簡単で分かりやすい派遣の書類作成と運用方法

派遣事業における個別契約書などの関係書類の作成方法や期間制限の延長手続きなどの運営方法について分かりやすくお伝えします

コロナ関係(派遣契約中途解除時の派遣先の義務 派遣先向け)(令和2年5月12日公表)

2020年05月15日 | 新型コロナウイルス関係


以前もご紹介しましたが、令和2年5月12日に厚生労働省から、

「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(労働者派遣について)」
 (令和2年5月 12 日公表) 


が再度、公表されました。


新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者派遣について)

(令和2年5月12日公表)






https://www.mhlw.go.jp/content/000629738.pdf







上記Q&Aの中からピックアップして解説したいと思います。









新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者派遣について)

(令和2年5月12日公表)

<派遣契約中途解除時の派遣先の義務>

問1 

(対象:派遣先)


新型コロナウイルス感染症の影響により事業が立ちゆかないので、労働者派遣契

約を解除したいのですが、労働者派遣法上問題がありますか。





答 

 労働者派遣法第 29条の2により、派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約

を解除する場合には、新たな就業機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負

担等の措置(※)を講じなければなりません。



 新型コロナウイルス感染症の影響により事業を縮小したこと等に伴う派遣契約の

解除であっても、派遣先からの申出により契約の解除を行う場合には、原則として

、この措置を講ずる義務があります。

(※) この措置の内容は、労働者派遣契約に定めることとなっていますが、契約に

   定めがない場合であっても、労働者派遣法に基づく措置は行う必要がありま

   す。



 また、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派

遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)に基づき、関連

会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図

ることが必要です。



 今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合に

おいても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。









筆者解説

 派遣法上、派遣先(派遣労働者を受け入れる会社)の都合により派遣契約を解

除した場合、派遣先は派遣労働者に対して、自分のところのグループ企業で派遣

就業できるように便宜を図ったり、グループ企業がない場合やグループ企業があ

っても派遣就業のニーズが無い場合で派遣元(派遣会社)がその派遣労働者に対

して休業手当や解雇予告手当を支払った場合は派遣先はその分の費用を派遣元に

支払わなければいけません。



 今回の新型コロナウイルス感染症の影響により事業を縮小したこと等に伴う派

遣契約の解除であっても、派遣先からの申出により契約の解除を行う場合には、

原則として、この措置を講ずる義務があります。



 しかし、今回の新型コロナウイルスによる影響は世界的なものであり、会社ご

との事情によって異なるとは思いますが、私見では「派遣先からの解除も致し方

ないのではないか」と思います。



 解除によって、派遣元が派遣労働者に対して支払った休業手当や解雇予告手当

相当分を派遣先が損害賠償しなければいけないかというと、実際には裁判で争っ

てただくことになりますが、派遣先から損害賠償してもらうことは難しいのでは

ないでしょうか。



 今回の新型コロナウイルスは天災事変相当であること、派遣先が派遣労働者の

雇用の安定を図ろうと思っても、派遣先の事業自体が立ち行かなくなっているこ

とを踏まえると、派遣先からの損害賠償は難しいのではないかと思います。



 とはいうものの、致し方ない契約解除だからといって派遣労働者を路頭に迷わ

せてもいいというわけではないので、できたら派遣先は派遣労働者の就業の確保

に努めるようにしてください。何とか派遣契約を解除せずにしてあげてください

と上記のQ&Aでは言っています。



 要するに、「今回のコロナの影響で派遣契約を解除することは派遣先都合とは

言えず契約解除もやむを得ないが、それによって派遣契約を解除してしまうと派

遣労働者が路頭に迷ってしまうので、何とか派遣労働者の就業の機会を維持して

あげてください」ということです(あくまでも筆者の私見でございます)。







https://haken-higashitani.com/









(資料)(以下のリンクはR2.4.15に更新しています)

 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf

コロナ関係(発熱などがある方の自主休業 派遣元向け)

2020年04月15日 | 新型コロナウイルス関係


今回の新型コロナウイルスに関するQ&Aが厚生労働省から発表されています。







新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q9-1







上記のQ&Aは毎日のように更新されていますので、最新の情報をご確認ください。





上記Q&Aの中から派遣事業に関係のあるものについてご紹介したいと思います。







新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

<発熱などがある方の自主休業>

問4

(対象:派遣元)


労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは

必要ですか。





答 

会社を休んでいただくよう呼びかけをさせていただいているところですが、新型

コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が

自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制

度を活用することなどが考えられます。

一方、例えば発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいた

だく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般

的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払

う必要があります。





筆者解説

 今回の場合、派遣労働者が自主的に休んでいるので、派遣元から派遣労働者へ

の休業手当の支払いは不要であると考えられます。

 ただし、これが派遣元から派遣労働者に対して「熱が出てるのであれば出勤しな

いでください」と言ったのであれば、休業手当の支払い義務が生じる可能性があり

ます。

 そのような場合は、雇用調整助成金の対象となるかもしれませんので、各都道府

県にある労働局の助成金窓口に問い合わせてみてください!









