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脱ネトウヨのすすめ(東京新聞こちら特報部より)

2018年08月30日 | 社会のニュースを考える
真面目で学歴も知識もある人たちでも、たやすくオウムの信者になってしまったように、心の居場所のない人たちが居場所を求めて、うっかりカルトにハマる。
目の前の不快な現実を見なくてすむ非現実の世界、を信じ、洗脳され戦士として役割を持たされたオウム幹部らは、その時は、妄想の中で自分の正しさを信じて疑わなかったのだろう。

ネトウヨと呼ばれている人たちも、そんなところがあるのだなあと思った。8月29日の東京新聞、こちら特報部より。以下全文。





脱ネトウヨのススメ 元ネトウヨ男性の告白

 「右翼」を標榜(ひょうぼう)し、排外主義や差別的な言説をネット上で繰り返す「ネット右翼(ネトウヨ)」を締め出す動きが強まっている。ツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)は違反認定を拡大し、大手検索サイトでもニュースのコメント欄のヘイト言説は激減。一般のネットユーザーによる問題発言の通報も定着しつつある。ならばもう、ネトウヨは卒業したらいかがか。元ネトウヨの男性の証言から、「脱ネトウヨ」へのヒントを探る。 (中沢佳子、榊原崇仁)

脱ネトウヨ男性の告白

 「自分は日本を救う聖戦士。そう信じていた。今にして思うと、オウム真理教に引き込まれていた人と似ているかもしれない」

 「元ネトウヨ」という、北海道に住む食品販売関係のパート従業員の男性(25)が、自らを振り返る。

 ネトウヨになったのは、高校1年生の時。家にも学校にも居場所がなかったのが原因という。教育熱心な家庭に育ち、家族の学歴も高い。でも、自分は勉強が苦手で進学校に進めなかった。

「家では落ちこぼれと言われた。学校でも、家族は優秀なのにお前は…とばかにされた」


家・学校で孤立…サイトに居場所 自分は日本を救う聖戦士信じていた

 見下され、劣等感にさいなまれる日々、そんな時、ネットでネトウヨが作ったという太平洋戦争時の日本を正当化する動画を目にした。
「その考え方に興味を持ち、ネットの動画やサイト、右系論客の本を通じてどんどん引き込まれた」

 高校生だった男性の目には、日本はどこか貶められている気がしていた。日本や与党の批判をする「左系知識人」が悪人に思えた。
自分も一人の日本人として、この国のことを真剣に考えたいー。募る思いは「日本を救わなくては」という切迫感になった。

 右翼的な書き込みを続けるブログを立ち上げ、共感できるサイトにリンクを張った。ネトウヨが作る動画に称賛を、反日的とみなした動画には、批判や悪口を投稿。「マスコミの情報や学校て教えることは間違っている」と家族に訴え、友達にネトウヨの考えを植え付けようとした。田母神俊雄氏や桜井よしこ氏などの本を読みあさってはうなずき、麻生太郎氏ら愛国的発言をする政治家に感銘。ネトウヨや右系論客は「聖戦士」に見え、自分もその一人だと思うと、自己肯定感や自尊心がよみがえった。


安倍首相返り咲き、大喜び

 大学に進んでも、相変わらず家では孤立し、大学でも人間関係はうまくいかない。「それがネトウヨ信仰を助長させた。現実社会での付き合いはなくても、ネトウヨのブログやサイトを見ると、一人じゃないと思えた」。2012年末、衆院選で再び自民党が与党に。安倍晋三氏が首相に返り咲くと「大喜びした」。

 だが、ほどなく自民党や首相に違和感を持った。きっかけは、環太平洋連携協定(TPP)。
「自民党は衆院選などで反対を公約にしていたはず。ところが一転して交渉参加に翻った。TPPに参加したら日本の経済は落ちぶれると考えていたので、裏切られた気がした」。
消費税の増税、イスラエルとの関係強化、まやかしのアベノミクス、カジノ解禁…。
男性は「政策に失望し、徐々に疑うようになった。首相や自民党の実態を知り、傲慢さにあきれた」と語気を強める。

