簡単で分かりやすい派遣の書類作成と運用方法

派遣事業における個別契約書などの関係書類の作成方法や期間制限の延長手続きなどの運営方法について分かりやすくお伝えします

雇用安定措置で派遣労働者を無期雇用にしたらどうなるの?

2019年01月26日 | 雇用安定措置
今回も厚生労働省のホームページに掲載されている

『平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A』

をご紹介していきたいと思います。





Q  個人単位の期間制限に達する見込みの派遣労働者に対して、雇

   用安定措置のうち、派遣元事業主における無期雇用派遣を選択し

   、転換させた場合については、有期雇用契約当時の個人単位の

   期間制限を超えて、引き続き、同一の派遣先事業所の組織単位

   に就業させることができると解釈してよいか。



A  無期雇用派遣の場合は、事業所単位及び個人単位の期間制限

   の対象外となるため、個人単位の期間制限に達する有期雇用派

   遣労働者を無期雇用とした後、派遣元事業主の判断で、再び同

   じ派遣先へ就業させたとしても、期間制限違反とはならない

   (なお、雇用安定措置としては、法第30条第1項第3号ではなく、

    同項第2号の新たな派遣先の提供となる。)。

   なお、本件の場合でも特定目的行為にならないよう留意すること。





解説 

   雇用安定措置で、『派遣元の無期雇用派遣労働者』にしたら、事

   業所単位の期間制限も個人単位の期間制限も関係なくなるから

   、今まで派遣していた派遣先の同じ組織単位に3年を超えて派遣

   することができるねん。

   ちなみに、こまかいことやけど、この『派遣元で無期雇用派遣労働

   者にすること』は、雇用安定措置の3番目の措置である『派遣元で

   の無期雇用にすること』とよく間違えられるねんけど、雇用安定措

   置の3番目の措置である『派遣元での無期雇用にすること』ってい

   うのは、派遣元で派遣労働者以外の労働者(つまり、派遣元での

   内部スタッフ)として雇用することをいうねん。

   今回の『派遣元で無期雇用派遣労働者にすること』っていうのは、

   それじゃなくて、雇用安定措置の2番目の措置である『新たな派遣

   先の提供』に含まれるねん。

   で、無期雇用派遣労働者になったら、今までの派遣先にずっと派

   遣し続けることができるねんけど、派遣先から「○○さん(無期雇

   用派遣労働者)はベテランやから、今後もずっと○○さんを派遣し

   つづけてよ!」って言われて、それに派遣会社が従ってしまうと、

   特定行為になる可能性があるから気ぃつけてね!

 





厚生労働省「平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A」第2集 Q28 より

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118814.html











http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf








雇用安定措置で新たな派遣先の紹介を派遣労働者が断ったらどうなるの?

2019年01月24日 | 雇用安定措置
今回も厚生労働省のホームページに掲載されている

『平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A』

をご紹介していきたいと思います。





Q  雇用安定措置のうち、新たな派遣先の提供について、派遣会社が

   合理的な範囲内の派遣先を提示したにもかかわらず、派遣労働者

   が当該派遣先の紹介を断った場合、雇用安定措置を講じたことに

   なるのか?



A  派遣会社が合理的な範囲内の派遣先を提示したにもかかわらず、

   派遣労働者が適当な理由なく当該派遣先の紹介を断った場合は、

   雇用安定措置を講じたことになる。

   ただし、合理的な範囲内かどうかは個別具体的に判断することに

   なるため、合理的な範囲内であることを証明し得る資料や経緯等

   を記録・保存しておくことが望ましい。また、派遣労働者に対しては

   、当該派遣先を紹介した理由や経緯等について、丁寧に説明し、

   合理的な範囲内の紹介であることについて、理解を求めることが

   望ましい。





解説 

   雇用安定措置で、『他の合理的な派遣先』を派遣会社が派遣労働

   者に紹介したら措置を講じたことになるねんけど、派遣会社が合理

   的な派遣先を紹介したにも関わらず、派遣労働者が特に納得でき

   る理由もなくその紹介を断ったら、派遣会社としては雇用安定措置

   を取ったことになります。

   ただし、合理的な派遣先を紹介したかどうかは、個々の案件による

   から、あとで、行政の調査が入って、「合理的な派遣先ちゃいまっせ」

   と言われんように、合理的であることを証明する資料とか、そこを紹

   介した経緯とかはちゃんと記録に残しておかなあきまへんで!

   また、派遣労働者に対しても、派遣会社が持ってる派遣先の状況と

   か、その中で何でその派遣先を紹介したのか?とかをきっちり説明

   しとかんと後々揉めまっせ!


 





厚生労働省「平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A」第2集 Q27 より

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118814.html











http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf








雇用安定措置で新たな派遣先を紹介するまでの空白期間はどうなるの?

