長いご無沙汰です。まだまだ、色々忙しく、お約束していたような記事が書けないまま、時間だけが経過してしまいました。まだ、時間はかかると思いますが、気長にお待ちいただけると幸いです。
坂の上の雲の関係で、帆船時代の戦術に関して、基本的には、戦術がないような記述を散見します。中には、帆船の戦闘は、舷側と舷側を並べて戦うのが戦術であるような認識で書かれていたり、トラファルガーの戦闘では、敵の戦列を分断 . . . 本文を読む
狭い庭のことを「猫の額ほど」といいますね。猫自体小さな動物ですし、確かに猫の額は狭いので、見た通りの比喩でしょう。
英語でも、狭さの表現で「no room to swing a cat」(猫を振り回すゆとりもない)というのがあります。表現の面白さで印象に残っています。
日本語と英語で、狭いことを表すのに、同じ猫を使っているのも興味を惹かれますし、日本の表現が、説明を要さないほど見たままのに対 . . . 本文を読む
和船の項目で止まっている18世紀のリグとリギングの精読の関係で、あまり、興味のなかった和船について、幾つか本を読みました。手元の資料は、和船の構造や発達に関して書いたものだけだったので、和船全般について書かれているような書籍を探して見ました。日本の物について、こうした角度で何かを知りたい時、頼りになるのは、法政大学出版局の刊行している『ものと人間の文化史』のシリーズなので、調べて見たら、『和船Ⅰ . . . 本文を読む
艤装の方が、スクーナーの項目にさしかかりました。あまりうかうかしていると、貯金がなくなってしまうので、そろそろ、和船の項目にけりをつけて先に進む必要があります。
スクーナーと言うと、縦帆のすっきりした艤装と後方傾斜の強いマスト、それに早そうな流麗な船体で、非常に美しい船種の一つですが、トップスル・スクーナーは、フォアマストに一枚張る横帆が、全体の調和を著しく崩しているように見えてなりません。横 . . . 本文を読む
今までは、ほとんど読んだり見たりしたことから、自分なりの言葉で書いていたのですが、自分が良く理解し、知識を整理するために、資料の本を自分が読み下したものを覚書としてアップするものも含めるようにしました。どの本の文章なのかは明記してあります。翻訳に関しては、まったくの素人ですし、この種の本を読んでゆく過程で英語を習得したようなものなので、驚くような誤訳をしている可能性が非常に高いです。実際、最初に . . . 本文を読む
旗は、反物から作られますので、旗の大きさは、高さ方向を何反使用するかで表し、横方向の長さを、通常の長さの単位で表現することが通例です。反物の幅をブレス(breadth)といい、時代によって違いますが、1600年代ころには、概ね11インチ(28センチ)くらいでした。以降、もっと幅広の反物が作られるようになってからも、旗の大きさを計る単位としてのブレス(breadth)は、11インチということになり . . . 本文を読む
同じ帆船の戦いでも、エリザベス朝の海軍の戦闘は、後のナポレオン戦争のころより、かなり、砲の命中精度や射程に隔たりがあったようです。
当時の主力兵器カルバリン砲は、初速400メートル/secで射程500(水平状態)は軽く飛ぶそうです。初速は、それほどキャノンと変わりません。砲架もほぼ同じようなものだし、テクノロジー自体はあまり違わないように見えるのですが・・・。
途中から見たのでどの程度の砲か . . . 本文を読む
先にご紹介したOld ship figre-head and sternに収録されていた当時のイラストですが、かなり大型の装飾です。正面から見た目はまるで鬼瓦ですが、ヒゲがちゃんと生えているのがご愛嬌です。実際は、このヒゲはどのように再現されていたのでしょうか?
しかしキャットヘッド(碇を巻き上げるためのブーム、先端にライオンの彫刻が施されることが多くこの名前がある)が拳骨突き出した腕だという . . . 本文を読む
嘘みたいな船ですが、帝政ロシア海軍の戦艦で、実際に建造されました。写真上が、進水直前のノブゴロドです。馬鹿でかいプロペラが6基並んでいます。
いわゆるスクリュープロペラの形がまだ見つかって無い頃、1873年の建造です。
なに思ったのか、こんな馬鹿みたいな船を二隻も作ってしまったようです。
二隻目は、大型化しています。
直径30メートル、水面下に4mあまり沈んで、水面には50センチ(舷側ま . . . 本文を読む
合衆国海軍の外郭団体にU.S.NAVAL INSTITUTEという団体があります。
機関誌PROCEEDINGSを発行するほか、各種海洋書籍の発行取り継ぎ、講演会の開催などを行っています。
以前のブッシュ政権のとき、一括で会費を納入したら終身会員になれて、死ぬまでPROCEEDINGSを送ってくれるし、海洋書籍も会員割引価格で買えると言うので、終身会員になりました。最近は資金難を反映して、こ . . . 本文を読む
製作記事は大抵、いつごろ、どういう理由で、この船を作ろうと思ったかが書いてあるものです。
普通は、有名な研究書を読んだとか、博物館で、当時の模型を見た、とか、歴史上有名なので、とか書いてあるのですが、今日読んだ記事では、第二次大戦が終結した後、ロンドンの本屋で本を買った。それが平和になってはじめてしたことで、その本が、ある帆船の研究書だったそうです。いつか作ろうと思って、でも難しいので、ステッ . . . 本文を読む
文献などで、艦載砲の発射の手順や、編成、威力などを読んだことはありましたが、発射の様子を見たことはありませんでした。帆布のバッグに入れた黒色火薬を大砲に入れ、その前にワッド、砲弾ワッドと押し込んで、砲尾にある小さな穴(ベント)から針を突っ込んで火薬のバッグに穴をあけ、その小さな穴に黒色火薬を注いで、それに火をつけて発射するわけです。着火は、はじめは火縄を、後には火打石の火花を使います(銃と同じで . . . 本文を読む
なんでもようやく次の観測船の予算がついたのだそうです。
でも艦齢からいって、一年、観測船のない年ができるそうで、その年分の物資は、前年に二倍運んで対応するそうです。
考えて見れば、こうした時に空輸に頼れないのは、南極基地くらいかもしれませんね。
昭和基地も、ドーム富士も瑞穂基地も、かなり立派な恒久施設が建設されていますが、局地空輸専門の部隊もないし・・・。
一年くらい余計に今の白瀬使っ . . . 本文を読む
今日、グローバルスクーナーという本がきました。
スクーナーというのは、二本マストの縦帆艤装の軽快な船のことですが、この語源となると、諸説紛々のようです。
アメリカは、この語と艤装を発明したのはアメリカだと主張していて、この語が出来た逸話として、メリーランドのアンドリュー・ロビンソン船長の逸話を挙げています。
ロビンソン船長が、二本マストの縦帆船を発進させたところ、それが、普通の船より早く速 . . . 本文を読む
ボートの大まかな種類については、以前書きましたが、今日は、ボートの構造について、少し書きます。
まず、最近はFRPばかりになってほとんど見かけませんが、観光地などで貸しボートなどで、船体の板張りがオーバーラップして、ツルリとした外観をしていないものをご覧になったことはないでしょうか?
この張り方をクリンカービルド(鎧張り)といいます。FRP船体が一般的になるまで、ボートといえば、このクリンカ . . . 本文を読む