簡単で分かりやすい派遣の書類作成と運用方法

派遣事業における個別契約書などの関係書類の作成方法や期間制限の延長手続きなどの運営方法について分かりやすくお伝えします

就業条件明示書の書き方のポイント(派遣料金額の明示)

2018年12月09日 | 就業条件明示書
今回も、「就業条件明示書の書き方のポイント」について説明していきたいと思い

ます。



派遣法第34条では、就業条件明示書に記載しなければいけない項目が規定さ

れています。



本来、就業条件明示書の記載事項ではないのですが、実務上、就業条件明示

書に記載されることが多い「労働者派遣に関する料金の額」の記載方法をご説

明いたします。



「労働者派遣に関する料金の額の明示」については、派遣法第34条の2に規

定されており、条文では、

 「派遣元事業主は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める労働者

  に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に係る労働者派遣

  に関する料金の額として厚生労働省令で定める額を明示しなければならない。

  ① 労働者を派遣労働者として雇入れようとする場合、当該労働者

  ② 労働者派遣をしようとする場合及び労働者派遣に関する料金の額を変

     更する場合、当該労働者派遣に係る派遣労働者」


と規定されています。



つまり、派遣会社は①派遣労働者を雇い入れた場合②派遣元と派遣先との

個別契約を更新した場合
③派遣元と派遣先との派遣料金額を変更する場合

には、派遣労働者に対し派遣料金額を書面で通知しなさいと規定されています。



この派遣料金額の明示は書面で派遣労働者に対して通知していただければい

いので、就業条件明示書に記載しなければいけない事項ではないのですが、

派遣契約更新の都度、就業条件明示書とは別の紙で派遣労働者に渡すとなる

と、忘れてしまう可能性があるので、就業条件明示書に記載している事業所様

が殆どです。



明示する派遣料金額は、

 ① 個々の派遣料金額

 ② 直近の事業報告書に記載した「派遣料金額の平均額」

のいずれかを記載していただければ結構です。




①の「個々の派遣料金額」を記載するのは抵抗があるという派遣元事業所様は、

直近の事業報告書に記載した「派遣料金額の平均額」を記載されることが多い

です。




ちなみに、この派遣料金額の明示は有期雇用派遣労働者だけではなく、無期

雇用派遣労働者に対しても明示していただかないといけないので、ご注意くだ

さい。




派遣料金額を明示する際は、時間額、日額、月額のいずれでも結構ですが、

単位が分かるように記載してください。



就業条件明示書の記載は、

 【派遣料金額】  日額 ○○○○○円

と記載していただければ結構です。









就業条件明示書の記載例はこちら!

https://haken-higashitani.com/2018/11/25/syuugyoujoukenmeijisyo/













http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf




就業条件明示書の書き方のポイント(派遣受入期間の制限を受けない業務への派遣)

2018年12月08日 | 就業条件明示書
今回も、「就業条件明示書の書き方のポイント」について説明していきたいと思い

ます。



派遣法第34条では、就業条件明示書に記載しなければいけない項目が規定さ

れています。



その中の1つ、「派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派

遣に関する事項」
の記載方法を説明いたします。



注意点としましては、個別契約書に記載した内容と同じ内容を記載していただか

なければいけないので、個別契約書に記載していないことを就業条件明示書に

記載されると派遣法に抵触することとなります。お気を付け下さい。



個別契約書のところでもお話しましたが、派遣受入期間の制限を受けない場合

とは、以前にも「期間制限の例外」のところで説明しましたが、

 ① 派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者を派遣する場合

 ② 60歳以上の派遣労働者を派遣する場合

 ③ 終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合

 ④ 日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日

   以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合

 ⑤ 産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣

   労働者を派遣する場合


の5項目となります。



そのうち、「派遣受入期間の制限を受けない業務」とは、

 ③ 終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合

 ④ 日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合

 ⑤ 産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣労働者を派遣する場合


となります。



つまり、当該派遣契約が上記③~⑤にいずれかに該当する場合には、就業条件

明示書にその旨記載しなければいけません。



具体的に何を記載するかというと、

 ③ 終期が明確な有期プロジェクト業務に派遣労働者を派遣する場合

    (派遣法施行規則第22条の2第2号)

    → 有期プロジェクトに該当する旨

 ④ 日数限定業務(1ヶ月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合

    (派遣法施行規則第22条の2第3号)