 時を同じくして、彼らを熱狂的に支持するネトウヨも疑うように。
ネトウヨが流す情報もデマがあるとわかり、ばかばかしくなった。自分に対しても、いい年して何やっているのかと思うようになり、ネトウヨをやめたくなった」ただ、完全に抜け出すには3年近くかかった。


歪んだ政治観 人生を無駄に

 自民党や首相が方針転換した時、なぜ同じ方向になびかなかったのか。
 男性は「勉強し成長するにつれ、自分の考えや政治観を持つようになったから」と説明する。
声高で強い主義主張は、心の隙間に入り込む。先鋭化し、意見の異なる人を排除しがちになる。

「でも政治は人生のすべてじゃない。相手の人間性を政治思想で判断して差別してはいけないし、自分の貴重な時間も未来も失う」と男性は言葉に力を込める。自身も今は違う意見にも耳を傾け、いいと思ったものを少しだけ受け入れて尊重し、一方に傾きすぎないように心がけている。

 自身の経験から、ネトウヨから抜け出すには、しっかりした自分の意見を持ち、極論を安易に受け入れずに考える姿勢が欠かせないと男性は語る。
「疑いを持つきっかけも必要。まずは政治そのものから離れるのが一番。ネトウヨのような国粋主義的な考え方は、かつての日本を戦争に導いた。歪んた政治観で無駄にしてしまう人生を思ってほしい」

  ◇

 そもそもネトウヨとはどういう人達を指すのか。

 経験者たちの声を集めるブログ「ネトウヨ大百科」の管理人によると、一般的には「ネット上で右翼的な発言をする人」と認識されてきたが、近年は嫌韓中思想が激しい人から、熱烈な安倍政権支持者、野党議員を罵倒するタイプまで多様化しているという。

 10~40代の男性が多いとみられるが、誰でも染まる可能性があると指摘する。
「初めは日本を美化する記事を見つけて気分が良くなる。徐々に半日発言を見つけて攻撃する。そしていつも脳内の敵を叩く材料を探すようになる」

 ネトウヨを増やす最大の要因は「承認要求」らしい。交流サイトで右翼的な発言をすると「いいね」が付きやすく、「自己肯定感が低い彼らは承認欲求が満たされる中で、『ヘイトスピーチがいけない』という感覚がまひしていく(同管理人)。


SNS、検索サイト、監視の目 強化

 しかし最近、ネトウヨは逆風にさらされている。

 まとめサイト「保守速報」は昨年11月、人種差別や女性差別に当たる記事があったとして、在日コリアンの女性に200万を支払うよう大阪地裁に賠償を命じられた。大阪高裁の二審判決もこれを支持し、サイト上の企業広告は次々に掲載中止になった。

 ツイッターは、昨年末に利用ルールを厳格化し、ユーザー名やプロフィル欄まで差別的表現の規制対象に。ユーザーがコメントを投稿できるヤフーのニュース欄は今年6月、「不適切な内容を複数投稿したアカウントは以後の投稿ができなくなることがある」と明示した。

 動画サイトのユーチューブも無縁ではない。今月7日付の産経新聞は「中国や韓国に批判的な保守系動画投稿者の利用停止が5月以降に相次ぐ」と事実関係を報じ、停止された当事者のコメントとして「これは言論テロ」などを紹介した。

 監視の目が厳しくなったとはいえ、ネトウヨなどによるヘイト言説は後を絶たない。どう対処すべきか。

 佐々木亮弁護士は、朝鮮学校への補助金の交付を求める声明に関わったとして、所属する弁護士会に約3000件の懲戒請求が出された。背景には、ネットでの請求呼びかけがあったとみられ、請求者に対し、損害賠償請求訴訟を準備する。佐々木弁護士は「損害には関わっておらず、見に覚えはなかった。匿名を盾に勢いづく中、きちんと楔を打つ必要があると思った。名誉毀損などの責任を負うことを明らかにする」と語る。


