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 五つの世界遺産を一望できる。そんな場所が奈良県王寺町にある。明神山(みょうじんやま)という大阪府境の標高273・6メートルの山だ。

 11月下旬、ふもとの駐車場で王寺町の文化財学芸員の岡島永昌(えいしょう)さん(45)と待ち合わせた。舗装された登山道を40分ほど歩くと、頂上に着いた。

 山頂には三つの展望デッキが置かれている。まずは大阪平野の高層ビル群を望む西側へ。大阪湾と市街地の間にポツポツと小高い山が見える。これらが百舌鳥・古市古墳群だ。「古墳と海の距離が意外に近いと思いませんか。近くを航行する船からの眺めを意識して造ったのがよくわかります」と岡島さん。

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 今年7月の古墳群の世界遺産登録にあわせ、王寺町は「五つの世界遺産ビュー」と銘打った観光パンフレットを作った。

 続いて、北東の展望デッキに向かう。ふもとに目をやると、法隆寺五重塔が見えた。国内第1号の世界遺産だ。その先に東大寺春日大社など古都奈良の文化財の寺社が確認できた。

 残る世界遺産は二つ。「あれが延暦寺がある比叡山です」。岡島さんが示す先に、かすかに山が見えた。たしかに延暦寺は古都京都の文化財の一つだ。

 最後に南東側のデッキへ。古代に都が置かれた飛鳥・藤原地域が望める。そのはるか南に1500メートル以上の山が連なる大峰山脈が見えた。紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道の構成資産だ。ただ、比叡山や大峰山脈の眺めは遠く、世界遺産ビューというには少し強引では。「あくまでここは世界遺産の入り口。興味を持った人は改めて現地に行けばいいんです」と岡島さん。

 実は近い将来、明神山から六つ目の世界遺産が見られるようになるかもしれない。奈良県が飛鳥・藤原地域の世界遺産登録をめざしているのだ。岡島さんはすでに「六つの世界遺産ビュー」という観光パンフレットを考え始めている。(田中祐也

     ◇

 明神山 大和(奈良)と河内(大阪)を結ぶ送迎(ひるめ)道という街道が通っていた。江戸時代には山頂に「送迎太神宮」という神社が建てられ、おかげ参りの参拝者でにぎわったという。

 デッキには愛を誓う「悠久の鐘」があり、今年、プロポーズにふさわしい「恋人の聖地」に指定された。

 JR・近鉄王寺駅からバスで「明神4丁目」下車。山頂までは徒歩約40分。駐車場あり。問い合わせは王寺町観光協会(0745・33・6668)。