    → 1 日数限定業務に該当する旨

       2 その日数限定業務が1ヶ月間に行われる日数

       3 その派遣先の通常の労働者(基本的には、正社員)の1ヶ月間の

         所定労働日数

 ⑤ 産前産後休業、育児休業、介護休業等を取得する労働者の業務に派遣労働者を派遣する場合
   (派遣法施行規則第22条の2第4号、5号)

    → 1 育児休業または介護休業をする労働者の氏名

       2 当該労働者の業務


を記載しなければいけません。



就業条件明示書には、それぞれ

 【派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項】

   ○○○○事業の廃止のための有期プロジェクト業務に該当し、期間は

   平成○○年○○月○○日までに終了する。



 【派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項】

   1 書店における棚卸業務のため日数限定業務に該当する

   2 当該業務の1ヶ月間に行われる日数  2日

   3 当該派遣先における通常の労働者の1ヶ月間の所定労働日数 

      21.7日



 【派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項】

   1 育児休業をする労働者の氏名  ○○○○

   2 当該労働者の業務  ○○○○病院における看護業務

   3 当該労働者の休業の開始および終了予定の日

      平成○○年○○月○○日 ~ 平成○○年○○月○○日


と記載してください。









就業条件明示書の記載例はこちら!

https://haken-higashitani.com/2018/11/25/syuugyoujoukenmeijisyo/













http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf





就業条件明示書の書き方のポイント(紛争防止措置)

2018年12月07日 | 就業条件明示書
今回も、「就業条件明示書の書き方のポイント」について説明していきたいと思い

ます。



派遣法第34条では、就業条件明示書に記載しなければいけない項目が規定さ

れています。



その中の1つ、「派遣先が、労働者派遣の終了後に、当該労働者派遣に係る派

遣労働者を雇用する場合に、その雇用意志を事前に派遣元事業主に対し示す

こと、派遣元事業主が職業紹介を行うことが可能な場合は職業紹介により紹介

手数料を支払うことその他の労働者派遣の終了後に労働者派遣契約の当事者

間の紛争を防止するために講ずる措置」
の記載方法を説明いたします。



注意点としましては、個別契約書に記載した内容と同じ内容を記載していただかな

ければいけないので、個別契約書の記載と異なる内容を就業条件明示書に記載

されると派遣法に抵触することとなります。お気を付けください。



個別契約書のところでもお話ししましたが、いわゆる「派遣労働者を派遣先が直接

雇用する場合の紛争防止措置」
の記載ですが、記載内容は、

 ・ 派遣先が派遣労働者を派遣期間終了後、直接雇用する場合には派遣元に事

   前にその旨通知する

 ・ 派遣元が有料職業紹介の許可を持っていて、派遣先から派遣労働者を直接

   雇用したい旨の通知を受けた後、その派遣労働者をその派遣先にあっせん

   した場合は紹介料を徴収する


の2点を記載していただくことになります。



就業条件明示書の記載は、

 【派遣先が派遣労働者を直接雇用する場合の紛争防止措置】

   労働者派遣の役務の終了後、当該派遣労働者を派遣先が雇用する場合には

   その雇用意志を事前に派遣元事業主に対して示すこと。

   また、派遣元事業主が有料職業紹介の許可を取得している場合で、派遣元事

   業主からの職業紹介を経由して派遣先に直接雇用された場合は、派遣先は派

   遣元に紹介手数料を支払うものとする。紹介手数料の額については別途派遣

   元と派遣先で協議して決定するものとする。


となります。



ただし、有料職業紹介の許可を取得していない派遣元事業主はあっせん行為ができ

ませんので、「紹介料を徴収する」旨は記載できません。



また、紹介料を徴収しないが、他の名目で手数料等を派遣元が派遣先から徴収する

ことも職業安定法等に抵触する可能性がありますので、お気を付け下さい。



有料職業紹介の許可を持っていない場合の就業条件明示書の記載は、

 【派遣先が派遣労働者を直接雇用する場合の紛争防止措置】

   労働者派遣の役務の終了後、当該派遣労働者を派遣先が雇用する場合には

   その雇用意志を事前に派遣元事業主に対して示すこと。

となります。



この紛争防止措置の記載については、雇用主である派遣元事業主から「こんなこと

を書くと、派遣労働者が派遣先に直接雇用されることを促すことになるので記載した

くない」と言われることもあるのですが、紛争防止措置の就業条件明示書への記載

は必須事項となっていますので、記載されないと派遣法第34条に抵触することとな

ります。 











就業条件明示書の記載例はこちら!