雇用調整助成金については以下のサイトをご確認ください!



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html













https://haken-higashitani.com/













(資料)(以下のリンクはR2.4.15に更新しています)

 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf

コロナ関係(感染が疑われる方を休業させる場合の休業手当の支払いの有無 派遣元向け)

2020年04月15日 | 新型コロナウイルス関係


今回の新型コロナウイルスに関するQ&Aが厚生労働省から発表されています。







新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q9-1







上記のQ&Aは毎日のように更新されていますので、最新の情報をご確認ください。





上記Q&Aの中から派遣事業に関係のあるものについてご紹介したいと思います。







新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

<感染が疑われる方を休業させる場合>

問3

(対象:派遣元)


新型コロナウイルスへの感染が疑われる方について、休業手当の支払いは必要で

すか。







答 

感染が疑われる方への対応は「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向

け)問28「熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか?」をご覧ください。
これに基づき、「帰国者・接触者相談センター」でのご相談の結果を踏まえても

、職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合に

は、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当

を支払う必要があります。









筆者解説

 休業手当の支払いについては不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の

支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、

 ①その原因が事業の外部より発生した事故であること

 ②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができ

  ない事故であること

という要素をいずれも満たす必要があります。

 今回の場合、「新型コロナウイルスへの感染が疑われる」段階であり、まだ「不

可抗力による休業」とまでは言えない可能性があります。

 となると、そのような状態の派遣労働者を休業させた場合は派遣元に休業手当の

支払い義務が生じる可能性があります。

 とは言え、他の労働者への感染の危険もあるので派遣元としては休業させざるを

得ません。この場合、派遣元としては何の補償もしてもらえないのか!というと、

雇用調整助成金の対象となるかもしれませんので、そのような方がおられたら一度

、各都道府県にある労働局の助成金窓口に問い合わせてみてください!











雇用調整助成金については以下のサイトをご確認ください!



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html













https://haken-higashitani.com/













(資料)(以下のリンクはR2.4.15に更新しています)

 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf

コロナ関係(コロナに感染した労働者を休ませる場合の休業手当の支払いの有無 派遣元向け)

2020年04月15日 | 新型コロナウイルス関係

今回の新型コロナウイルスに関するQ&Aが厚生労働省から発表されています。







新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q9-1









上記のQ&Aは毎日のように更新されていますので、最新の情報をご確認ください。





上記Q&Aの中から派遣事業に関係のあるものについてご紹介したいと思います。









新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

<感染した方を休業させる場合>

問2

(対象:派遣元)


労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合、休業手当はどのよ

うにすべきですか。







答 

新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者

が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当

しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。

なお、被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から

傷病手当金が支給されます。  具体的には、療養のために労務に服することができ

なくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬

日額の3分の2について、傷病手当金により補償されます。

具体的な申請手続き等の詳細については、加入する保険者に確認ください。









筆者解説

 派遣労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、休業手当(会社が労働者を会

社都合で休ませた場合に労働者に対して支払う一定の賃金のことをいいます)を派

遣元が労働者に対して支払わなければいけないのかということが問題となります。

 休業手当の支払いについては不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の

支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、

 ①その原因が事業の外部より発生した事故であること

 ②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができ

  ない事故であること

という要素をいずれも満たす必要があります。


 派遣労働者の新型コロナウイルスの感染は上記①及び②の両方とも満たしている

ことになるので、派遣元から派遣労働者に対する休業手当の支払いは不要というこ

とになります。


 しかし、派遣労働者も無給では生活に困ることになります。

 そこで、今回の新型コロナウイルスの感染については、社会保険に加入している

派遣労働者であれば、健康保険の傷病手当金の支給の対象となるので、新型コロナ

ウイルスに感染したため会社を休んでから4日目以降は傷病手当金が支給されるこ

ととなります。

 社会保険に加入されている派遣労働者については是非、傷病手当金が受給できる

よう雇用主である派遣元も手続きをしてあげてください。

 勤務時間が短くて社会保険に加入していない派遣労働者が新型コロナウイルスに

感染して休業させた場合は傷病手当金は支給されません。

 では、勤務時間が短く社会保険に加入していない派遣労働者は何の補償もないの

かというと、雇用調整助成金の対象となるかもしれませんので、そのような方がお

られたら一度、各都道府県にある労働局の助成金窓口に問い合わせてみてください!









