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これらの化学物質は性ホルモンの働きを根柢から覆す 恐るべき力を持っている。

2020年04月25日 06時46分45秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

「DDTがエストロゲンとして働くというレポートが発表された当初は本当に驚いた。

環境中にこれ程広範囲に存在している化学物質がそんな力を持っているとは大変なことだ。」

とマクラクランは回想する。

文献を調べた彼がさらに驚いたことに DDTにエストロゲン様の作用があることは

すでに1950年代に報告されていたが 誰もがその重要性に気づかずにいたのだった。

 

この後すぐにマクラクランは 他の殺虫剤もまた弱いエストロゲンのような

働きをする可能性があるというレポートに出会った。

さらに心配なことに その一部は人間の生殖に影響を与えうるだろうというのだ。

1975年 バージニア州 現在では閉鎖されたライフサイエンスプロダクツ社の工場で

殺虫剤ケポンにさらされた工員たちの血液や組織から この物質が大量に見つかった。

ガゼリアン博士に率いられたバージニア医科大学の研究チームによれば

14人の男性工員が不妊になっている可能性が高いことが分かり この事件は大騒動になった。

精液を分析したところ 明らかに異常精子が多く 運動率も悪かった。

その他にも 震え 頭痛 記憶障害など深刻な障害が多発した。

ケポンのエストロゲン様作用については 徹底的に研究された。

 

・・・略・・・

 

文献を調べているうちに

エストロゲン様の働きをすると考えられる殺虫剤の数は増加し続けていると言う事が分かった。

そのリストには DDTの分解物であるDDE ケルセン ヘプタクロル ケポン 

メトキシクロルなどが含まれていた。

どの化学物質がエストロゲン様の働きをするかは 分子の形からは判断できなかった。

エストロゲン様作用を持つ物質は それぞれに異なる形をしていた。

 

・・・略・・・

 

これらの化学物質は性ホルモンの働きを根柢から覆す 恐るべき力を持っている

それならレセプターが天然エストロゲンに対して鍵穴のような役割を果たす仕組みは

どのように作用しているのだろうか と彼は疑問を抱いた。

何故レセプターは受け入れるカギをもっと細かく選別しないのだろう?

なぜ いくつもの化学物質が結合できるのだろう?

その答えは 人間の進化の歴史に由来している と彼は感じた。

 

 

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肺癌 胃がん 直腸がん すい臓がん 前立腺癌 膀胱がんで死亡した人では 検査されたすべての殺虫剤の値が「非常に高く」

2020年04月23日 08時58分18秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

持続性や生物濃縮ばかりでなくDDTは親から子へ世代を超えて受け継がれていく。

人間の場合子宮内や母乳を経由して母から子へと移動する。

母乳中のDDTは平均で30ppb(1ppbは10憶分の1)程度発見されている。

母乳の脂肪分だけとってみれば 数字はもっと高く1ppm(100万分の1)程度だ。

現在でもDDTが広範囲で使用されている途上国では これより100倍も高い。

最も高い数字は1970年代のグアテマラで報告されたもので

マラリア駆除の目的でDDTを室内で噴霧した結果

母乳の脂肪分から100ppmものDDTが検出された。

母乳を通じて 母親の体内に蓄積された脂肪は赤ん坊に移行する。

結果として 母親は体内の脂肪組織に長年蓄積された有毒成分のかなりの部分を

そのまま赤ん坊に伝えていると考えられる(母乳に含まれる化学物質の詳細については第8章)

 

持続性 生物濃縮 母子間の移行に続いて 驚くべき拡散性が明らかになった。

1970年までには DDTははるか遠くの北極のアザラシやペンギンの体脂肪にも含まれ

南極の氷の中や インドの上空 21,000メートルの空気中まで存在すると解った。

スコットランド沖のアザラシやネズミイルカの研究では

73ppmという高濃度のDDTが発見された。

 

1967年にホールデンとマースデンはその著書で

「故意に汚染されたのではない環境中や 殺虫剤の標的とは全く異なる種の生物の体内に見られる

殺虫剤の残留成分の蓄積の程度から そういった化学物質を散布した地域内にとどめておくことは

不可能だとはっきりわかる」と警告した。

蓄積されたDDTは空気や水を汚染し 水中でも陸上でも 食物連鎖をのぼるにつれ蓄積され

汚染された作物や動物が輸出され そして 母親から赤ん坊へと

直接受け継がれて 世界中に広がってしまう。

 

いったん潮流が変わると DDTの害に関する証拠がつぎつぎに現れた。

1947年以来 いくつかの研究報告が 

DDTには発がん物質として作用する可能性があり 動物実験で腫瘍を生じたことを示していた。

そのひとつに食品医薬品局の研究さえあったが 無視されていた。

1968年までには DDTの発がん性を示す証拠が現れた。

マイアミ大学のラドムスキーらの研究チームは

癌による死亡者と事故による死亡者のDDT値を比較した。

その結果 肺癌 胃がん 直腸がん すい臓がん 前立腺癌 膀胱がんで死亡した人では

検査されたすべての殺虫剤の値が「非常に高く」

「平均で通常の値の2~3倍 DDTについては2倍」と判明した。

事故による死亡者では DDT DDD DDEの値は平均で10ppm以下だったが

ガンによる死亡者では 平均で20~25ppmだった。

DDTとがんの増加とのつながりを示す証拠を前に 環境保護庁はDDTの使用を禁止した。

 

