ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

大雪山系の原生林を歩いてみたら

2023年01月27日 | バックカントリーとパウダースノー
大大大大大寒波が過ぎ去り、
(美瑛は何ともなかったんですけどね…)
山々も落ち着いたようなので、
山歩きに行ってきました。

今週末からは3月までバックカントリーツアーの日程がびっしり詰まっているので、たぶん今シーズン最後のひとり歩きです。
とは言っても、週末のツアーの下見を兼ねていますけどね。

ここ5年ほど足が遠のいていた森。
いわゆる滑り系バックカントリースキーの対象にならないので誰も人に会わず、いや、むしろエゾシカとかクマゲラにめっちゃ遭遇する、
(冬眠中だけどヒグマもいる、たぶん)
いやもう、地味でリアルな
「さわやか自然百景」みたいな場所。
一人歩き好きにはたまりません。


大シカの足跡を追う


お宝発見
黒い物体は高級漢方薬カバノアナタケ


あちこちに作品を…
ハクション大魔王のつもり


残して歩く…
バイキンマンのつもり


巨木の跡
バベルの塔みたいだ
見たことないけど


あれ?ここどこ?
GPSは持たないので勘が頼り

ともかく静寂。
人の気配ゼロ。
無音。たまに木々から雪がザーッと落ちてくる音だけ。

ふと気づくと、
森の奥から太鼓?のような音がするんですよ。

ドンドンドンドン
ドンドンドンドン

正確な一定のテンポを刻んで、
ドラム?

確かに聞こえるんです。

え?
何?何?
やばくない?

耳を澄ませます。


自分の心臓の鼓動でした。

深くて粘り気のある雪をこぎながら、ずーっと歩いてきたので、少し力強い鼓動になっていたのでした。

静かすぎる。

でっかい大シカがのそのそ歩いていました。

大雪山系の深いところにある原生林、
5年ぶりに来てみると植生が変化しており、
違う所に迷い込んだような気がしました。

GPSを持たずとも、ピタッと狙いどおりの場所にたどり着く名人芸を持っているんですけど、きょうは50mくらい誤差が…。
まだまだ日々精進しなきゃいけないな、って思いました。