ゲリラ的取材と街の防衛力

2016年05月26日 09時26分51秒 | 業界のかけら

春風亭昇太師匠は、
僕の住む街に良く飲みに来る。

僕もしばしば遭遇するが、
会うのはいつも、
地元民に愛されている「個人店」だ。

昇太師匠が『笑点』の司会に大抜擢となって以来、
そんな個人店にあやしい女性が出没しているという。

店に来るなり、
名刺のひとつも出さずに、
昇太師匠についてアレコレ聞いてくるらしい。

そんな失礼な人物に答える店主はいない。
常連客も同様だ。

しかし彼女は懲りずに、
まだ別の店に現れ、同じことを繰り返す。

実はすでに、
週刊誌の記者と思われる不躾な女性が、
昇太師匠について嗅ぎまわっているという情報は、
地元個人店の間に行き渡っている。

それどころかこんな注意も、

「記者は可愛らしい女性なので、
 ついつい酔った勢いで適当なことをしゃべらないように」

もちろん、この注意は半ば冗談。
「××さん大丈夫?」という酒場の笑いのタネである。

みんなで街の人気者を守る、
そんな昔ながらの空気が、
僕の住む街には今も残っている。

アーサー・ミラーもびっくり

2016年05月22日 07時58分38秒 | コメディのかけら

劇場のトイレで、
若者が最近読んだ戯曲について、
友人に熱く語っていた。

「ホント、ヤバいよ…
 アーサー・ミラーの『サラリーマンの死』」

遠くせつない誕生日の知らせ

2016年05月21日 08時13分38秒 | ドラマのかけら

今もmixiを使っている。
それでしか繋がっていない人が数人いるからだ。

先日、あるマイミクが誕生日であることが表示された。
その日はちょうど僕の誕生日だった。

その人は知人の元・奥さんで、
もうかなり前になってしまうが、
何度か家にも招いて頂いた。

しかしその後、二人は離婚し、
僕はもともと夫と知り合いだったことと
彼女も実家に戻ってしまったようなので、
没交渉となっている。

離婚した夫はその後、再婚。
二人の子どもに恵まれ幸せに暮らしている。

だが、彼女の方は、今、どこで何をしているのかまったくわからない。

僕と同じ日に誕生日を迎えている・・・わかるのはそれだけだ。

もしSNSをやっていなかったから、
そんなことすらわからなかっただろうし、
そもそも彼女の、というか、あの夫婦と過ごした時間のことも、
思い出すことはなかっただろう。

それはなんとも遠く、そして少しせつない風景だった。

ファンはホームレス

2016年05月17日 10時39分38秒 | コメディのかけら

元ストリートでやっていたミュージシャンから聞いた話。

彼女が路上で歌っていると、
よく聴きに来るホームレスの男がいた。

いつもは数曲聴くと、その場を立ち去ってしまう。

しかしその日はなぜか、最後まで聴いてくれた。
その間、およそ2時間。

路上ライブを終え、
楽器を片付けていると、
その男が近づいてきた。

「今日は最後までありがとうございます」

とお礼を言うと、
男は手を差し出して、

「今日は全部聴いたんだ。だから2000円」

身奇麗なホームレス

2016年05月14日 09時44分51秒 | コメディのかけら

某ターミナル駅に身綺麗なホームレスがいるという。

どうしてそんなに身奇麗でいられるのか?

それは彼にタニマチ的人物がいるからだそうだ。

適当に金をくれ、
服もくれ、
週に一回、家の風呂に入れさせてくれる、
そんな存在がいれば確かに身綺麗にもなるだろう。

だが、家はない。

それにしてもそのタニマチ的人物は、
どういうつもりでそんなことをしているのだろうか。

ホッピー夜話

2016年05月12日 08時14分47秒 | コメディのかけら

近所の飲み屋で聞いた話だ。

カップルの客がやってきた。
初めて来る客だった。

「ホッピーセット」と男。

すると、女が、
「私は中」

ホッピーを知らない人のために説明しておくと、
ホッピー自体にはアルコールは入っていない。
ホッピーを焼酎で割って飲む。
普通は1本のホッピーで2〜3杯分割ることができ、
おかわり用の焼酎を中と呼ぶ。

