詩集情熱のかけら

時を越えて言葉のリズムが淡い旋律とともによみがえってくる。
この胸の嘆きを、しがない詩編に託したい。

達   磨

2011年09月23日 | 日記

    起き上がる

    起き上がる

      どん底に 落ちたとて

      たとえ夢に破れても

      ただ、生きる希望は

      消えやせぬ

 

      つかれても

      けられても

      毬のように

      跳ね返り

 

      投げられても

      落とされても

      猫が宙に浮くように

      達磨は常に

      起き上がる

   そして自ら

   悟りの道を

   切り開く


哀   愁

2011年09月19日 | 日記

             コオロギのなく
          青い月夜の秋の晩
          そい寝の君に
          キスをした

             君はかすかに
             瞳を開けて
             大地の歌を聴いている
             遠い向こうの街灯り
             波間に浮かぶ小舟達の
             薄明かりと、大きな月の
             光がマッチして
             南国情緒をかもし出す。

          星が降る
          星が降る
          夢のような
          甘い夜

             潮風にのって
             流れ来るギターの音色
             口笛の音
             星をあおぐ
             若い二人のひととき
             ああ、心地よい
             南国の夜風が


ら し さ

2011年09月11日 | 日記

               街はずれの喫茶店の
               曲がり角を抜けると
             教訓、という巻風が
             わき起こる。

      男は男らしく、
      女は女らしく、
      学生は学生らしく、
      教師は教師らしく、
      父は父らしく、
      母は母らしく、
      子供は子供らしく、

            今、日本人が失いかけている
            大和の心を取り戻すために
            みんな未来に向かって
            歩いて行く。


ラ イ バ ル

2011年09月11日 | 日記

  お前達は知らないだろう
  俺の、俺の生き様を
  たとえ、北風に逆らって歩いてみても
  流れる水は止まらない

  今、輝く時、山を登らねば
  肉体の老化が進むだけだ

  今、あいつと戦ってみたい

  苦しみがなんだって言うんだ
  幸せがなんだって言うんだ
  失うものは何もない

  どうせ人生死ぬまで
  冒険なんだから
  今ここで戦いに敗れたからとて
  けっして後悔などしない
  人生の土壇場に
  起死回生の
  どんでん返しをやる意義に
  大きな拍手をおくりたい。

  ためらいも、失敗も、次へのステップなのさ
  いつか俺だって
  そんな甘い言葉に誘われて
  不安と期待を胸に生きていくのだ
  さながら雑草のごとく




旅   路

2011年09月11日 | 日記

        幾たびか
        山を越えてきたことが

      歌をたよりに
      ロマンを胸に
      手には汗をにじませて
      日毎に夢を語りつつ

    春にすみれの咲くごとく
    恋の甘きに酔いしれて

    夏に灼熱の陽射しを浴びて
    幾多の試練に立ち向かう

    秋の祭りに入り混じり
    心のうさを晴らすとき
    故郷の歌が懐かしい

    冬にあなたのぬくもり抱いて
    鋭利な風に向かって歩く

  でも今の僕には何もない
  すべて夢のロマンスなのです。


果   報

2011年09月11日 | 日記

   この世に君がいればこそ
   巡り逢える
   その日を信じて
   今日まで誠実に
   生きてきた。

   この世に君がいればこそ
   あらゆる苦難に
   打ち耐えて
   歩く勇気も
   湧いてくる。

   ああ、今君が近付いて来る
   気配がして
   胸が、はせる思いである。


誕 生 日

2011年09月11日 | 日記

    愛する母よ!
    故郷を遠く離れて
    暮らしていても
    一日とて
    あなたの事を
    忘れたことはない。

   夜毎、枕もとで
   やさしく呼びかける
   その言葉は
   いつも生への
   闘士をかきたてる。

   あなたはいつも
   僕の誕生日の度に
   心の鏡を送ってくれる。
   これで、もう二六個になりました
   大切に保存して
   朝な夕なに
   自分を写して
   今日まで無事に
   生きてきました。

 僕はまだ半人前
 母はきっと
 僕が一人前になるまで
 鏡を送り続けるでしょう。