 一方、自社コラムで「学生時代にネット右翼だった」と明かした琉球新報の塚崎昇平記者(27)は脱ネトウヨのきっかけを「私は当時、米軍基地建設に反対して座り込む現場に行き、自分の意見をぶつける中で、沖縄戦の体験が受け継がれていると教えられ、考えが変わり始めました」と語る。
そのうえで、「現場と対話」の重要性を説き、こうアドバイスする。
言葉だけで判断して、相手に『ネトウヨ』とレッテルを貼ると、むしろ対話を遠ざけるかもしれません


オウムの信者たちは、教祖の言うことを信じて疑わず、正しいことだと信じて犯罪まで犯しました。
若気の至りだったと気づいて脱ネトウヨになれたのは良かったとは思いますが、かつての自分が発したヘイトやデマの拡散で、傷つけた人達のことも忘れないでほしいと、小さな声で付け足します。

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3 コメント

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気づきのチャンスは飛躍的に増えている (私は少数派)
2018-09-08 17:50:12
立て続けに投稿してすみません。
Yahoo!ニュースって、ネトウヨの溜まり場のイメージがありましたが
珍しく良心的記事です。コメント欄を設置していない点もいいです。
https://news.yahoo.co.jp/feature/1063

ほとんどの日本人はこういう日本の闇に気づいていませんね。
こういうことをもっと世間に知らせて酷い現状を変えていかなければいけないと強く思います。
こういう記事がネット上に揚がることはやはり波動の変化ゆえかもしれません。
先日は子供の一時預かり所た時土堂養護施設で酷い扱いをしている、子供を虐待している、などのツイも見かけました。預けられた経験者やそこで「指導の実習」のために行った先で見たことにショックを受けた人の意見をいくつも見ました。
いろいろなことが隠せなくなっています。それでもそれを目にする機会を持たない人は多く、目にしても問題の存在に気づかない人も多いと感じます。
「知りたくない人は知らないで居られる。気づきたくない人は気づかないで居られる。」というこれもまた、自己選択なのかもしれません。
返信する
私は少数派さんへ (金木犀)
2018-09-11 21:32:41
>ほとんどの日本人はこういう日本の闇に気づいていませんね。

そうですね。私も、ちゃんとはわかっていなかったです。
ヤフーは、コメント欄ないほうが、精神衛生上いいみたいです(汗)

スポーツ界もそうですが、「人権と個人の尊厳」ということが、このように、あらゆるところで、クローズアップされているみたいですね。
安倍政権や日本会議は、「人権なんかあるからだめなんだ」という、驚くべき人たちの集まりなので、世界意識の潮流から反面教師として浮き上がってくるんじゃないでしょうか。
気づいた人達が増えてくれば、安倍さんやその周囲は、いたたまれなくなると思います。
返信する
何が起きているんだろう?と思わずにいられないような波動の変化を感じる日々 (私は少数派)
2018-09-12 17:17:06
今は本当にいろいろなことが明る見に出てきています。次か次へと社会の暗部、長い間見過ごされてきた悪しき慣習や酷い現状がもう隠せなくなって浮き彫りになっています。
この流れが驚くほど早いので日々驚きを感じています。怒涛のように闇を照らす光が押し寄せているのが判りますね。ここまで気づきのヒントが次々に与えられる毎日で、全く気づかない人が多数いるのが驚きです。
そして安倍政権はひたすら「国民のためにしっかり仕事をやってる感」を演出するのに忙しい。
その演出にコロッと騙される人のなんと多いことか!
民度の低さをずっと嘆いてきましたが、誰もが自己選択を迫られているのだと思えば
「今起きていること、見せられていること」の意味に心震えますね。私は無宗教ですが(でも魂の不滅や創造主の実在は信じる)
「神の恩寵」とでもいうべきものを感じます。

この表現は誤解を招くかしら?

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