どこまでいきる

  ・✳日本いのちの電話✳・

   0120(783)556
   0570(783)556 

痰吸引を考える

2019年03月18日 19時05分23秒 | 病院にて

母を看取って

弁護士 石 井 麦 生

昨年12月、母が76歳で亡くなった。夕食の準備中に気分が悪くなり、そのまま意識を喪い、それからたった3日後に息を引き取った。私が駆けつけたときには、既に意識はなく、結局、母と会話を交わすことはできなかった。
原因は、脳幹部の出血。担当医の一言目は、「出血の部位が悪い。助からない」であった。

わずか3日間だったが、入院先の病院に通い、医療の現実に触れ、いくつか考えさせられるところがあった。

一つ目。
 母が倒れた日の夜9時に私は病院に着いた。担当医が私たち家族に求めたのは、「今日中に(つまり、3時間以内に)延命治療を受けるかどうかを決めてほしい」であった。担当医の言葉の端々に「延命治療なんて意味がありませんよ」というニュアンスが見え隠れする。私は父と話し合って、「延命治療を受けない」という選択をした。理由は簡単である。母が生前から「無駄な延命は嫌だ」と言っていたからである。しかし、この生前の言葉がなかったら、と思うと、医師は家族にずいぶんと厳しい回答を迫るのだなと感じた。

二つ目。
 担当医は、「病状を説明します」と切り出し、大きな声で「ダメだ。意識は戻らない。助からない」を繰り返した。そこには、母・妻を突然喪うことになりかねない家族への配慮が微塵も感じられなかった。「説明する義務があるから、説明している」という姿勢だった。延々と続く担当医の説明は、ただただ不快であった。身なりがきちんとしていないことにすら、腹がたった。

ところが、その後、この担当医に感謝することになる。

担当医は、母を個室に運び込む際、こう言ったのである。
 「お母さんは、今、努力性の呼吸をしています。傍で見ていると苦しそうですが、意識がないので、本人は苦しくはありません。大丈夫です」と。

確かに、意識のない母は、胸を大きく上下させて、「スーハー、スーハー」と音をたてて呼吸している。とても苦しそうだ。病室内の音は母の苦しそうな呼吸だけ。そんな母を前にして何もできない自分が情けなく、担当医の「本人は苦しくありません」という言葉だけが頼りであった。本当に本人が苦しくないのかどうかはわからないが、担当医の言葉は家族にとって救いであった。

三つ目。
 看護師の対応如何で、家族は時に傷つき、時に癒されることを知った。

深夜1時頃、2人の看護師さんが病室を訪れ、まず痰の吸引を行った。鼻からチューブを入れると、母の体がビクッと動く。辛そうに見える。その後、「体位を交換します。汗をかいていて着替えが必要なので、病室の外で待っていてください」と言われ、私は病室から出た。ドアの外で待っていると、中から看護師さん達の話し声が聞こえる。内容は聞き取れない。そして、突然、笑い声が・・・。職場の同僚同士のたわいもない会話だろう。母は意識を喪っているので、聞こえはしない。でも・・・。ただただ涙があふれた。

3時を回ったところで、別の看護師さんがやってきた。痰の吸引のためである。看護師さんは、私の顔を見て、「息子さんですか。大変ですね」と声をかけてくれた。そして、この看護師さんは、意識のない母にも声をかけた。「○(母の名前)さん、痰の吸引をしますね。ちょっと辛いですけど、ごめんなさいね」と。有難かった。心の中で「母さん、辛いけど、頑張って」と言うことができた。

良い医療って何だろう。
 もちろん、質の高い医療、安全な医療でなければならないのは当然。
 そこから先のプラスアルファ。
 それを求めるのは贅沢なことなのだろうか。


『人間らしく生きる』

・・・前略

という,あたりまえのことをするために辛い治療を選びました。祖父は,痛いと はいつもボードに書いたけど,辛いとか,もう治療をやめたいとは一度も書かな かったそうです。そして,痰の吸引も祖父を苦しめた原因の一つです。祖父はボ ードに 「これほど医療が進歩しているのに,痰の吸引がなぜこんなに苦痛なのか。自分 はまだ若いが,もっと年をとった人達はたえられないだろう。」 と書きました。そして 「自分も気管切開などしなかったら,こんなこと知らないままやった。医師や技術者は,もっと弱者の立場にたって,頭を使ってほしい。」 とも書きました。僕はその時, 「じいちゃん,すごいな。」 と思い,涙が出ました。自分の辛さから,もっと弱いお年寄りのことを心配でき る祖父に感動しました。人間の本当の優しさに触れたような感覚でした。 僕は今,看護師をめざしています。患者さんの立場にたって,少しでも患者 さんの苦痛をやわらげることのできる看護師になりたいと思っています。そして,

                         後略・・・

 


吸引の方法

今日の母の吸引方法が とても気になっていましたので検索しましたが

<<まず患者の体位を整える>> という所から

今の病院は 食事の時も 体位変換状態で 体が斜めになったまま平気で食べさせる人があります

今日も今日とて 私が枕カバーの交換をして 母の頭を掻きやすくするために 少し高めにしていましたが

(もちろん体位変換体制で ななめ状態のまま)

そのまま 管を入れました


最近になって 洗濯物の母のパジャマの胸あたりが

チョコレート色の塊が 10cm~20cm四方くらいに

べっとりと飛び散っていることが数回ありました。


最初は 食事の時に 何かこぼしたのかしらと思っていましたが

もうすでに三回も続いていますから

お聞きしなければと思いながら 今日の出来事です。


ひょっとしたら

痰吸引の時に 器官を傷つけているのかもしれません


救急受入れの総合病院ですから沢山の人が働いています

色々な学校から実習生も来ていますが

覚悟で母を置いてもらってはいますが


あまりにも悲しい・・・・・





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 母は 痰が絡んで苦しいので... | トップ | 呼吸器アラム(気道内圧の上昇... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

病院にて」カテゴリの最新記事