西欧のほとんどの国々ではDDTが禁止されて20年以上になり 人間の体内のDDT値も下がった。

しかし 途上国では とくにマラリア防除の目的で現在でも大量に使用されており

世界規模で考えた使用料は 西欧でのこれまでの使用量を超えることは間違いない。

1991年の時点で アメリカはいまだに100トン近くのDDTを輸出している。

WHOの統計によれば 1992年に メキシコとブラジルは

それぞれ1000トン近くを使用した。

このような大量使用は 自国の人々の健康を損ねるばかりか

世界に環境汚染の更なる重荷を背負わせることになる。

 

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この訴訟に決着をつけたのは DDTが人間の母乳から検出されたという

2020年04月21日 09時50分54秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

当時彼女は 考え方が非科学的だなどとの非難を受けた。

工業界はDDTは昆虫には有毒だが人間には無害だと信じていた。

だが 一般大衆の考え方は違っていた。

レイチェル・カーソンは称賛を持って迎えられた。

彼女はホワイトハウスに招待され 

ケネディー大統領も深い関心を寄せた。

テレビでも大きく取り上げられ 

『ニューヨーカー』に連載記事が載せられた。

工業会の批判者たちと戦う一方で

彼女は私生活でも 乳がんという強大な敵と戦い

それが原因で間もなくこの世を去った。

 

彼女の活動は 新しい研究の波を巻き起こした。

だがDDTの使用は続けられていた。

1965年10月13日 パウル・ミュラーが死んだときには

DDTは人畜無害だとの定説に反する証拠は山のようになっていた。

 

散布の最盛期には ハヤブサやワシ ペリカン サケ バスといった

食物連鎖の頂点にいる 最上位捕食者を含む野生動物の

数多くの種で 広範囲な集団死が見られ

その体脂肪から 高濃度のDDTが発見された。

がんや腫瘍 原因不明の生殖異常などが 数多く報告された。

 

1968年 中北部のウィスコンシン州から決定的な攻撃が静かに仕掛けられた。

 

・・・略・・・

 

この訴訟に決着をつけたのは DDTが人間の母乳から検出されたという

スウェーデンの化学者ゲーリング・レフォーズの衝撃的な証言だった!

環境防衛基金の弁護士は彼と連絡を取って 法廷での証言を頼んだ。

同時に彼らは 『ニューヨーク・タイムズ』から『シカゴ・トリビューン』にいたるまで

あらゆる新聞に その証言を予告した。

 

法廷に立ったレフォーズは食物連鎖の仕組みの中でDDTが蓄積し

人間の母乳や脂肪 そして脳組織にまで発見されるようになった過程について事細かに説明した。

彼の証言は全米各紙の一面を埋め尽くし 環境汚染防止活動家たちに勝利をもたらした。

DDTの使用は全面的に禁止された。

 

70年代には 30年代 40年代に科学の成功を讃えたのと同じく猛烈な勢いで

瞬く間に潮が引いていった。

そうなると 化学物質による悪影響かも知れないとなれば

どんなささいなことでもマスコミの厳しい視線を浴びるようになった。

殺虫剤として強い効力を発揮するものは他の種にとっても有害なはずだ

というレイチェル・カーソンの主張は正しかったと認められるようになった。

 

第一にその持続性だ。DDTは簡単には分解されない。

この物質の半減期は約100年とされ いったん散布されれば環境中に長期間残存する。

またいったん動物の体内に入ると 主要な代謝物であるDDDやDDEに形を変えて

組織内に長期間残留する。

DDTやその代謝物 分解物は数多い合成エストロゲンと同じく

脂肪に結合しやすい「脂肪親和性」なので 生体の脂肪内に蓄積される。

そして 植物や動物の体内に入ると たちまち脂肪に吸収されてしまう。

 

また このような持続性の高さのために「生物蓄積」あるいは

「生物濃縮」と呼ばれるメカニズムによって

食物連鎖によって蓄積が進み

上位の捕食動物になるほど濃度が増していく。

たとえば 海に住む微生物のプランクトンは海水や沈殿物から微量のDDTを吸収する。

その量は わずか 1ppm程度だろう。

そのプランクトンを食べる魚の体内には より多くの量が蓄積され 10ppmになる。

このようにしてDDTの蓄積は食物連鎖をのぼり

上位の捕食者になるほど 蓄積量は増えていく。

人間はそれらの上位捕食者を食べているのだから 蓄積量ははるかに高くなる。

 

なかには30ppmを超える人もいる。

 

 

thetalee:
askfordoodles:
kindamindless:
I laughed way too much
that is the most cartoony wildlife footage ever captured.
The fucking squirrel thing, though.
(via moja-moja)
2 months ago  /  639,683 notes

https://fancylady2012.tumblr.com/post/190673125640/thetalee-askfordoodles-kindamindless-i

 


「死の妙薬」と呼ばれた合成殺虫剤 DDT

2020年04月19日 15時48分43秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

何年もの間埋もれていた。

 

しかし 1957年 バローズ・ウェルカム研究所のリチャード・ウェルチと

ロナルド・クンツマンが これをよみがえらせた。

肝臓である種の酵素の構造を変化させ

それによって エストロゲン プロゲステロン テストステロンといった

性ホルモンの構造や分泌を変化させうると発表したのだ。

またこのような性ホルモン代謝への影響は特定の鳥類の生息数減少の

原因だろうと推測した。

さらにDDTが 性ホルモン代謝を変化させ 

その結果生殖に影響することが確認された。

 