つまりこのカップルは、
中を2つ頼み、
1本のホッピーを分け合おうとしたのだ。
確かにそれだとかなり安く飲める。

しかし店としてはたまったものではない。
料理の値段を安くする分、酒類で補うのが飲み屋の常識だ。

その店も一人ワンドリンク制なので、
その旨を告げると、女性はレモンサワーを注文していた。

この話を聞いていたら、
こんな光景が浮かんできた。



大晦日の夜。
二人の中年男を連れた貧相な老婆がやってくる。
そして老婆が言う「ホッピーセットと中を2つ」

童話『一本のホッピー』

出だしは出来たので、この後、どう展開しようか。

何のためのフリガナなのか?

2016年05月10日 23時49分37秒 | 業界のかけら


某テレビ局では、
ある時刻を過ぎると通用口から入ることになる。

受付にはガードマンがおり、
そこで所定の用紙に名前や連絡先を記入する。

いつものように記入して渡すと、
受け取ったガードマンが用紙をしばし凝視した後、

「フリガナもお願いします」

正面受付の時はそんな細かなことは言われないのになあ。
あれって受付嬢がアバウトなだけなのかなあ。

などと考えながら「ヤマナヒロカズ」と記入して戻す。

ガードマンは再び用紙を凝視した後、
僕の前に用紙を差し出し、
漢字で書いた僕の名前を指さし、

「お名前は?」

・・・え?

何のためのフリガナなんだ?

ひょっとしてあのガードマン、音声入力なのか。

ブームと酒の味

2016年05月08日 12時04分55秒 | その他のかけら

近所のBarで店主とある酒蔵の方と話す機会があった。

二人が口を揃えて言うには、

「ウィスキーも日本酒も、
 ブームになって広く飲まれるようになったにも関わらず、
 味が安定しているようなら、
 ちょっと疑ってかかった方がいい」

もうひとつ興味深かったのは、

「酒蔵がコンテストを狙い始めると、
 普段使いの酒の味が落ちることが多い。
 だから賞をとると全国的には評価が上がるが、
 地元の評判は下がることが多い」

なるほど。

耳たぶに指

2016年05月04日 17時03分07秒 | その他のかけら

熱いものに触れてしまった時、
耳たぶに手をやるという行為には、
どこか懐かしさがある。

しかしながら実際にそうやっている人を見たことがあるかと考えると、
僕の記憶の中にはない。
あるのは『サザエさん』か何かで見た光景だけだ。

熱いものに触れた時、
耳たぶに手をやる人は本当にいたのだろうか。

今もやる人はいるのだろうか。

秘密のドリンク

2016年05月01日 08時16分47秒 | コメディのかけら

ある飲食店での話だ。

ドリンクのメニューを見ると、
アルコール類としてはビール、ワイン、ウイスキー、焼酎、日本酒があった。

何にしようか考えていると、店員がちょっと小さな声で言った。

「メニューには無いですけど、レモンサワーもありますよ」

裏メニューのレモンサワー。

そういう気分ではなかったので他のものを頼んでしまったが、
なぜあの時、注文しなかったのか、今になって軽く後悔している。

マッカランが泣いている

2016年04月29日 09時33分20秒 | コメディのかけら

新宿の某居酒屋。
宮崎料理をウリにしたチェーン店だ。

飲み物のメニューを見て驚いた。

ビールやサワー類に並んで、
「ラフロイグ」「マッカラン」がある。
どちらもサントリーが扱うシングルモルト。
同社が入り込んでいるということか。

マッカランのソーダ割を注文してみた。

出てきたものを見て、再び驚く。

生ビールやサワー類と同じ細身のジョッキ。
しかも「Asahi SUPER DRY」のロゴ入りジョッキ。

ツッコミどころが多すぎる。

「マッカラン」といえばシングルモルトのロールスロイスと称される酒なのに。

西新宿で、マッカランが泣いている。

繁盛店のコメディ

2016年04月28日 09時37分15秒 | コメディのかけら

昨夜、出所祝いで行った店名に”鳥”の字がつく焼きとんの店。

店構えは上品だが、2階席は海の家状態の超満員。

焼きとんと油断していると、
なかなかパンチのきいた値段なので、
お会計の時に驚くことで知られる店である。

このご時世にあの価格で、
しかも若い客で繁盛しているのは良いことだ。

しかし!

遅いんだよ、料理が。

突き出しが来て、その20分後にようやく最初の料理がきた。
それが・・・
漬け物なんだよ、串じゃなくて。

「箸休めです」

と店員。
いやいやいや、
休むも何もまだ箸はほとんど稼働してないし。

注文が殺到していて料理人の手が足りないのかと
カウンターの中の厨房を見ると、
料理人は10人以上いて、右往左往している。

追加の飲み物を注文しようと手を挙げると、
フロアの人間より先に気づいて、
5〜6人が同時にこちらを指さし、
「あっちあっち」

揃ったその動きはまるでコントだ。

というか、その前に料理に専念して下さい。

食事に行ったメンバー的に
すべてが笑いに還元されたから良かったけど、
行く人間を間違えると事だな、あの店は。


その電車は回送です

2016年04月26日 09時42分37秒 | コメディのかけら

代々木上原駅の下りホームで、
千代田線から直通の準急を待っていた。

準急の前に、
代々木上原止まりで回送になる千代田線が一本来ると、
アナウンスが流れる。

さらに電車が入ってくるのに先立って、
駅員が並ぶ人の前を走りながら、
「次の電車は回送電車です。ご乗車にはなれません」
と告げていった。

間違える人が多いのだろう。

電車が到着し、乗客が降りていく。

すると僕の目の前に立っていた、
OL風の女性とスーツ姿の男性、
どちらも二十代と思しき二人が、
何の迷いもなく誰もいなくなった電車に乗り込んでいった。

え?

乗り込んでからしばしの間があって、
二人は自分たちの誤りに気づいたようで、
電車から降りてきた。

その姿を見て、彼らがが過ちを犯した理由がわかった。

ヘッドフォンで音楽を聴いていたのだ。

あれだけ念入りに注意されていたのに、
スタスタと電車に乗り込んでいく姿はマヌケだったなあ。

中国TV事情

2016年04月22日 08時05分56秒 | 業界のかけら

中国で番組制作の監修をしてきた知り合いから、
中国のテレビ事情を聞いた。

中国では視聴率の平均は1%。
60ぐらいテレビ局があるためだ。
最近、韓国の番組をフォーマット購入した番組が視聴率5%をとり、
それで大きな話題になったそうだ。

番組の制作費が10倍。
日本のゴールデンのバラエティ番組が仮に制作費2000万円なら、
中国は2億円。
それだけでも驚きだが、さらに驚きなのが、
「制作費の半分が出演者のギャラ」
高い。
日本ではそんなことありえない。

中国のテレビ業界は毎年20%の成長率だそうだ。
しかし、まだ技術的な面が拙い。

「今、中国で番組作りの指導する仕事をしたら、
 一財産築けますよ」

なるほど。

放送作家にも教えられることはあるだろうか。

賛否

2016年04月20日 07時57分50秒 | コメディのかけら

ニュースの見出しで、
「××に賛否」
というのをよく見かける。
(例:『オスプレイ物資輸送に賛否』)

これってよくよく考えると、
なんとも馬鹿げた物言いだ。

どんなものにでも賛否はある。
100%の賛もなければ、
100%の否もない。

大事なのは、その割合ではないか。

賛が99%で否が1%でも、
否が1%で賛が99でも、
見出し風にいえば「××に賛否」

今回の賛否の割合はどうなんだ?

黒い笑いが作れそうだ。

だが、笑いのためではなく、
大真面目にこの見出しをつける者がいる。

それは笑いではなく、恐怖だ。