こちらもANCRE社の本です。著者はブードリオ氏ではありませんが、同社のフランス海軍考証コレクションの一冊なので、図面と解説書のセットになっています。
これは、どちらかというとヒヤシンスを小ぶりにしたような本で、論文パートはほとんどなく、その大半が制作について書かれています。また、艤装図は含まれていません。著者はジェラード・デラクロワ氏の英訳版です。もしかすると、原語版では論文パートが付随して . . . 本文を読む
昨日は本が三冊も届いたので、工作そっちのけで、色々見ていました^^;
この本は、ブードリオ氏の著作を出版しているフランスのANCRE社のものを英訳した本です。内容は、ブードリオ氏の図面の中から数隻を選び、様々な制作テクニックを紹介するというものです。模型のクオリティはかなり高く、しかも、収録写真のほとんどがカラーですから、思わず見とれてしまいます。
ヒヤシンスも取り上げられていますが、 . . . 本文を読む
例によってドーバーの復刻シリーズです。これは、安くていい本が多いので助かります。この本もオリジナルは19世紀の本で、20世紀初頭に一度復刻されていますが、底本はスティールのもので18世紀末です。
艤装関係の本は、大きく分けて、帆船が現役だった時代の参考書か、20世紀の研究書の二系統ですが、参考書系も有名どころは復刻されるケースも多く、今でも現役の参考書として通用しています。
現代の研究書の . . . 本文を読む
二巻セットのフル・フレームモデルの製作解説書ですが、実質的に、18世紀後半の軍艦の船体構造の解説書にもなっています。説明は非常に論理的で分かりやすい文章で書かれており、理解しやすい内容です。船体回りすべてについて詳細に解説されているのが特徴で、その分、艤装については取り扱っていません。
扱っている題材は六等艦のスループ、スワン級ですが、解説されている技法は、何にでも応用できるものばかりです。
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ヒヤシンスも船体はほぼ目鼻が付いてきたので、そろそろ次の船を捜しています。一応、完全にスクラッチで、船体も作れたことなので、次は、もう少し上の段階を試してみたいところなのです。ヒヤシンスと同じ製作法で、タンブルホームのついた船に挑戦してみるか、フレーム構造の模型に挑戦してみるかといったところなのですが、フレームモデルの方で行ってみようという方に気持ちが傾いています。
そこで、大枚はたいて、上下 . . . 本文を読む
18世紀のリグとリギングでも盛んに引用されているFalconerの1815年版の復刻です。出版されたのは数年前ですが、このたびようやく購入しました。表紙は、御覧のように現代のものですが、中身は、いわゆる復刻ですので… . . . 本文を読む
18世紀のリグとリギングの精読もストックが心細くなってきました。作業のほうは、和船の項で停止しています。和船の項目の内容が、私が知っている程度の知識とさえ矛盾する部分があるので、調べ始めたら、戻ってこれなくなったのです(^。^;)
調べる手順を間違えたというか、日本語の帆船関係の書籍が極端に少ないという状況からの先入観で、和船の書籍を探ろうとせず、図版や模型をあたる方向に進んでしまいました。そ . . . 本文を読む
久々に本のご紹介ですが、今回は、変り種です。海洋冒険小説では、コクゾウ虫をたたき出してガチガチのパンを食べる描写が良く出てきますが、本書は、当時の英海軍では、どんな糧秣を食べていたのかを研究したものです。
船の本と言うわけではありませんので図版も余りありません。もっとも、どんな台所を使っていたかの説明のあたりで、ブローディー・ストーブの写真や、ギャレーの写真などがありますが・・。
巻末には、 . . . 本文を読む
今月出たばかりの新刊です。以前ご紹介したBuilding the wooden wall と扱っているテーマは同じですが、内容的に補完しあうので、興味深く読めました。
むこうはValliantでしたが、こちらの方はThundererの建造を追っていきながら解説しています。
向こうの本が、74門艦が英海軍に導入された経緯から設計、建造、就役、戦歴と、俯瞰的に74門艦の一生を扱っているのに対して . . . 本文を読む
早川版のオーブリー・シリーズの新刊が出ました。今回の乗艦は50門艦のHMSレパードです。さすがオブライエン。50門艦のように、現在の印象としては64門艦同様、中途半端で傍流の艦種と見られがちでありながら、その実、その特質を生かした任務についていた、知られざる名艦ともいえる艦種をもってくるとは。
例によって、詳細な船内風景の描写、航海、戦闘の描写が素晴らしいです。以前御紹介したThe 50 Gu . . . 本文を読む
博物館になっているチャタム・ドックヤードのキュレーターで、多数の著作のあるBraian Levery氏の手によるもので、1793-1815年に特化してはいますが、英海軍の全てを解説した本です。船についての部分も俯瞰的に詳述されており、他の専門書を持っていないひとなどには、この本を読むだけで、相当な知識が得られます。
もっとも、船舶に特化した著作のほうが詳しいのは言うまでもありませんが、この本の . . . 本文を読む
Jhon Mckay氏の大判図面が付録でついています。
50門艦は、いわゆるダメな艦という印象(私だけのものではなく、そうした記述はあちこちで見かけます)があります。戦列艦のように遅く、フリゲートのように軽武装(50門を軽武装というのもなんですが、74門艦など主力級の戦列艦に比べると話になりません)というのがその理由ですが、本書によると、それは誤った考えのようです。
実際は、旗艦設備を持った . . . 本文を読む
2005年の春号です。
巻頭特集は、ドックヤードモデルの光ファイバーを使った内部研究の紹介です。ドックヤードモデルですから、甲板や喫水以下などはプランクせず、中身が見えるようになっているとはいえ、ロワデッキなどは、プランクがあるわけですし、間引きしてあるとはいえ、かなり稠密なフレームの隙間からのぞくしかないので、内部の正確な様子はあまり見ることが出来ないわけです。表紙は、ロワデッキのコンパニオ . . . 本文を読む
1788年に200部ほど出版されたのみで、一切再版されなかったいわば幻の本なのです。ブードリオ氏の本の英訳本を出版している出版社から750部限定で再版されたものです。つまり、この220年ほどを通じて950冊しか存在しない勘定になります。1800年代のUSS Essexの設計も本書に影響を受けたそうです。著者が不明なのですが、個人使用のために船の図面を写し取っていて解雇されたドックヤードの従業員ま . . . 本文を読む
再版されるようです。この本は、チャタム・ドックヤードで建造された英国製の74門艦HMSヴァリアントの建造をそのプランニングから追いながら、進水、艤装、実戦配備まで、当時どのような人達がどのようなところでどんな作業をして、軍艦を建造していたかを描いています。
本書のタイトルWooden Wallsとは、英海軍のことで、英国は、木造の壁(海軍)によって難攻不落であるとの言葉から採っています。その7 . . . 本文を読む