その一方でDDTは1950年代に最も大量に使用された。

需要に応えるため 10年間に 合成殺虫剤の生産はほぼ5倍に増加し

その額は2億5000万ドルにも達した。

この数字は DDTが当時どれほど気軽に使われたかをよく示している。

子供たちの頭からかけられ 郊外の家々では

芝生が真っ白になるほどまかれた。

農村ではどこでも ヘリコプターから白い霧状の空中散布が見かけられた。

 

人畜無害で殺虫効果の高い薬剤と信じられていたため

ある昆虫学者は食べても平気だと主張し

一つまみ飲み込んで見せたくらいだった。

結局のところ 定期的に噴霧を受けた数百万人もの兵士たちが

格別命に別状ないことは確かだった。

もしこれが死をもたらす物質であるなら

死はゆっくりとやって来たのだった。

 

しかし1962年 DDTとの蜜月は終わりを告げた。

アメリカ政府の魚類野生生物局の生物学者

レイチェル・カーソンが『沈黙の春』を出版した

 

 

この本は大反響を起こし

70年代に盛んになり西欧でのDDT使用全面禁止を促進した。

環境保護運動のきっかけを作ったと広く認識されている。

彼女は野生生物たちに起きた異変を描写し

それは郊外の家々の庭先でもたやすく感じ取ることができると主張した。

鳥が苦しげに羽ばたいたかと思う間もなく死んでしまう。

ハチの羽音や鳥のさえずりといった春の音が聞こえない。

植物は枯れ萎れ 動物たちは子供が生まれない。

生まれた子供も突然死んでしまう。そう彼女は訴えた。

 

「アメリカの無数の町で 春の声を沈黙させたのは何だろう?」と

彼女は問いかけた。「この傷ついた世界で新しい生物の蘇りを沈黙させたのは

魔術でも戦争でもない。人々が自分でやったことなのだ。」

それが彼女の答えだった。

「死の妙薬」と呼ばれた合成殺虫剤

とりわけDDTの使用によって 人間が自分自身でやったことなのだと

彼女は雄弁に語った。

 

https://www.pinterest.jp/pin/596515913133442523/


DDTは家庭でも「昆虫爆弾」と呼ばれる噴霧器でふんだんに使用された。

2020年04月18日 14時10分09秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

第二次大戦中 DDTは大量に必要とされた。

腸チフスやペスト マラリアと言った死を招く伝染病を媒介する

シラミやハエやカの駆除に効果を発揮した。

連合軍がナポリを開放したときには 

腸チフスの蔓延を一掃するために

住民はひとり残らずDDTを浴びせられた。

 

徴兵された兵士たちも まずDDTの洗礼を受けた。

下着にも毛布にも粉末がふりまかれた。

特に熱帯地方では 日常的に使用された。

死病を媒介する昆虫を殺す能力から

DDTは連合軍の新兵器と讃えられた。

 

当初 DDTは現代科学がもたらした新たな奇跡と思われた。

それまでの農業は虫害との闘いだった。

作物はしばしば全滅し 昆虫は人間にとってだけでなく

「大地の健康」にとっても大きな脅威だった。

DDTは昆虫との戦いに勝利を約束した。

家庭でも「昆虫爆弾」と呼ばれる噴霧器でふんだんに使用された。

 

1950年代の広告は アリやハチに襲われて大慌てのピクニックや

虫害で全滅した畑は もう過去の出来事だと宣伝した。

DDTは人畜無害の素晴らしい発明とされ

極端な例では アルコールがよく回るからという触れ込みで

ジンにDDTを一滴たらした「ミッキィ・スリム」なる飲み物が出来たほどだ。

 

DDTは20年以上もの間最もよく使われる殺虫剤として親しまれ

世界各地で 食物生産の増加や 昆虫媒介伝染病の抑制に大きな役割を果たした。

熱烈な使用推進者たちは DDTおよび関連の殺虫剤は

世界中で一億人以上の命を救ったと評価していた。

人々の祈りにこたえるかのように この驚異的な薬剤は

第三世界でいくつかの恐ろしい病気を根絶し

それにも増して不可欠な食料供給の増大を実現した。

 

1948年 パウル・ミュラーは

DDTの強力な殺虫力を発見した功績から

ノーベル医学生理学賞を受賞した。

 

ストックホルムの授賞式でミュラーが人々の拍手と

カメラのフラッシュを浴びていたころ

ニューヨークでは彼とは対照的に無名な二人の科学者が

DDTに関して妙な実験をしていた。

シラキュース大学のフランク・リンデマンとハワード・バーリントンは

DDTが昆虫だけでなく動物にも影響を与えるかどうかを調べていた。

 

・・・略・・・

 

この研究こそDDTの遅効性でわかりにくい効果について

はじめて警告したものだった。

 

だがこれらの発見に関する論文は1950年に発表されたものの

直ぐに忘れ去られその重要性が理解される事も無く

何年もの間埋もれていた・・・

 

 

 

2020年 4月 古き良き時代

 

ずっとずっと昔

このドラム缶でごみを燃やしていました

焼き芋もできたけれどなぁ・・・

 


人畜無害の殺虫剤を開発することができると信じていた DDTの遺産

2020年04月17日 18時22分34秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

こうして研究チームは 発生途上で強力な合成エストロゲンにさらされることは

三つの重要な変化を起こしうることを明らかにした。

第一に 出生時に目で見てわかる明らかな構造的変化。

両性の生殖器が隣り合わせているなどの生殖器官の異常だ。

第二に 顕微鏡下でわかる遅効性の影響。

膣がんや前立腺癌と密接に結びついた細胞の存在だ。

第三に さらに根本的なレベルで エストロゲンが細胞内の遺伝子の

発現を変化させたこと。

ホルモンメッセージが攪乱され オスがメスのたんぱく質を分泌していた。

 