雇用調整助成金については以下のサイトをご確認ください!



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html















https://haken-higashitani.com/













(資料)(以下のリンクはR2.4.15に更新しています)

 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf

コロナ関係(派遣契約の中途解除による派遣労働者の賃金の支払い 派遣元向け)

2020年04月15日 | 新型コロナウイルス関係


今回の新型コロナウイルスに関するQ&Aが厚生労働省から発表されています。







新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q9-1









上記のQ&Aは毎日のように更新されていますので、最新の情報をご確認ください。





上記Q&Aの中から派遣事業に関係のあるものについてご紹介したいと思います。









新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

9 労働者派遣

<労働者派遣契約の中途解除等について>

問3

(対象:派遣元)


改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下における都道府県知事

からの要請・指示等を受けて事業を休止した派遣先から、労働者派遣契約の中途解

除を申し込まれているが、派遣元としてどのような対応を行うべきでしょうか。





答 

「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)及び(4)により

、派遣元事業主は、ある派遣先との間で労働者派遣契約が中途解除された場合であ

っても、労働者派遣の終了のみを理由として派遣労働者を解雇してはなりません。

派遣先とも協力しながら派遣労働者の新たな就業機会の確保を図り、それができな

い場合はまずは休業等を行い雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働

基準法等に基づく責任を果たすことが必要です。

また、労働者派遣法第30条に基づき、派遣先の同一の組織単位での派遣就業見込み

が一定期間以上である派遣労働者については、派遣先への直接雇用の依頼、新たな

派遣先の提供などの雇用安定措置の義務(※)が生じます。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済上の理由により事業活動の縮小

を余儀無くされた派遣元事業主が、派遣労働者の雇用の維持のために休業等を実施

し、休業手当を支払う場合、雇用調整助成金が利用できる場合がありますので、こ

れを活用すること等により、派遣労働者の雇用の維持を図っていただくようお願い

します。

※ 派遣就業見込みが3年以上の場合は義務、1年以上3年未満の場合は努力義務

  となります。







筆者解説

 今回の新型コロナウイルスによる都道府県知事からの自粛要請によって派遣先が

休業した場合、派遣元は派遣労働者に対してどのような対応を図らなければいけな

いか?という質問です。

 まず、派遣先が都道府県知事からの自粛要請を受けた場合、派遣先は事業を休業

する可能性が高くなります。

 そうした場合、派遣料金額の支払いはどうなるかというと、派遣法上、特に契約

料金の支払いについて規定されていないので、派遣元と派遣先で話し合って決めて

いただくことになります(話し合いがうまくいかない場合は裁判等で争っていただ

くことになります)。


 次に問題となるのが、派遣先に休業されると派遣労働者は派遣就業できないこと

になるので派遣労働者の賃金はどうするのか?という問題が発生します。

 今回の場合、上記の「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」の

「4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)」の「問7 新型

 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず

休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。」にも記載さ

れていますが、派遣元が派遣労働者に対して休業手当(会社が労働者を会社都合で

休ませた場合に派遣労働者に対して支払う一定の賃金のことをいいます)を支払わ

なければいけないかどうかということで頭を悩まされている派遣元も多いのではな

いでしょうか?

 休業手当の支払いについては不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の

支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、

 ①その原因が事業の外部より発生した事故であること

 ②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができ

  ない事故であること

という要素をいずれも満たす必要があります。


①に該当するものとしては、例えば、今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法

に基づく緊急事態宣言や要請などのように、事業の外部において発生した、事業運

営を困難にする要因が挙げられます。 つまり①については要件をみたしていること

になります。 


②に該当するには、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くし

ていると言える必要があります。具体的な努力を尽くしたと言えるか否かは、例え

ば、 
 ・ほかの派遣先を紹介する努力をしたか

 ・労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていな

  いか
といった事情から判断されます。


したがって、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や、要請

や指示を受けて事業を休止し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基

準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるものではありませんが、上記のことを

行ったにもかかわらず、休業させた場合は休業手当の支払いは不要となる可能性が

高いでしょう。




ただし、派遣労働者の方も生活があるので、法律に違反しないからいいということ

だけではなく、なんとか派遣労働者の方の生活のことも考慮していただき、雇用調

整助成金等の助成金の活用も是非ご検討ください!












雇用調整助成金については以下のサイトをご確認ください!



https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html











https://haken-higashitani.com/













(資料)(以下のリンクはR2.4.15に更新しています)

 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf