アッシュバートン − ティマル − ワイマテ − オアマル
カンタベリー平野南部 − オタゴ北部
引き続き、カンタベリー平野を走っている。
天気は回復して暖かさが戻ってきた。
朝晩は冷えるが、昼間は15度前後まであがるようになった。
ダラダラと汗も流れないし、良い塩梅だ。
概ね平坦な道が続いたが、それはティマルの町で突然覆される。
ティマルの市街地を抜けるまでの間は平坦な場所などない。登っては下りの繰り返し。6回くらいある。丘の町美瑛の、美瑛ー美馬牛間よりも激しいじゃないか。
ずっと平らだったのに、
なんでまた、わざわざ…と愚痴っぽくなる。
わざわざ坂だらけの場所に街を建設したのには、当時きっと、それだけの理由があったのだろう。
それにしても、堪える。
ティマルでは格安なモーテルに泊まった。
国道沿いのそのモーテルは古びてはいるが、スーパーは近いし今どき6000円くらいでバストイレ・キッチン付きのワンルームに泊まれるので僕の定宿なのだ。
スーパーが近いのはポイント高い。
その夜のことである。
食事を終えてベッドにあぐらをかいて地図などの資料を英語に苦労しながら読んでいたら、突然、合鍵を使って若い白人女性が部屋に入ろうとしてきた。
びっくり‼️
「おーまいが。いっつ マイルームひあ!」
もう必死だ。
押しとどめてお帰りいただいたけど、いったい何だったんだろう⁉️
さて。
ティマルの次の主要な町はオアマルだが、その90kmほどの中間地点には
「ワイマテ」WAIMATE
という町がある。
国道1号から8キロほど内陸にあるこの町は、
道ゆく殆どのドライバーは無視して通り過ぎてゆく。存在すら知らぬ地元民もいるかもしれない。
おい、そこの車!
待て待て。
待てい!
ワイマテ。ワイ、マテ。
わい、待てい!
関西弁か!
その名が示すとおり、この町は主張が強いのだ。
国道の至るところに「ワイマテ寄ってけ」な看板があり、無視されぬよう、通り過ぎぬよう、我々に語りかけるのだ。
ま、
99.999パーセントのドライバーは、無視して通過していくわけだ。
しかし、チャリダーは速度が遅い。
遅いが故に、この手の主張がどっしりのしかかってくる。
「いやもう、わかったけん。行くけん行くけん。」
こうして今回もまた、予定外の無用な寄り道が増えて行くのだった。
ワイマテは1950年代で時が止まったような、素敵な町だ。
馬が、歩いていてもおかしくはない。
また周辺の風景は、美瑛にそっくりで
旅してる気がしない。
結構好きな町だけど、残念なこともあった。
定宿にしていた宿のオーナーが変わっていたのだ。
おまけに値上がりだ。
女性オーナーらしくシュッとしたスタイリッシュな印象になっていたけど、なんか寂しい。
東日本大震災があった年に立ち寄ったとき、旧オーナーのジョン親父は、
「お前、死んだかと思ったぞ!」と、再訪をたいそう喜んでくれたのだ。
あのニュースは親父には、全日本瀕死の印象に思えたのかもしれない。
まあ実際、そうなった可能性は高かったけど。
オーナーが変わるのは、この国ではよくあることだ。仕方ない。
ワイマテと国道の位置関係は、
二等辺三角形。
6キロだけ、余計に走ることになるけれど、
ティマル−オアマル間の走行中に、
雨や向かい風など悪条件に遭ってしまったら、
騙されたと思って立ち寄るといいだろう。
なにもない、いい町だ。
ワイタキ河を越える。
テカポ湖の水も、まもなく海に至る。
ついにカンタベリー平野が終わり、
オタゴ地方に入った。
さて。
いまこの原稿は、オアマルの町で書いている。
町の中心に近いキャンプ場「ホリデーTOP10」に滞在しているが、
なんだかなあ。
イマイチだな。
また、天気もイマイチだ。
風はさらに強くなってきた。
肌触りが変わり、みるみる薄雲が広がってきた。
飲もう。
不思議な気分だ。
含むと、瞬時に日本のどこかの地方都市のホテルの二階あたりにあるラウンジにひとりでいるような錯覚を覚えるぞ。
今夜は雨だろうか?