・・・略・・・

 

ところが研究を進めていたマクラクランは

早急な問題解明の必要性を感じさせる新たな発見に驚愕した。

私たちの誰もがさらされており 血液や脂肪からも検出される

別の合成化学物質が弱いエストロゲン様の性質を持っていることが判明したのだ。

それは猛毒の殺虫剤として悪名高いDDTだった。

さらに混乱を深めたのは

DDTの分子の形がエストロゲンとは異なることだった。

 

DDTの遺産

一時は20世紀の化学物質の中でも特に高く評価されながら

後に強い毒性が判明して使用禁止になったDDTにまつわる話は

やみくもに新しい科学の恩恵を被ろうとする

私たちの無知や浅はかさを如実に示している。

この画期的な科学物質を利用し 更には利益を得ようとする

激しい競争の最中には 誰もがその先に

何が待ち受けているかを想像することさえできなかった。

 

私たちが直面することになった諸問題は

それまで見たことも聞いた事も無い

全く経験したことのないものであった。

警告のサイレンがあったのに

誰もがそれをまともに見ようとしなかった。

地球がDDTに汚染されて50年が過ぎた現在でも

その性質について新しい発見があるという事実は

問題のむつかしさを際立たせている。

 

・・・略・・・

 

1930年代 有機化学の分野で数多くの発展があった。

有機化学は 生命の最も基本的な構成要素である炭素についての化学である。

炭素は非常に変化しやすく 分子を作る炭素原子の結合の組み合わせは

ほとんど無数に存在する。

当時は有機化学の最盛期であり 

数多くの全く新しい化合物が合成され

化学工業がそれを用いて画期的な製品を産み出した時代だと言えよう。

 

科学界は 楽観主義と自信に満ち溢れ

人々はつぎはどんな発明が登場するのかと期待に胸膨らませていた。

科学はあらゆるものを与えてくれる偉大な存在と捉えられた。

与えられるものが何であれ それは良いものだとみなされた。

毎週のように生み出される新物質は

日常生活に劇的な変化をもたらし

製造者は今日の巨大化学会社へと発展した。

 

DDTは1874年 ドイツの科学者によって合成された無色の結晶体だが

発明者は この化学物質の効力を認識していなかったらしく

利用法が開発されないまま埋もれていた。

 

1930年代にスイスのパウル・ヘルマン・ミュラーが

殺虫剤としての効力を発見した。

彼は昆虫と哺乳類では有毒物質の吸収の仕組みが

生理的に全く異なるという理由から

人畜無害の殺虫剤を開発することができると信じていた。

 

スイスのパーゼルにあるガイギー社の染料工場内の研究室で

ミュラーは さまざまな物質を調べた。

1939年9月 ヒトラーのヨーロッパ侵攻と時を同じくして

ミュラーは完璧な物質を発見した。

それがDDTで一瞬で虫の中枢神経を冒し死亡させる。

まもなくDDTは あらゆる昆虫に即効性があることが判明し

画期的な農薬として広く使用されるようになった。

 

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オスが精液を作る精嚢でメスのたんぱく質を作るなんてありえない・・・

2020年04月16日 09時58分00秒 | メス化する自然

 

 

だが マクラクランらの研究チームは ここで立ち止まろうとはしなかった。

 

・・・略・・・ 1987年・・・

 

マウスはその他にも 炎症・頻尿・尿量の減少など

前立腺疾患に結び付く症状を呈していた。

これらはすべて 前立腺が肥大し変形して尿道を圧迫する

良性の前立腺肥大の典型的な前駆症状だった。

この疾患は尿の流れを妨げることから

不快感や排尿困難につながる。

その後全部のオスのマウスにこの変化が現れた。

変化は深く静かに しかし広範囲に拡大していった。
 
・・・略・・・

「我々の研究を基礎に考えれば 早い時期のエストロゲン暴露が

前立腺癌の発生に重大な役割を果たすというのは十分考えられる。

だから なんとしても 早急にもっと研究を進めなければならない」

とマクラクランは主張する。

だが 当時 この研究はほとんど注目を集めなかった。

 

これらの不気味な変化 

そして合成エストロゲンと前立腺癌とのつながりに関する懸念から

マクラクランの脳裏に拭い去れない疑問が浮かんだ。

合成エストロゲンのDESがエストロゲンになりすまして

これほど強力かつ長期的な影響を与えることができるのは

いったいどんなメカニズムによるのだろうか?

「科学を理解する最上の方法はメカニズムを知ること

私はそう確信している」と彼は言う。

だが 彼らがこの問題に深くかかわるにつれ

また一つ注目すべき事実に突き当たった。

 

「オスのマウスは もっと本質的に変化していた。

じつは 彼らは分子レベルでメス化していたのだ」

驚くべき発見だった。

「胎内でDESにさられたオスのマウスたちは

成長後に生殖器官でメスのたんぱく質の産生を示したが

これは通常ならオスでは決して起こらない現象だ」

 

ラクトフェリンは通常 エストロゲンにさらされたとき

子宮内で遺伝子によってつくられる主要な分泌たんぱく質だ。

「子宮のミルク」としても知られ 胎仔に栄養を供給し

発達を促進すると考えられている。

だが オスのマウスが分泌しているタンパク質を調べたところ

ラクトフェリンの存在は一目瞭然だった。

 

「これは驚いた オスが精液を作る精嚢で

メスのたんぱく質を作るなんてありえないからだ。

それでいて 精嚢は形の変化もなく 精液も作り

特に異常があるようには見えなかった。

だが ラクトフェリンを探して染色すると 確かに分泌されている!

