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沖縄全戦没者追悼式「平和の詩」2020

2020年08月12日 | 心に残る言葉

沖縄全戦没者追悼式で「平和の詩」を朗読する首里高校3年・高良朱香音さん



あなたがあの時
        沖縄県立首里高等学校3年 髙良朱香音

「懐中電灯を消してください」
一つ、また一つ光が消えていく
真っ暗になったその場所は
まだ昼間だというのに
あまりにも暗い
少し湿った空気を感じながら
私はあの時を想像する

あなたがまだ一人で歩けなかったあの時
あなたの兄は人を殺すことを習った
あなたの姉は学校へ行けなくなった

あなたが走れるようになったあの時
あなたが駆け回るはずだった野原は
真っ赤っか 友だちなんて誰もいない

あなたが青春を奪われたあの時
あなたはもうボロボロ
家族もいない 食べ物もない
ただ真っ暗なこの壕の中で
あなたの見た光は、幻となって消えた。

「はい、ではつけていいですよ」
一つ、また一つ光が増えていく
照らされたその場所は
もう真っ暗ではないというのに
あまりにも暗い
体中にじんわりとかく汗を感じながら
私はあの時を想像する

あなたが声を上げて泣かなかったあの時
あなたの母はあなたを殺さずに済んだ
あなたは生き延びた

あなたが少女に白旗を持たせたあの時
彼女は真っ直ぐに旗を掲げた
少女は助かった

ありがとう

あなたがあの時
あの人を助けてくれたおかげで
私は今 ここにいる

あなたがあの時
前を見続けてくれたおかげで
この島は今 ここにある

あなたがあの時
勇気を振り絞って語ってくれたおかげで
私たちは 知った
永遠に解かれることのない戦争の呪いを
決して失われてはいけない平和の尊さを

ありがとう

「頭、気をつけてね」
外の光が私を包む
真っ暗闇のあの中で
あなたが見つめた希望の光
私は消さない 消させない
梅雨晴れの午後の光を感じながら
私は平和な世界を創造する

あなたがあの時
私を見つめたまっすぐな視線
未来に向けた穏やかな横顔を
私は忘れない
平和を求める仲間として




 

6月の新聞を整理していてみつけたこの詩を、ブログにもクリップしておきたくて。6月23日は沖縄慰霊の日。

新聞記事には、

当時よく理解していなかった体験者の視点を「あなた」に投影した。小学校で聞いた講話などから、悲惨な体験に思いを寄せた。亡くなった首里高校生たちの写真を見学し、自分たちの身を当時に置き換え、教室にいる友達や自分が死ぬことも想像した。


・・と書かれていました。
平和とは、イマジン。自分のことだけでなく他者の事、全体の事、まだ知らない誰かの涙、消えてしまいそうなたくさんの命、を想像する。
平和をつなげていくために、想像力が必要なのかもしれませんね。


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