朝には止んでくれたらいいのだけど。
カンタベリー平野南部 − オタゴ北部
引き続き、カンタベリー平野を走っている。
天気は回復して暖かさが戻ってきた。
朝晩は冷えるが、昼間は15度前後まであがるようになった。
ダラダラと汗も流れないし、良い塩梅だ。
概ね平坦な道が続いたが、それはティマルの町で突然覆される。
ティマルの市街地を抜けるまでの間は平坦な場所などない。登っては下りの繰り返し。6回くらいある。丘の町美瑛の、美瑛ー美馬牛間よりも激しいじゃないか。
ずっと平らだったのに、
なんでまた、わざわざ…と愚痴っぽくなる。
わざわざ坂だらけの場所に街を建設したのには、当時きっと、それだけの理由があったのだろう。
それにしても、堪える。
ティマルでは格安なモーテルに泊まった。
国道沿いのそのモーテルは古びてはいるが、スーパーは近いし今どき6000円くらいでバストイレ・キッチン付きのワンルームに泊まれるので僕の定宿なのだ。
スーパーが近いのはポイント高い。
その夜のことである。
食事を終えてベッドにあぐらをかいて地図などの資料を英語に苦労しながら読んでいたら、突然、合鍵を使って若い白人女性が部屋に入ろうとしてきた。
びっくり‼️
「おーまいが。いっつ マイルームひあ!」
もう必死だ。
押しとどめてお帰りいただいたけど、いったい何だったんだろう⁉️
さて。
ティマルの次の主要な町はオアマルだが、その90kmほどの中間地点には
「ワイマテ」WAIMATE
という町がある。
国道1号から8キロほど内陸にあるこの町は、
道ゆく殆どのドライバーは無視して通り過ぎてゆく。存在すら知らぬ地元民もいるかもしれない。
おい、そこの車!
待て待て。
待てい!
ワイマテ。ワイ、マテ。
わい、待てい!
関西弁か!
その名が示すとおり、この町は主張が強いのだ。
国道の至るところに「ワイマテ寄ってけ」な看板があり、無視されぬよう、通り過ぎぬよう、我々に語りかけるのだ。
ま、
99.999パーセントのドライバーは、無視して通過していくわけだ。
しかし、チャリダーは速度が遅い。
遅いが故に、この手の主張がどっしりのしかかってくる。
「いやもう、わかったけん。行くけん行くけん。」
こうして今回もまた、予定外の無用な寄り道が増えて行くのだった。
ワイマテは1950年代で時が止まったような、素敵な町だ。
馬が、歩いていてもおかしくはない。
また周辺の風景は、美瑛にそっくりで
旅してる気がしない。
結構好きな町だけど、残念なこともあった。
定宿にしていた宿のオーナーが変わっていたのだ。
おまけに値上がりだ。
女性オーナーらしくシュッとしたスタイリッシュな印象になっていたけど、なんか寂しい。
東日本大震災があった年に立ち寄ったとき、旧オーナーのジョン親父は、
「お前、死んだかと思ったぞ!」と、再訪をたいそう喜んでくれたのだ。
あのニュースは親父には、全日本瀕死の印象に思えたのかもしれない。
まあ実際、そうなった可能性は高かったけど。
オーナーが変わるのは、この国ではよくあることだ。仕方ない。
ワイマテと国道の位置関係は、
二等辺三角形。
6キロだけ、余計に走ることになるけれど、
ティマル−オアマル間の走行中に、
雨や向かい風など悪条件に遭ってしまったら、
騙されたと思って立ち寄るといいだろう。
なにもない、いい町だ。
ワイタキ河を越える。
テカポ湖の水も、まもなく海に至る。
ついにカンタベリー平野が終わり、
オタゴ地方に入った。
さて。
いまこの原稿は、オアマルの町で書いている。
町の中心に近いキャンプ場「ホリデーTOP10」に滞在しているが、
なんだかなあ。
イマイチだな。
また、天気もイマイチだ。
風はさらに強くなってきた。
肌触りが変わり、みるみる薄雲が広がってきた。
飲もう。
不思議な気分だ。
含むと、瞬時に日本のどこかの地方都市のホテルの二階あたりにあるラウンジにひとりでいるような錯覚を覚えるぞ。
今夜は雨だろうか?
朝には止んでくれたらいいのだけど。