オスの体内の細胞が あたかもメスの子宮の中にいるかのごとく振舞っていた。」

マクラクランはこの状態を「分子的仮性半陰陽」と名付けた。

合成エストロゲンの暴露により 何らかの方法で

オスの生殖器官でメスの遺伝子の「刷り込み」が行われ

成長後にスイッチが入って活性化するように設定されたのだ。

 

「このことは 分子レベルでの生殖器官の発生に関して

私たちは全く新しい情報をもたらした。

それによって 何らかのエストロゲンが生殖器官に対して

極めて大きく 非常に深いレベルで 実際に影響を与えている

可能性があるという重大な興味を抱いた。

なにしろ オスのマウスが分子レベルでメスの遺伝子を発現していたのだから」と

マクラクランは回想する。

長期的にどんな結果をもたらすかは さらに研究しなければならない

とマクラクランは1989年の論文で警告した。

 

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妊娠中にDESを投与したマウスから生まれたオスの60%が不妊だった

2020年04月15日 13時10分45秒 | メス化する自然

 

 

チームが発足して間もなく 彼らは新たに発見された緊急課題の研究に着手した。

1971年   アーサー・ハーブスト教授が

若い女性に非常に珍しい膣がんが連続発生していることを詳細に報告し

患者の共通点は 母親が妊娠中にDESを投与されたことだとした。

これは全米を揺るがす大ニュースとなった。

マクラクランにとっては なかば予想し 恐れていたニュースだった。

「妊娠中にDESを投与された何百万人もの女性のことで

医学会は降ってわいたような大パニックだった。

DESの研究は もはや純粋な医学的関心だけのためのものではなくなった。

 

ふと気づくと 彼らはみな 医学研究の最前線にいた。

「最初は DESが膣癌の原因だという考えをはねつけられた。

そして 激しい論争になった。

いずれにせよ問題のある妊娠であり 薬はそれを救った という議論もあった。

おそらく染色体の異常からがんが発生したのだろう とね」

と マクラクランは説明する。

 

出生後すぐに異常が明らかになったサリドマイドと違い

問題が生じたのは思春期以降だった。

膣がんは青年期になって ホルモン環境が変化した時期に

発生したのだと思われた。

子宮内の化学物質の影響がそのように遅れて現れる例は

それまで報告されていなかったし

DESの副作用については知られていなかった。

これはまた 子宮内での化学物質暴露によって後からがんが発生した。

経胎盤発がんが報告された初めての例だった。

「ハーブストの研究はDESに対する認識を根底から覆した」と

マクラクランは回想する。

 

・・・略・・・

 

マクラクランは研究を発表し 

DESがマウスに膣がんを発生させたと説明した。

突如として 彼は時の人となった。

NIEHSとの契約は更新され

DESに関する彼の研究は一躍有名になった。

 

・・・略・・・

 

チームが研究を進めるにつれ

DESにさらされて生まれてきたオスのマウスから

さらに予想外の事実を発見した。

「妊娠中にDESを投与された母親から生まれたオスを調べたところ

大きなショックと驚きを感じた」とマクラクランは言う。

「彼らは雌雄両方の生殖器官をもっていた つまり半陰陽だ」

 

・・・略・・・

 

マウスの実験結果は 人間に起きたことを不気味なほど予言していた。

1975年 彼らは研究結果を「サイエンス」に発表し

妊娠中にDESを投与したマウスから生まれたオスの60%が不妊だった

と報告した。

間もなくこの研究は 臨床医がDESの男性への影響を測る基準となった。

 

 

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アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文11~20,※しつらく※生声でノーカット朗読

2020年04月15日 10時43分40秒 | メス化する自然

10までは 自然に連続で聞けたのですが

後の続きがどこにあるのかわからず放浪して見つけてきたのがこれです

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文11,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文12,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文13,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

 

https://www.pinterest.jp/pin/596515913133920045/

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文14,※しつらく※生声でノーカット朗読※ノーベル賞作家がリアルに描く疫病都市

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文15,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文16,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文17,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文18,※しつらく※生声でノーカット朗読※熱症続出、対策は・・・

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文19,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」本文20,※しつらく※生声でノーカット朗読

 

 

わたしはまだ10までしか見ていないのですが

声で聞かせていただけることに大感謝をしています

本当にありがとうございます

 

 

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・・・なんと!Gooにブログを作られていました

   ほかにもたくさんの文学がありますから

   是非ご訪問下さいね~♪        ・・・


サリドマイドの悲劇は 侵されざる子宮という安らかな幻想を・・・

2020年04月14日 15時44分16秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

誰かが自分たちの仮説の欠陥を指摘するだろうと彼らは半ば予期していた。

 

だが その心配は杞憂に終わった。

科学界は彼らの考えを支障なく受け入れた。

彼らの考えには反論に詰まるような明らかな欠陥はなかった。

まちがっていると納得いく根拠を示せる者は 誰一人いなかった。

 

一方で マスコミは彼らの仮説を 世界が直面する危機へと変身させた。

シャープたちの慎重で地道な いかにも科学者らしい努力は

迫りくる人類滅亡の悲劇へと変身させられたのだ。

女性ホルモン エストロゲンは人類の敵とみなされた。

そして 人類すべてがさらされている 謎のエストロゲンの正体を

突きとめる競争が始まった。

 

第3章 エストロゲンの大海

 

・・・略・・・

 

「サリドマイドの悲劇は 侵されざる子宮という安らかな幻想を

一瞬にして打ち砕いた」とマクラクランは回想する。

この薬剤は1950年代から60年代初期にかけて

鎮痛・睡眠剤として 妊婦に処方された。

その結果 胎内でサリドマイドにさらされて生まれてきた子供たちに

心臓障害や 手足がない無肢症 異常に短いあざらし肢症が発生した。

被害者の赤ん坊や子供たちの写真が 

医学の思い上がりを(読めないので省略)する生き証人として

何か月もの間さまざまな雑誌の巻頭に載った。

 

当時 若きマクラクランは科学の道を歩き始めたばかりだったが

この悲劇は彼にとって 異物である化学物質が

発生中の胎児へ与える影響について

人々に先んじて関心を持つきっかけとなった。

 

・・・省略・・・

 

研究所の赤レンガ造りの大きな建物は 人通りのない道の

奥まった場所に 森に抱かれてひっそりと建っていた。

マツなどのさまざまな針葉樹の森が見渡す限り広がっている。

建物の窓は南部の夏の強い日差しを避ける曇りガラスだ。

裏手には 一目で人工と解る湖がある。

正面入り口のアメリカ国旗が目についた。

 

マクラクランは ここに自分の研究室を与えられ

すぐさま独自の研究科チームを編成した。

最初に雇った細胞学者のレサ・ニューボールドは病理学の専門家

チームの初の博士号を持つ研究員は ケネス・コーラックだった。

このチームの共同研究はこの後22年も続き 大成功をおさめた。

 

 

loumargi:
Wilgelm List.
4 weeks ago  /  905 notes /  Source: loumargi

https://fancylady2012.tumblr.com/post/612783408558555136/loumargi-wilgelm-list 

 


アルベール・カミュ,作,「ペスト,」概説,+本文冒頭,1※生声で朗読、ノーカット

2020年04月14日 06時55分38秒 | メス化する自然

カミュの「ペスト」累計100万部突破 新型コロナ拡大で再び注目 
2020年4月8日 20時46分新型コロナウイルス

 

さすがNHKなのでしょうか?

このサイトからは 色々興味のある お役立ちサイトへのリンクがあります。

ぜひご訪問下さいね。

 

600人近い乗組員が感染確認の米空母 初の死者 新型コロナ 

新型コロナ「新型インフルの10倍致命的 措置解除は慎重に」 
2020年4月14日 5時01分新型コロナウイルス

7都府県で234の介護事業所が自主休業 介護崩壊の懸念も 

 

 

以前 羽鳥慎一モーニングショーから教えていただいたことですけれど

カミュの『ペスト』 人間は心の平和に到達できるか

 

先ほどはブログで 書かれていた方がありましたので

その方をここでお知らせしようかと思ったのですが

あまり リンクされるのをお好みでないように見受けられましたので

(勝手にリンクして ひどく叱られた経験が依然あります)ので

あらために 書いておくことにしました。

 

動画も探してみましたが 今のところ見つかりません

 

と 思ったら…

 

カミュー ペスト 動画 無料

 

アルベール・カミュ「ペスト」

 

 

 

 

アルベール・カミュ,作,「ペスト,」概説,+本文冒頭,1※生声で朗読、ノーカット

 

 

 

 

今読むべき小説【ペスト①】〜ロックダウンされた街〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23 seconds ago  /  9,012 notes  /  Source: instagram.com

https://fancylady2012.tumblr.com/


子宮内でDESにさらされた男児ではその結果 奇形が頻発した・・・

2020年04月13日 17時56分24秒 | メス化する自然

 

 

DESに関する研究を調査すると

この薬が 生まれてきた女の子たちに

重大な影響を与えたことは明らかだった。

 

男の子たちについては データーははるかに少なかった。

しかし エストロゲンが男性の生殖器の発達に

悪影響を及ぼすかどうかを解明するためには

どうしても知る必要があると確信したシャープは

過去の研究を探した。

 

すべてのデーターを調べなおすと

シカゴ大学のウィリアム・ギル教授が

「子宮内でDESにさらされた男児では

 その結果 男性器の奇形が頻発した・・・」と結論していた。

奇形の程度が記述され その一つ一つが詳細に

感情を示さない科学的な口調で語られていた。

 

そこには のう胞や極端に小さい精巣 停留精巣

精巣がん 精子数の減少 半陰陽 小陰茎症などが含まれていた。

 

・・・略・・・

 

全体から見て すべての研究がDESの悪影響を

報告しているわけではないにせよ

悲惨な症状の報告がそこかしこに登場し

子供たちの一生を台無しにした例も見られた。

 

「さまざまな研究から 停留精巣や尿道の奇形が

頻発しているのははっきりしていた。

成人後に精子の数が少なく 精液の質が悪い傾向もあった。

つまり 予想していたすべての異常が実際に起きていたのだ」

と シャープは結論付けた。

 

「あまりにもデーターが揃いすぎて信じられない というのが

最初の反応だった」とシャープは回想する。

「普通なら 人間のデーターなどないし 

いうまでもなく人体実験など考えられない。

だが この場合 はからずも何百万人もの女性とその子供たちが

合成エストロゲンを投与されたという

この上なく不幸な出来事があった。

もちろん 仮説が重大な可能性を持っているとわかって

強いプレッシャーを感じたのも確かだ」

 

