タカタカタカタカタン♪
ドラムのスティック を、持ち出して机を叩き始めた
昭和42年 (1967年 )
未だ夏服・中学1年2学期の教室での事である。
「 なんや なんや 」
男子生徒が寄ってくる。
私もその一人であった。
「 昨日な、ブルーコメッツのリサイタル、行って来たんや 」
「 へー 」
「 よかったでえ 」
クラスメイトの諏訪 を囲んで、男子生徒の輪ができた。
スティックさばき も上手いが、口も達者であった。
昨日の、ブルーコメッツショーの模様を上手に物語るのである。
その名調子に、吾々は魅了されていく。
そして、
メイン曲・ブルーシャトーのナレーションの模様を語り終えるや。
♪ タカタカタカタカタン♪
「 ゥおー 」
皆の歓声があがった。
私は、帰宅すると箸を取り出し卓袱台を叩いた (チャブダイ)
「喧しい 」
母に煩いと謂われてもかまわず。
タカタカタカタカタン♪・・
ミーハー な私、
この時より、ブルーコメッツのファンになったのである。
昭和42年 (1967年 ) 10月31日 、
嵯峨野へ一日遠足
そして、この日は
元首相・吉田茂の国葬が行なわれた。
ちょうどの時刻
吾々は帰りのバスの中で1分間の黙とうを行ったのである。
黙とうの余韻冷めぬ中、
クラスメイト諏訪、待ってましたとばかり
♪ ♪
雲が流れる 北国の街へ
あなたが生まれた 心の国へ
胸にかざった 真珠のように
やさしく輝く あなたの瞳
見つめあうふたり
いだきあうふたりは
離れられずに
強く 強く 強く 強く
かわす ウ・・・ (クチヅケ)
雲が流れる 湖のほとり
あなたは花に 埋もれて眠る
北国のはて ♪
得意のブルーコメッツ
サビの部分 ( ウ・・・) を
敢えて唄わず これが大うけ
もう、彼の独壇場
北国の二人 を熱唱したのである。
グループサウンズ全盛のこの頃
「 グループサウンズは喧しいだけや 」
・・・と、親父にチャンネルを回されることもあったが、
それにもめげず
歌のベストテン番組は、欠かさず視ていた。
小川知子 吾々のアイドル歌手であった ↓
その頃の印象曲と謂えば是
黛ジュン が歌う
「 霧のかなたに 」
♪・・・忘れな草空しく
胸ふかく抱いて
窓の明かり灯して
あの人を待つの ♪
思春期の私の心に、
淡い想いを抱かせたのである。