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スクラッチ木造帆船製作日記と映画、スタトレなどあれこれです。

シップ艤装の章の終わりが見えてきた

2005年06月24日 | 本日のあれこれ
 18世紀の艤装の精読も80ページ。あと20ページで、シップ艤装が終了して、各種の艤装(船の種類)についての項目が始まります。昔にLeesの艤装の本を精読した時は、英語の本を読むのも、帆船について書いた本を読むのも初めてだったので、右も左もわからず、ランダムハウスのような分厚い本が何冊にもなった和英辞典に載ってない単語があるということに面食らい、途方にくれたものです^^;
 本のテーマの「英国のシップ艤装の軍艦の艤装を1625年から1860年まで扱う」というものだったので、帆船を構成するロープ類や、帆が、どんな関係をもつのか理解するのに役立ちました。
 今回の本は、18世紀と言う期間限定で、シップに限らず、あらゆる艤装について解説してあるので、読む順番としては、正しいわけです。シップ艤装については、おさらいになるのですが、各国の艤装について解説しているので、興味は沸きます。ただ惜しいのは、スペインの艤装についてあまり触れられておらず、それは、スペイン船の艤装がフランスなどとほとんど差がないせいなのか、著者が、スペインの文献などにあまり接していないせいなのか判然としません。スペインは、確かに17世紀までに比べると見劣りするとは言いながらも、巨大な海洋勢力ですし、本書での引用が少ないところからしても、大陸の船でひとくくりにされている点からしても、触れるべき点がないというより、触れられていないと思っておいたほうがいいかもしれません。
 いずれにしても、帆船模型のキットの艤装と言うのは、相当省略してあって、正確性にも欠けるということがよくわかります。静索類はまだしも、動索に関しては、全く違うと思っても遠くない気がします。
 もっとも、キットの場合、船体の形状はともかく、細部の艤装品については、これまた正確とは言いがたく、プラモデルの考証のレベルから考えると、ロシアやポーランドのインジェクション・キットの遥か下を行きます^^;戦車模型で例えれば、ドイツの三号戦車と四号戦車の砲塔を同じ部品で流用しているようなレベルです。L型とかG型とかいうレベルじゃなく、車両自体が違うのに同じ部品でばっくれてるわけですね。すごく高いキットなのに、びっくりするほど考証に注意を払ってないのは、船の基本が船体形状にあるからなのかもしれません。艤装類は、再艤装の際に変わりますし、かなり流動的な上に、多少違ったところで印象はあまり変わらないからでしょう。
 スクラッチというと、すごく難しくて、キットだと簡単と言うイメージがありますが、帆船模型に関して言えば、スクラッチの方が、簡単かもしれません。必要に応じて、自作したくない部品は買えばいいわけですし、どうせ作るのに時間かかりますから、そのつど買って行くほうが出費も少なくて済むわけです。キット買ったところで、結局同じ手間と技術は要求されますしね。


 例によって散漫な文で、自分でも何が言いたいか判然としませんが、ディティールを省略するのも必要ですが、一方で正確なものを目指したくなるのも模型つくりですから、プラモデルの感覚は捨てて、ソリッドでもプランクオンフレームでも何でもいいから、スクラッチに踏み込んだほうが、結局は楽かもしれません。帆船模型は、艤装まで再現するばかりでもないので、興味に応じて、作りたくないところは省略できますし。費用的にも無駄は少ないですから。
 私の趣味としては、模型を作るより、帆船を理解するという欲求の方が強い感じなので、模型作る時間よりは、本読んだり図面見てる時間の方が遥かに長いわけですが、戦車などの場合は、模型の箱をあけて、触るだけでもかなり実物のイメージはつかめます。帆船模型では、模型の箱開けても木しかはいってないので、さっぱりつかめません。つかむ為には、図面を見るのが一番です。キットの図面は、馬鹿でかい紙なので、見るのも大変ですが、本の図面だと、見やすいので、結局本を見るのが一番になってしまうわけです。

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