KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

武蔵野探勝句会・全生園

2013年11月20日 | 俳句
天気 晴

虚子一行の武蔵野探勝の地を巡る吟行、今日は全生園という、我が家からは駅二つからちょっとバスに乗れば良い場所。いつもながら、この吟行句会はお天気に恵まれ、今日も小春日和となった。

昭和10年に虚子一行が吟行した記録の最初にこんな記述から始まる。
「世の中の一番お気の毒な病気にかかられて、私たちと全く別の世界に、信仰と趣味に・・中略・・不幸の中に道を見出して暮らしてゐる人達が全国に何ヶ所もあると聞きます」
この吟行句会の記録を書いたのは、中村汀女・高木晴子・星野立子、という女流俳人だ。文章を読んでも、当時としては信じられないくらいに患者への配慮と思いやりがある。やはり女性、ということだからだろうか。
全国に、15ヶ所もの隔離施設があって、有無を言わせず患者は生涯を施設内から出ることを許されなかった。無論、ハンセン氏病は今、伝染病でもなく不治の病でもない。全生園も、今は病院以外はどこでも自由に歩ける緑に囲まれた地域となっている。
古い居住区には、まだ隔離された頃の患者さんが住んでいる。ひっそりとした元施設は、今は「負の遺産」として保存されている。立派な「ハンセン氏病資料館」も建った。

患者たちが植えた桜が古木とり、みごとな桜紅葉となっていた。おおかたは散り、みごとな落葉のじゅうたん。


始終車では通ったところなのに、入ったのは初めてだった。
桜のころにまた行ってみたい。

人の世の苦楽へ木の葉降るばかり  KUMI
コメント
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