、世論を誘導しているようにも感じてしまう。村田さんの行動が尊いからこそ、ご本人や遺族を利用するようなことは許されないと思う」


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上記にもあるように、村田さんの命をかけた犠牲に対して、私達が学び、答えることができるなら、二度とこのような不幸な事故が起こらないように安全対策をはかること、それが第一ではないでしょうか。


村田奈津恵さんのご冥福をお祈りします。



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