kouheiのへそ曲がり日記

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Ⅴ 世界の統一と神(1)

2022-02-14 16:58:14 | 日記
多種多様な魂が神の国に収斂することから、神とは存在の統一点に存することは間違いありません。
というより、存在の統一こそが神なのです。
ですが、それでは統一とはいったい何なのでしょう?

神としての統一を考えた場合、まず汎神論的概念が浮かび上がります。
この世のすべての事物に神が宿っているという思惟形式です。
この形式においては、世界の全事象が神の現れであるということですから、世界内諸存在の多様性が神の御名において止揚され、統一されます。
しかし、この神には人間の精神が経験するドラマチックな対向性――愛情と疎遠、敬虔と神の沈黙等々といった――が欠落しています。
したがってこの神は、言葉の厳正な意味において、宗教の神ではないと言えるでしょう。

宗教における神とは、さまざまな対向的ドラマを生き抜いてきた個々の魂が最終的に収斂する場ですから、それには相互作用の統一という概念が適切です。
この統一の概念によってのみ、宗教の神は顕現します。
なぜなら人間関係の相互作用の統一としての神こそが、諸個人に対向し、個人の外部に立ち、個人を超越しながらこれを包含するからです。

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