リチャード・シャープとニルス・スキャケベクは

エストロゲンがどのように男性の生殖に

影響を及ぼすかについてまとめた論文を

『ランセット』に発表する準備を開始した。

二人とも あらゆる事実が符合するとはいえ

これは仮説にすぎないと言う事をしっかり自覚していた。

 

「自分たちの考えを できる限り多くの人々の目で

詳細に吟味して欲しかった。多くの人が知れば

それだけ アイディアを与えてくれるかもしれないし

欠陥を指摘してくれるかもしれない。

 

たとえ 自分たちの考えが全くの誤りだと解ったとしても

残念には違いないが 誰かの指摘によって

結局は私たちの理解も深まるし

ともかくもみんなが前進することができる」とシャープは言う。

科学者達の厳しい審査を受ける機会は予想外に早く訪れた。

 

6 hours ago  /  4 notehttps://fancylady2012.tumblr.com/post/615250449290952704s  /  Source: ewca67v

 

 

 


DESにさらされた女性たちの間で 最も悲惨だったのは 癌にかかる確率の高さだった。

2020年04月12日 12時41分01秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

爆弾は十数年後に爆発する運命だった。

1970年 ボストンのビンセント記念病院のアーサー・ハーブスト教授は

わずか三年間にボストン周辺に住む7人の少女が

あいついで非常に珍しい膣癌にかかったこと知って驚愕した。

これは腺がん あるいは顕微鏡で見た細胞の様子から 明細胞腺がん呼ばれている。

この病院ではそれまで扱ったことのないほど珍しいがんだった。

 

それどころか 世界中の文献を調べても

たった三例しか載っていないほど ごく珍しいものだ。

患者である十代の少女たちは 異常出血のために病院へ送られてきた。

診断は彼女たちを打ちのめした。

助かるためには絶対手術が必要だった。

根治的子宮摘出手術で 子宮と膣をすべて取ってしまうので

子供が生めなくなり 膣の再建手術も必要だ。

 

何人かの少女は すでにがんが広がっていたため

放射線治療や化学療法 そしてより広範囲な手術が行われた。

腫瘍が原因の長い出血を医師が月経障害と取り違えたために

診断が遅れた症例も何件かあった。

癌が進行して手遅れになり 手術もできずに数か月後に死亡した少女もいた。

 

ハーブスト教授らは 珍しいがんの連続発生に当惑した。

教授の同僚のハワード・ウルフェダーは後に当時をこう回想している。

「必死になって原因を探したが 何も見つからなかった。

ところが 患者の一人の母親が 妊娠中に流産予防のために

DESを服用したことを思い出して・・・

念のために他の患者の母親たちにも訊いてみると

驚いたことに 何人かがDESを服用したとの事だった・・・」

まもなく7人の母親に 唯一共通する点がはっきりした。

妊娠中にDESを服用していたのだ。

 

1971年4月 アーサー・ハーブスト教授は

『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に

この恐るべき発見を報告した。

 

その後の数年間に DESが生まれてきた女の子たちに

大変影響を与えていたことが明らかになった。

子宮や膣や卵管がゆがんだり 奇形になっているために

妊娠できない例が多く見つかった。

奇形には子宮頚部や子宮体部の未成熟

各器官の変形 T字型子宮などがあった。

 

通常は子宮頚部の内部にある線組織が外部にある例もあった。

当然ながら 体内でDESにさらされた女性たちには

自然流産 子宮外妊娠 死産 早産など 生殖上の問題が多く見られた。

若い女性に 細胞の異常な変化で示される前がん状態である

子宮頚部や膣の異常が多発した。

 

だが DESにさらされた女性たちの間で 最も悲惨だったのは

癌にかかる確率の高さだった。

治療しても 再発率は20%にものぼった・・・

胎盤内ではなく 肺などに再発する症例もあった。

患者の多くは再発を繰り返して死亡した。

 

DESをはじめて合成したチャールズ・ドッズは

この事態を知って「ひどく狼狽した」とジェリンクはいう。

「悲しい話ですよ。そのころにはもう老人で

DESは彼にとっては最大の功績 若き日の栄光のすべてでしたから」

若い女性たちに 悲惨な結果を招いた事実が明らかになるにつれ

ドッズは熱心に情報を集めた。

間もなく彼はこの世を去った。

 

 https://www.pinterest.jp/pin/596515913133614805/


DESが最大の悲劇を生んだのは 妊婦への投与だった。

2020年04月11日 16時47分58秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

アニタ・ディレックスとエレン・ヘツフーンのDESに関する報告書によれば

FDAはこの薬剤を売り出す原動力になったという。

最初 FDAの役人たちは 製薬会社からの検査データーに満足しなかった。

個々の製薬会社から販売許可申請は却下され 今度は合同申請が行われた。

 

約18か月後 DESによる治療の成功率例5000件以上まとめた

大がかりな研究データーが FDAに報告された。

今度は FDAの役人たちはほんの数週間で提出されたデーターに納得し

DESの商用使用を認可した。

興味深い事に DESの認証にかかわったあるFDAの役人が

後にDESを製造した有力製薬会社の社長になった。

 

早くからエストロゲン療法の発がん性が警告されていたにもかかわらず

FDAはDESを承認した。

1930年代に フランス人化学者ラカッサーニュは エストロゲンが

オスのマウスに乳がんを誘発させることを立証した。

おそらく この発見に関する論文はフランス語で書かれていたために

あまり注目を集めなかったのだろう。

 

しかしながら 性ホルモンが癌と関連していることを示す手掛かりは

これだけではなかった。

卵巣を摘出した女性は エストロゲンにさらされる機会がなく

ほとんど乳がんにかからないことはすでに知られていた。

だが こういった初期の警告は FDAの決定には影響しなかったらしい。

今にして思えば 動物実験はほとんど行われなかったと思われる。

女性そのものがモルモットにされようとしていた。

悲劇は起こるべくして起こったのだ。

 

その後の10年間 この薬は大量に使用されている。

最初は 閉経期のエストロゲン値の低下を補い

更年期症状を和らげるために使われた。

つぎに 大量のエストロゲン投与が乳の分泌を抑えることや

避妊薬としての効果が発見された。

「性交後に服用するピル」だ。

乳がんや前立腺がんの治療にも使われた。

「驚異の薬」の現実離れした宣伝が広められた。

 

エストロゲンが成長を促進することから

いくつかの国々では 育毛トニックや

性力増強のための「セックス・ピル」にも使われた。

 

農業の分野でも その効果は絶大と信じられていた。

1950年代初期には DESを家畜の体内に埋め込んだり

飼料に混ぜたりして与えることで 家畜を早く太らせ

生産効率を上げることができるとされていた。

DESを与えた家畜の肉は固くなるという研究結果は無視された。

 

たしかにDESは動物を早く太らせることができ

1950年代初期から 70年代中期まで牧畜農業で使用された。

だが DESが最大の悲劇を生んだのは 妊婦への投与だった。

 

 

https://www.pinterest.jp/pin/436919601330882354/

https://www.pinterest.jp/pin/596515913133377541/


600万人もの妊婦と生まれてきた子供たちへの悲惨な人体実験だった。

2020年04月10日 15時52分03秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

DESの遺産

DESの例は 意図的ではないものの 

600万人もの妊婦と生まれてきた子供たちへの悲惨な人体実験だった。

とする意見もある。

彼らにとって このできごとは 十分な実験による裏付けのない

女性への薬物投与が招いた悲惨な結末のシンボルとなった。

また この悲劇は科学研究の進展の一過程であり

人間の無知と 学習や進歩のためにはいかなる危険をもいとわない姿勢とを

反映しているという人々もいる。

いずれにせよ DESという薬物の話は今世紀初めに幕を開けた。

 

1920年代 内分泌学と呼ばれるホルモンに関する学問は

まだ産声を上げたばかりだった。

卵巣や精巣などの器官が強力な分泌作用を持ち

それが発生 成長 性別など 健康のさまざまな面を

コントロールしているらしいことは認識されていた。

だが それが実際にどんなものであり どのように作用するかは誰も知らなかった。

これらの不思議な力を持つ有効成分を分離することさえできず

真相は長い間なぞのままだった。

 

そのころ いくつかの民間の研究所が

動物の生殖腺から抽出した画期的な新薬を開発したと大々的に宣伝した。

老化や不妊 不感症 妊娠中の問題 ありとあらゆる病気に

絶大な効果があるとのふれこみだった。

いうなれば 自然の法則に逆らう魔法の薬だ。

動物の卵巣組織からの抽出物に 脾臓や膵臓の組織からの抽出物と思われるものを

少量混ぜ合わせて物が「若さの妙薬」として宣伝された。

 

サルの精巣からの分泌物は 男性の精力剤とされた。

しっかりした化学的基盤によってホルモンを地道に研究する科学者たちにとって

あまりにも楽天的なペテン師達の大騒ぎは研究の進歩を妨げるものだった。

「不完全な研究結果と 夢物語のような仮説でこしらえたものがばらまかれ

きらびやかに変化する万華鏡さながらものがつくられている。

なんでもござれの万能薬とやらが出回っている。

このような神秘主義 ヒステリー 商業主義 軽信などが生んだ

制御不能の波のいきつく先は いったいどんな結末だろう?」

とロバート・フランク教授は 1922年に批判している。

 

結末は科学知識が進歩するにつれ ゆっくりとやってきた。

1920年代に「発情ホルモン」として知られていた女性ホルモンが

すべての哺乳類のメスによって分泌されることが明らかにされた。

これは卵巣から分泌され 卵子の生育を統制する。

だが 誰もそれを分離できなかった。

「理由の一つには その驚異的な強力さのためだった」

と初期のエストロゲン研究にかかわったハリー・ジェリンク教授は言う。

卵巣内のエストロゲンは ごく微量だ。

数ミリグラムのエストロゲンを抽出するとすれば

数十トンもの卵巣が必要だろう。

成分を分離するのは並大抵ではなかった。

当時の科学者たちは必死にそれに取り組んだ。

当時知られていた物質の中で エストロゲンは最も強力だった。」

 

・・・略・・・

 

ドッズ自身は DESがエストロゲンになりすますメカニズムの解明という

純粋に科学的な意味に価値を見出していた。

だが 他の人々は 商業的価値に興味を持っていた。

発見のニュースが外界へ広まると 

これで合成エストロゲンを治療に使えると誰もが考えた。

さらにドッズはいかにも英国人研究者らしく 特許を取ろうとしなかったので

誰もが彼の発見で金儲けすることが可能だった。

エストロゲン療法が有効とされる症状の数が

瞬く間に膨れ上がるようなありさまだった。

ドッズが『ネイチャー』に論文を発表してから二年もしないうちに

アメリカの医薬品規制を管理する食品医薬品局は

十指にあまる製薬会社からDESの販売許可を求められていた。

 

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