2019年01月22日 | 雇用安定措置
今回も厚生労働省のホームページに掲載されている

『平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A』

をご紹介していきたいと思います。





Q  雇用安定措置として新たな派遣先を提供する場合に、新たな派遣先

   で就業するまでの間に仕事がない期間が生じたとしても、当該措置を

   講じたことになるのか。 



A  新たな派遣先で就業するまで空白の期間が生じる場合については、

   当該空白の期間中は、法第30条第1項第4号に基づき、休業手当を

   支給する等の措置を講ずる必要がある。




解説    

   同じ派遣先に3年間派遣した派遣労働者に対しては、派遣元は雇用

   安定措置を取らなあかんねんけど、その雇用安定措置の1つに『新た

   な派遣先の紹介』があります。

   この新たな派遣先の紹介は、3年間派遣されていた派遣先と賃金面

   や職種、通勤時間等について合理的なところを紹介せなあかんねん

   けど、すぐに新たな派遣先が紹介できんかった場合、今までの派遣

   先には3年を超えて派遣でけへんから、紹介でけへん期間、派遣労

   働者は派遣就業できんことになるねん。

   そんな場合は、派遣元は派遣労働者が働かれへん期間はその派遣

   労働者とわざわざ雇用契約を結んで、少なくても休業手当分は支払

   ってやらんと、雇用安定措置を取ったことにならへんねん。

   いくらその後、合理的な別の派遣先を派遣労働者に紹介しても、空

   白期間分の休業手当を支払わんかったら、雇用安定措置を取ってな

   いとして指導の対象になる場合があるから気ぃつけなあかんで!

 



厚生労働省「平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A」第2集 Q26 より

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118814.html











http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf








雇用安定措置とは?

2018年12月30日 | 雇用安定措置
今回は、「雇用安定措置」について説明したいと思います。



派遣元事業主は、個人単位の期間制限に達する見込みの派遣労働者に対し、

派遣労働者が引き続き就業することを希望する場合は、以下のいずれかの措

置を講じなければいけません。(派遣法第30条第2項)

 ① 派遣先への直接雇用の依頼

 ② 新たな就業機会(派遣先)の提供(合理的なものに限る)

 ③ 派遣元事業主において無期雇用

 ④ その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置




また、「① 派遣先への直接雇用の依頼」を派遣元から派遣先に行った場合で

派遣先が直接雇用しなかった場合は、派遣元事業主はその派遣労働者に対し、

②~④のいずれかの措置を講じなければいけません。

(派遣法施行規則第25条の2第2項)




つまり、派遣労働者Aさんが、派遣先の同じ部署に3年間派遣される場合は、3

年後、Aさんは、その部署で働けなくなるので、派遣元事業主は派遣先に直接

雇用を依頼するか、それができなければ、今までの労働条件と比較して同じレ

ベルの他の派遣先を紹介したり、派遣元の派遣労働者以外の内部スタッフとし

て無期雇用しなければいけないということになります。



「① 派遣先への直接雇用の依頼」については、派遣元から派遣先へ派遣労働

者を直接雇用してもらえないか依頼をします。



ただし、これは依頼なので、派遣先は派遣元から直接雇用の依頼を受けても断

ることが可能です。



また、「派遣先への直接雇用の依頼」で起こり得ることとして、派遣元が有料職

業紹介の許可を受けている場合で、雇用安定措置として派遣先への直接雇用

の依頼を行った場合にそのことだけをもって紹介料を請求されるケースがあり

ますが、直接雇用の依頼を行っても紹介料は徴収できないのでご注意ください。

((派遣で働く皆様へ)平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関する

 Q&A Q4参照)


https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000111089_00001.html





「② 新たな就業機会(派遣先)の提供(合理的なものに限る)」については、

派遣元から派遣先へ新たな派遣先の紹介をします。



ただし、新たな派遣先の条件が、その派遣労働者の能力、経験、派遣労働者

の居住地、就業場所、通勤時間、賃金等の以前の派遣契約により派遣されて

いた際の待遇等に照らして合理的なものでないと、雇用安定措置を講じたこと

にならない可能性があるので、合理的な派遣先を紹介するようにしてください。



また、派遣元で無期雇用派遣労働者に転換して、現在派遣されている派遣先

に継続して派遣することも、雇用安定措置を実施したことになります。

(無期雇用派遣労働者の場合は、事業所単位の期間制限も個人単位の期間

制限も掛からないので、派遣契約が続く限り派遣することができます)

(平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A[第2集] Q28

 参照)


https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000118814.html



「③ 派遣元事業主において無期雇用」については、派遣元と派遣労働者以外

の労働者として無期雇用契約を締結します。つまり、派遣元の内部スタッフとし

て無期雇用契約を結ぶことをいいます。



「④ その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置」
につい

ては、例えば、②の合理的は派遣先を紹介できなかった場合は、合理的な派遣

先を紹介できるまで雇用安定措置を取ったことにはなりません。



この場合は、合理的な派遣先を紹介するまで、派遣元は、個人単位の期間制限

の期限後も派遣労働者との雇用を継続して休業手当等を支払っていただかなけ

ればいけません。



また、他の「その他安定した雇用の継続が図られると認められる措置」として、派

遣元が有料職業紹介の許可を持っている場合は、他の会社に紹介して就職が決

まった場合や、紹介予定派遣を行った場合も、雇用安定措置を講じたことになりま

す。



また、3年の雇用見込がある派遣労働者(派遣先の同じ組織単位で3年間働くこ

とが確定した派遣労働者)については、上記の①~④のいずれかの雇用安定措

置を講じなければいけない義務が生じますが、派遣先の同じ組織単位(部署)に

1年以上派遣されることが確定した派遣労働者については、上記①~④のいずれ

かの雇用安定措置を講じるように努めなければならない(努力義務)ので、こちら

もご注意ください。











http://haken-higashitani.com/







(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf