ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

また、振り出しに戻る旅。

2014年11月10日 | 自転車の旅 海外
のっぴきならない事情により、旅をいったん振り出しに戻す決断をしました。

これからサザンアルプスを越えて西海岸を南下するはずだったのですが、西海岸の週間予報がずっと先まで最悪だったり、天候事情にいちいち引っ掛かっていたら今の計画では進行が難しいことが気になっていたところに、ネルソンでのほんの小さなトラブルを契機に、
いっそ、振り出しに戻そう!
ということになったのです。

明日、クライストチャーチに帰ります。
クライストチャーチから再度、南回りで出発する予定です。

クライストチャーチから南回りは、始めてニュージーランドを自転車旅したときのコース。
初心に戻ってもう一度、巡ってみたいと思いました。
そのうち西海岸の天候も回復するでしょうから。

さて、
朝のうちに明日の長距離バスの手配を済ませたらやることがなくなってしまいました。


サニーネルソンはきょうも晴天。
猫と一緒にお茶でも。


暇なので猫相撲夏場所を観戦します。

お昼ごはんを食べに町に出ました。


街角のフリーWIFI。
お世話になってます!


おや教会ですね。
行ってみましょう。

教会というか、こちら側から見るとお城に見えるんですが、気のせいでしょうか。


裏に回ると確かに教会。
しかし、やっぱりなんか城みたい。

これは平山城、ですよ絶対に。

城山?を歩き回った印象は、小規模ながら近世西洋式城郭ではないかということ。

だって、段に削っていて、縄張りされていたり、
銃座?砲台?みたいな石積みの塀が至る所にあるんですから。


案内板発見。
やっぱり建造当初からお城みたいだ。


安土城か! ちなみに幕末期の建造です。


ほら、やっぱり城でした。
拡大したら案内板読めます。


天主から御城下町の眺め。
真ん中にメインストリート、階段は要塞式の段構えになっていました。正面の敵を迎え撃つ形です。左右には櫓、たぶん砲台、があります。
裏側は大聖堂、正面海側からみたら天守閣・天主閣だったんですねえ。

そんなネルソンは今は平和で粋な町。
文化教養人、芸術家が多く住む町です。

暖かくてのんびり住みやすい、鎌倉みたいな町でしょうか。


娘たちのお土産に、きれいな石のブレスレットを購入。


ふらりと入った本屋さんにて、なんと、ペダラーズパラダイスの最新版を発見!


これ一冊で旅ができる優れもの。
こんなの日本にはない。


明朝のネルソン撤退に向けて、


タイヤを外します。


チャチャッ、と分解して梱包。
あとは専用袋に入れとくだけ。

明日は、先日まで走った道をバスで7~8時間かけて戻っていきます。
なんだか、興味深い。

車だと、まったく違った印象になるんでしょうね。







続・ユースホステルに泊まってみよう!連泊編

2014年11月08日 | 自転車の旅 海外
ネルソン・ユースホステル(YHA Nelson)の続編です。


フロントには日によって日本人スタッフがいらっしゃって、安心です。
嬉しいWIFI無料!(速度は遅いです。夜は回線がパンクします)
街の中ですが静かで、治安はとてもいいです。
スーパーマーケットまで徒歩5分。徒歩5分圏内に自転車屋2軒、本屋数軒、アジアンフード・テイクアウト数軒。
バスセンター3分、総合観光案内センター(ℹ︎ site)5分。

立地は最高ですよね。

相部屋は30ドル前後、シングルは65ドル、ユースホステル会員割引(日本の会員証でいい)、チャリダー割引(自走のみ、折り畳み不可)あり。と、国際長距離チャリダーに優しい宿なのです。
今回はシングル2泊で90ドル弱(8千円くらい)でした。
ただし10年前なら円高物価安で半額くらいでしたが。

ここに泊まるのは5~6回目ですが、毎回日本人利用者に会います。日本人多いようで、さっきもキッチンから日本語の話し声が聞こえてきました。


ダイニングです。
ガーデンにも出ることができ、外のテーブルで日差しを浴びながら食事することもできます。右側奥には、写真には写ってないソファを備えたリビングもあります。


広くて清潔なキッチン!
宿泊客が自由に使えます。食器、鍋、電子レンジ、冷蔵庫、トースター、オーブン、なんでも自由に使えます。炊飯器まであり、設備はトップクラス。
これだけ清潔でクオリティの高いキッチンはなかなかありません。


コインランドリー 3ドル。8~10キロ洗いくらいのでっかい洗濯機です。
乾燥機は一回2ドル。電気ですけど200Vなのでパワーあります!