https://haken-higashitani.com/2018/11/25/syuugyoujoukenmeijisyo/













http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf



就業条件明示書の書き方のポイント(便宜供与)

2018年12月05日 | 就業条件明示書
今回も、「就業条件明示書の書き方のポイント」について説明していきたいと思い

ます。



派遣法第34条では、就業条件明示書に記載しなければいけない項目が規定さ

れています。



その中の1つ、「派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与に関する事項」

の記載方法を説明いたします。



注意点としましては、個別契約書に記載した内容と同じ内容を記載していただか

なければいけないので、個別契約書の記載と異なる内容を就業条件明示書に記

載されると派遣法に抵触することとなります。お気を付けください。



個別契約書のところでもお話ししましたが、「派遣労働者の福祉の増進のための便

宜の供与に関する事項」
とは、簡単に言うと、派遣先の施設で派遣労働者が使って

良い施設や制服の貸与等、派遣先が派遣労働者に対する福利厚生の内容で、派

遣元と派遣先が取り決めた内容を記載していただくことになります。



具体的には、派遣先の制服を派遣労働者に無償で貸与したり、派遣先の食堂や

休憩室、更衣室等について派遣労働者にも使用を認めるなどの取り決めを派遣元

と派遣先で取り決めたのであればその内容を就業条件明示書に記載してください。



就業条件明示書への具体的な記載例は次の通りです。

 【派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与】

   派遣先は、派遣労働者に対し、派遣先が雇用する労働者が利用する給食施

   設、休憩室、及び更衣室については、本契約に基づく労働者派遣に係る派

   遣労働者に対しても、利用の機会を与えるように配慮しなければならないこと

   とする。












就業条件明示書の記載例はこちら!

https://haken-higashitani.com/2018/11/25/syuugyoujoukenmeijisyo/













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(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf




就業条件明示書の書き方のポイント(休日労働・時間外労働)

2018年12月03日 | 就業条件明示書
今回も、「就業条件明示書の書き方のポイント」について説明していきたいと思い

ます。



派遣法第34条では、就業条件明示書に記載しなければいけない項目が規定

されています。



その中の1つ、「派遣先が派遣就業日以外の派遣就業をさせることができ、又、

派遣就業の開始時刻から終了時刻までの時間を延長できる旨の定めをした場

合には、当該派遣就業ができる日又は延長できる時間数」
の記載方法を説明い

たします。



注意点としましては、個別契約書に記載した内容と同じ内容を記載していただかな

ければいけないので、個別契約書に記載していない内容を就業条件明示書に記載

されると派遣法に抵触することとなります。お気を付けください。



個別契約書のところでもお話ししましたが、上記はいわゆる「休日労働、時間外労

働」
の記載を意味します。休日労働については、休日労働をさせることがあるのか

ないのか、また、休日労働をさせることがあるのであれば、1ヶ月に何日休日労働

させることが出来るのかを記載してください。



具体的な記載例は以下の通りです。

 【休日労働】

   あり(1ヶ月に○日以内の範囲で休日労働を命ずることができるものとする)




時間外労働については、労働者派遣事業関係業務取扱要領には、1日、1ヶ月、

1年の期間における時間外労働をさせることができる時間数を記載するように

なっています(こちらも、まずは時間外労働をさせることがあるのかないのかを

記載し、あるのであれば上記の期間の時間外労働時間数を記載してください)



特に1日あたりの時間外労働時間数の記載は必須となっておりますので、記載漏

れのないようご注意ください。



具体的な記載例は以下の通りです。

 【時間外労働】

   あり(1日4時間、1ヶ月45時間、1年360時間の範囲で命ずることができる

   ものとする)




休日労働・時間外労働の記載については、派遣元の36協定の範囲までしか休日

労働・時間外労働をさせることができませんので、それを超えた日数・時間数とな

らないようにお気を付け下さい。



また、例えば短時間労働者を派遣する場合などは、当然、正社員に比べて時間外

労働時間数が多くなっても36協定の範囲内の日数・時間数であれば問題ありま

せん。













就業条件明示書の記載例はこちら!

https://haken-higashitani.com/2018/11/25/syuugyoujoukenmeijisyo/













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(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf