映画でお喋り♪猫とひなたぼっこ

もと映画少女の”猫”のお喋りです♪

『 歩いても 歩いても 』

2008年10月22日 | 映画感想(日本)
大きな事件が 起こるわけでもない・・・・・
ある 家庭の 夏の一日が描かれているだけである。

結婚したヒトならほとんどのヒトが 経験する
お里帰り の一日
ただ・・それだけなのに
どうしてこんなに胸に染み入ってしまうのだろう・・・?


この映画は 樹木希林の存在無くては 成り立たなかったと思う。
他の役者さんも 見事だけれど
樹木希林が いるからこそ 成り立たった映画だと思う。


何度か 笑い 何度か 涙が出た
” 逆縁 ” のつらさ 哀しさ 不条理さ
無くした命の 重さ。 生きている 命の重さ。
人と人とで
 「 人間の価値 」 の違いはあるのか・・・・?!


” あいつが生きていて なぜ俺の息子が死んだんだ・・・・ ”

” 年に一度くらい 覚えていて欲しいのよ ”
” 年に一度くらい 胸が痛んで欲しいのよ ”
 
     優しい おばあちゃんの 心の中の 鬼が言う・・・

   そうだよ。
   そのときは つらいけれど 所詮 他人だもの
   ほとんどの時間は 自分の人生を 生きるのに精一杯だもの。
   時と共に
   自分の替わりに 死んでしまった人の 家族のことまで
   思いやる時間は なくなるもの。
   彼が 悪いんじゃない
   きっとそれは 普通のこと・・・


言ってはいけない一言だけれど
家族の中だけでなら 
きっと 許される 言葉
そんなこと 言っちゃダメよ・・ ってたしなめながらも
その言葉を 発してしまう 心の痛みは すごくわかる・・・
家族だから こそ・・・・・

家族って あったかい。
けれど 
めんどくさくって 時々 うっとおしい。
それでも 縁は つながっていく・・・


最後
良太 との間に コドモが生まれていて よかったな・・と思った
あの老夫婦は きっと 心配しながらも
その事を コドモの両親の次に 喜んだに違いない



  2008.08.17  「歩いても 歩いても」  名演小劇場にて鑑賞  ★★★★☆


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ずいぶん (冴子)
2008-10-22 18:18:46
遅いコメントでしたね。
でも私もこの夏一番好きだった作品です。

かっこいいモデルというだけだった阿部寛さんが、つかこうへいさんにこんなにもいい俳優さんに育ててもらったのかと思うと、つかさんに感謝したい気持。

樹木さんの一言ひとこと、すごく胸にしみました。
よくわかりますよ~思ってること。

出来のいい兄貴と平凡な弟、親の目から見たらきっと何にも変わらない息子なのに、息子はきっとコンプレックスをいっぱい抱えて生きてきたんだろうな~と思いました。

兄が死んだことを決して忘れられない母を、わかってやれるのは彼だけなんじゃないか、と思ったりしました。
返信する
やっと心の余裕ができたのです(一瞬かも?苦笑) ()
2008-10-24 13:00:22
>阿部くん
メンズノンノモデル第1号でしたっけ?
私は TRICK のイメージが強くて
どちらかというと 濃すぎて 苦手な俳優さんでした。
つかさんに 育てて貰ったとは 知りませんでした。
こういう役が増えると いいですね。

>親の目からみたら・・
母親の目からみたら・・でしょうね。
父親は ちょっと 欲目が あったように思うから(笑)
私自身は 同性の兄弟がいないので
そういう心理は わからないのだけれど
男二人(しかもトシが近い場合)兄弟の
複雑な心理的関係の話は よく聞きます。
そこそこの コンプレックスを持っている人間の方が
私は好きですけど・・

>決して忘れられない母
確かに 決して忘れられないのは
「お母さん」だろうな・・と思います。
家族 皆 それぞれの思いはあるだろうけれど・・
弟は
亡くなった兄の分まで
がんばろうと するでしょうから
彼も 気の毒だな・・ なんて 思いました。

「逆縁」は 本当に 痛いです。
返信する

コメントを投稿