KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

鯵・母の味

2018年06月10日 | 料理
天気 雨

昨夜から大雨が降ったりして、いよいよ台風に梅雨前線が刺激されての荒梅雨となった。明日も続くらしい。

写真の大きな鯵は、一昨日の夕方、近所のご主人が三浦半島で釣ってきたものを頂いた。大きさが解ると思い新聞紙の上へ。こちらのスーパーでは見たこともない大きさ。
夕飯の準備のさなかにいただいたので、焼こうと思っていた切り身をやめ、三尾を慌てて刺身にした。久しぶりに「鯵包丁」を使った。鯵包丁、と私は呼んでいる小型の出刃。一応海育ちなので、下手ではあるけれど小型の魚は捌ける。
刺身は、突然でツマの用意もないし、空腹を早く満たしたくて写真になるようなモノにはならなかった。

そして、昨日は、久々に鯵の「母の味」を作った。
中学2年まで住んでいた家は隣が漁師だったので、魚は色々と安く手に入った。売れない小さな鯵は洗面器いっぱいに買った?のか貰った?・・素揚げにして南蛮漬けにしたり、頭と中骨だけを取って写真のような「さんが焼き」にした。三尾で皿2枚分出来た。


実は、さんが焼き、などという呼び名だったと知ったのは40代くらいになってからのこと。房総の名物とか何かに載っていて、作り方を見たら、なんだ母がいつも作っていたアレじゃない。

作り方は簡単。鯵は三枚におろして、小骨は気にせずにミキサーにかける。味噌と砂糖と片栗粉をそれぞれ大匙3杯入れ、おろし生姜を入れ、ハンバーグのようによく混ぜる。あとは平皿にぎっしり入れ、オーブン(魚焼きでも)で焼くだけ。お皿のまま食卓に出せるのもお手軽。
昔はミキサーがないから、大きなすり鉢を使った。大葉をぎっしり上に並べて魚を焼くように炭火の七輪の網に皿をさかさまにして乗せる。カマドで煮炊きする暮らしだったから、この方法しかなかったのだ。大葉で具が落ちるのを防いだらしい。オーブンなら無論、お皿のまま焼ける。
母の苦労が改めて思われた。

新鮮な鯵ならでは・・刺身も「さんが焼き」も美味しくいただいた。
そういえば、母は、東京暮らしを始めたころ「東京の魚は死んでいる」と言った。当たり前でしょ。でも、房総の次には四国の海辺の町に少し住んで、それから東京へ来たのだから、眼のどろんとした魚は気に入らなかったらしい。

朝凪や漁より戻る舟の水脈  KUMI
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする