不死身のフジナミ！

主人公のフジナミは何を考えているか分からない変態で

いつ仲間に銃を向けるのか分からない

というのもひりつく関係という感じで緊張感を醸し出していました。


舞台は全編通して警察が出てきません。

そこが物語をどんどん過激にエスカレートしていきます。

女性もほとんど出なくて６巻中７コマくらいしか出てきません。

作者はあとがきで『くだらない漫画』を描きたかったと言っていますが

くだらないどころか、そこらの映画よりよっぽど面白かったです。


思えば

警察がいない、女が出てこない作品となると

登場人物に「他者からどう思われるか」という概念がなくなってしまうのかもしれません。


己の欲望のために人を殺し

己の主義のために人を守り

友のために純粋に涙を流したり

騙された憎しみの涙を流す暇も無く殺されたり


こんなギャグ漫画じみたハードボイルドは

大げさなフィクション漫画ですが

どこか社会の縮図が示されているようでした。