物干しスペース
黄色いフライシート(テント)の向こうに僕の洗濯物が…。


シャワー室。
各階に男女別に数箇所あります。お湯たっぷり。途中から冷たくなったりしません!


きょうは休輪日なのです。

二度寝して朝寝坊して、お昼前に朝昼兼用に冷麺を2人前作って食べ(あのキッチンで)、お茶をたくさん飲み、溜まった洗濯を済ませ(あのランドリーで)町を歩きに出かけました。


ネルソンの街角
明るい町です。


おおっ!


か、カッコイイ…


フード屋台「ミスター忍者」
日本人女性が経営するお弁当屋さんでした。
おやつに唐揚げ弁当(6ドル)を購入。


自転車用の手袋を購入しました。
上の黒いやつ。


こちらはオーストラリアのど真ん中アリススプリングスで買ったもの。
あれから1万何千キロも旅をして、もうボロボロで、クッションは破れて、指が二本入ったりします。
お疲れ様でした。


さて、明日からどうしようか?
来週一週間は、ずっと天候不順の予報。

このまま走り出したらサザンアルプス山間部のどこかの村で停滞することは避けられません。
テントは使わないつもりだけど、キャンプ場の小屋(キャビン)で一週間も閉じこもりなんて…。ずっとパンとチーズで耐え抜かなければなりません。

ここから二泊三日、タカカ山を越えて最北端のコリンウッドまで行き、そこで雨天休業「沈没」という案もあります。
コリンウッドは果てしなく干潟が広がる潮干狩り好きにはたまらない最北端の夢の町。
干潮のときに浜に出たら、アサリを踏まずに歩くことは不可能で、砂利だと思ったものが全部アサリというクレイジーぶり。もちろんタダです。
そんな無尽蔵なアサリを毎日三食、おやつもアサリ、主食もオカズもみんなアサリという食生活を一週間続けるというのも非常に、非常に!魅力的ではあります。

ボールペンの先あたりがアサリざくざく。



しかし、一週間だ…

戻ってくるのにさらに3日、天候が回復して再びネルソンに戻ってきたら11月20日くらいになりますから、それはそれで困ったもの。クイーンズタウンに辿り着けなくなってしまいます。

安全圏でサザンアルプスと西海岸の天候回復を待って一週間だらだら滞在沈没するか、

または…

幾分天気がマシな東海岸を、つまり来た道を南に向けて、最南端を目指して走り始める可能性大ってところです。

明日は日曜日だし、
ネルソン快適だし、交通の要衝だし。
何を選択するにせよ安全圏だし!

もう一日、連泊しようかな。
とも思ってたりします。








ユースホステルに泊まってみよう!

2014年11月07日 | 自転車の旅 海外
いまニュージーランド南島は季節外れの寒波襲来で寒いのであります。

チャリダーといえば短パンですが、
正直、厳しいッス


今朝は道端に雹(ひょう)が積もっておりました。


きょうの昼メシです。
パンはちゃんとトーストしてきました。
チューブに入った練乳かけて食べます。副食にビスケット。
面倒なときはビスケットと水だけ、ということも珍しくありません。


ネルソン!


看板がイイ!


独房。じゃない。
ネルソンではユースホステルに泊まります。
シングルは3畳一間。キッチンやシャワーは共同です。いろんな国の人がいます。


安くて助かる!


ところで、来週はずっと天気予報が最悪なんです。
旅の作戦変更かも。
まあ、焦っても仕方ないです。お天道さまだけは、どうにもならないですからね。




北へ行く道 - MAIN NORTH RD -

2014年11月05日 | 自転車の旅 海外

北へ向かう道は南太平洋を右側に眺めながらひたすら走り続ける。
この道は、国道1号線。土地の人からは、北へ行く道。MAIN NORTH RD、または略してメインロードと呼ばれている。

いかにも開拓魂な感じがグッとくる名だ。

いい。
こういう感じ、すごくいい。

かつて開拓民が、幌馬車仕立てて通った道だ。
パブから、次のパブへ、
その時代の名残りを色濃く残したパブが、今でも田舎の村ではごく当たり前に営業していたりする。

さて、チャリダーは、その道をひたすら北へ走り続ける。
単純で、ひたすら長い。

こうなってくると風向き次第でその日の運が決まってくる。
10月下旬から11月にかけては南島はまさに春から初夏へと季節が変わっていく最中だけに、暖かい北風が吹きやすい。
それは北に向かうチャリダーにとっては悪夢の向かい風を意味するけれど、そうそう北風ばかり吹くわけもないので天気予報を注意深くチェックしながら運を切り拓いていくのだ。

カイコウラまでは概ね向かい風だった。


ところで、ニュージーランド南島は写真のような形をしている。
ボールペンの先あたりがスタートの町クライストチャーチ。南島を日本の本州に例えると、仙台がクライストチャーチで、僕は太平洋に沿って北上していて、カイコウラは気仙沼あたりになる。
カイコウラも気仙沼も魚の美味い町だ。

ちなみにカイコウラとは、アイヌ語で「海老を食う処」という意味だという。
あ、失礼、先住民族マオリの言葉だ。
両者は妙に魂の通づるところがあるような気がする。


だから僕もお言葉にあやかり海老を食う。
カイコウラの南20kmほどのところにあるオアロという漁村の民宿に4泊ほど逗留して海老を食い、本をたくさん読んだ。


民宿の目の前は海岸で、目の前でオットセイ(fur seal)が日向ぼっこをしている。
遥か沖に目をこらすと、イルカが泳いでいるのだ。

ここの奥さんは日本人で、僕が泊まると本をたくさん差し入れて下さり、何処からともなく伊勢エビを仕入れてきてくれる。
僕は海の見える部屋で朝から夕方まで本を読み、ときどき波打ち際を散歩し、腹が減ったら海老を部屋の台所で料理して、丸ごと食う。
ここでは海老を喰わなければマオリの神様に申し訳ないではないか。というわけなので、これでいいのだ。


伊勢エビとは微妙に種類が違うらしいけど、何がどう違うのかさっぱりわからない。ここではクレイと呼ばれている。

もちろん美味しい。繊細な甘みがある。
いつも思うことだけど、北海道に置いてきた僕の奥さんに食べさせてあげたい。
僕の奥さんは贅沢をしない人で、贅沢してもせいぜい回転寿司くらい。洋服はイオンで買い、宝飾品ブランド品を持たず、カフェのランチで大喜びする慎ましい女性だ。

いつかきっと連れてきてやろう。自転車以外で。
娘たちは放っておいていい。来たければそのうち自分で来るだろう。


みなさん、漁師さんを見かけたら、こう叫ぼう。
「クレイ売って、くれい!」

ありがとうございました。




カイコウラを出発してもメイン・ノースロードはまだまだ海岸をひたすら走り続ける。

カイコウラのオアロ集落から塩田のあるワード村まで100km以上、途中にはカイコウラの町のほかには宿泊できるようなところはなく、あってもキャンプグラウンド(キャンプ簡易施設)程度。ひたすら向かい風と闘い、あえぎあえぎ105kmを漕ぎきってワード村に辿り着いた。
80kmを越えたあたりからはフラフラで、愚痴る元気も残っていなかった。


変わった羊だなと思ったらアルパカ

このあたりから風向きが変わり出した。
季節外れの寒気の流入で風向きが南寄りになったのだ。ここは南半球なので南極海で冷やされた南風はとびきり冷たくて南島の脊梁山脈に雪を降らせる。
平野では雪といわないまでも小雨が降りやすくなるので時折、レインウェアの世話になった。

ところでチャリダーの昼飯休憩というのはどんなものだろうか。
僕の場合は、ちょうど良い公園や海岸があればそこにするけれど、そうそうぴったりな場所があるわけではないので、写真のように道端に自転車を引っ掛けて休んだりする。


このときは牧場のゲートに自転車を立て掛けて草にどかっと座って白いままの食パンと水、という昼飯だった。
まあ、そんなもの。


ブレナムまでの道は、南島を本州に例えるならば三陸沿岸部にあたり、ブレナムは八戸にあたる。
ブレナムは八戸と同じようにこの辺りでは一番大きな町で北島に向かうフェリーのピクトン港にも近い。バスや鉄道の分岐点でもあり交通の要衝になっている。
久しぶりにスーパーマーケットに立ち寄って嬉しくて仕方がない。
ブレナムでついにメイン・ノースロードに別れを告げた。ずっと北を目指していた僕は、ここから西へと進路を変える。
そして、僕はいま青森(ネルソン)の少し手前にいる。

前述の地図でいうとマジックペンの先あたり、ハブロックという漁村で、ここはフィヨルドの入り江でのムール貝や牡蠣の養殖が盛んなことで有名なのだ。

ムール貝!


早速、部屋を手配した。まだ昼なので空き部屋は簡単に見つかった。


よしよしキッチンもあるぞ。


ムール貝を買ってきた。
鍋いっぱい、これだけで400円くらい。


蒸しあがった。


お腹いっぱい食うう!

旅は、まだまだ続くのだ。