詩集情熱のかけら

時を越えて言葉のリズムが淡い旋律とともによみがえってくる。
この胸の嘆きを、しがない詩編に託したい。

目  次

2014年12月28日 | 日記

                

                 詩集情熱のかけら 

               

                       目     次

                         1     年   輪

               2  誕生日

               3  果 報

               4  旅 路

               5  ライバル

               6  らしさ

               7  哀 愁

               8  達 磨

               9  想い出

              10  日陰に咲く花たち

              11  再 会

              12  デイゴの嘆き

              13  出逢い

              14  結 婚

              15  春の兆し

              16  春の光景

              17  五 月

                         18     作 詞

 


年  輪

2014年12月27日 | 日記

    ガジュマルの
    ガジュマルの大木

    ものも言わず
    ものも言わず
    万年の苦難に 打ち耐えて
    斑色に幹が変色している。

    枝という枝は
    台風に、へし折られて
    幹の中枢に
    ぽっかりと
    大きな穴が空いている。

  それでも
  ガジュマルは
  大地に、がっちりとへばり、
  青空へ
  さんさんと輝く

  ガジュマルの
  ガジュマルの大木

  どーんと構えた
  底知れぬ太っ腹
  苦汁を飲まされても
  じっと耐えて
  顔で笑っているだけ、
  その容量の深さに
  感嘆する。

  ガジュマルの
  ガジュマルの大木


帆を翳せ

2014年08月31日 | 日記

俺たちは自由だ!

大きな船に乗ろうと、

小さな船に乗ろうと、

右へ左へ、

西へ東へ、

北から南へ、

上から下へ、

世界どこでも自由に行ける。

余分なものなど何もいらない。

わかりやすい言葉で

わかりやすい歌を

口ずさみながら

心だけは裕福に

思いやりと助け合い

いつまでも いつまでも

命の尊さを忘れずに

他人の痛みがわかる空域を求めて

自然の恵みをさずかりながら

 感謝、喜び、勇気を持って

歩いて行こう

夕日の向こうには

探し求めた平和な島があるとかや


空にいった姉

2014年01月30日 | 日記

碧の中で幾重にもアーチを映しながら

流れていく白い雲

「苦しみの中にも幸せは存在する

常に夢を抱いていれば

いつか花咲く時がくる」と

姉は口癖に言っていた。

空は青いと言うけれど

灰色の空だって又空なのか

白雲のむこうには

姉の嫁った町がある。 

 

 故郷のデイゴの花を後にして

内地へ嫁いでいった姉

だが、幸せもつかのま

うまれつきの、病いに倒れ

若くしてこの世を去った姉

かわいそうな

かわいそうな姉 

 あの雲に  あの雲に

いくら叫んでみても

花咲く春はやってこない。

 

あの雲に あの雲に

いくら叫んでみても

姉はかえってこない。

 

 


葛 藤

2014年01月01日 | 日記

とある夜に二人は燃えた。

切なく、

激しく、

何もかも  かなぐりすてて

ただ、ひたすら抱擁した

その後、君は

月下に咲く

花のように

淡い光に  溺れていた。

 

抜けてしまった魂を

取り戻すため

無情に渚を打ち抜く

潮騒のように

天地に叫びたい。

 


紺碧の渦

2013年07月09日 | 日記

      

                  ヤンが植ぃたん 命ヌ花

      花が咲ち日や いちぬ日が

      いいニセぐゎに なてぃたぼり

      春よ来たれ 我が肝に

      花が咲ちにば 我んが愛シや

      帰ぇーテイつーん。

      我ンや、ルーツイ待つんどぅー

      花咲ち日にやー ウチナーに

      帰ぇーテイ互に遊ばなや

   春よ早くマーテイくゎー

   花や早く咲ちたぼり

   ヤガテイあぬ人や帰ぇーテイつーん

   我んや、るーつい待つんどぅー

 


道  標

2013年07月05日 | 日記

 

 

     きょう、やっとあなたに会える

     浮き立つ思いをこらえて

     ゆるやかな旋律と共に

     心地よい更なるしげきを受けて

     聖なる川のほとりへと私は進む

  自信と勇気をひっさげて

  鮮やかな緑の中を

  そよ風に舞い、酔いながら

  安らぎの大地へと突き進む

  喜びも 悲しみも 怒りも 戒めも

  時を越えた無欲の世界へ流れゆく

  ああ父よ 母よ 家族よ 友よ

  みんな みんなありがとう

  故郷の山や海に感謝をこめて

  軽やかに花道を歩いて行きます

  私は復る。

  自然に復る

  水平線の彼方に虹の幕が見えてきました

  私は復る。

  自然に復る。

  安らぎの世界へと

  溶けてゆく

  無情の喜びに浸りながら

  私は復る。

  自然に復る。


天地声聞

2013年03月11日 | 日記

       青い海のむこうから

       意趣の恩讐が打ち寄せてくる 

       大欲に負けた人間は

       事後処理のきかない

       崩壊の扉を開いてしまった

        かわいそうな

       かわいそうな地球

       赤い涙を流しながら、       

       深い闇の底で

       地獄の苦しみに打ち耐えながら

       鎮魂の歌でもうたっているのか     

              

       昔、緑の大草原だった所にむかって

       葬送の歌をうたっている。

       今や緑など何もない

       すべてが枯れ果てて

       真っ赤な潮流が縦横無尽に

       あたり一面焼き尽くし

       何もかもが煮えくりかえって

       どろどろの潮流に埋もれている。

       山の動物たちはどこへ行ったのだろう

       美しいあの鳥たちのさえずりはどこへ行ったのか

       緑のこずえを通り抜く       

       あの、さや風はどこへ行ったのか  

       昔突き抜けるような青空の世界が

       今や降り注ぐ死の灰に覆われて

       暗黒の大地へと変わってしまった。

       エゴイズムのヤカラ達によって

       地球の崩壊が始まったのか

       葬送の歌をうたいながら

       地球が赤い涙を流している

       疲労困憊の地球は地軸が歪み

       もはや自力では

       正常な動きができないのだ

       誰も誰も聞いてくれないこのかなしさ

       誰も誰も信じてくれないこのくやしさ

       破壊の警告なのか

       地球が泣いている。

       地球が泣いている。

       

 

       

       

 

 


作 詞

2012年07月21日 | 日記

   深 山 の 花

 

月のあかりに 照らされて

咲いてる花の哀しさよ

ひとりぼっちのこの俺も

同じあなたとさだめなのさ

 

摘むに摘まれぬかの花は

誰が手にしていくのやら

摘んでみたとてこの俺に

どうして幸せにできようか

 

許すものなら寄りそうて

共に咲いてていたいもの

熱いこころに誘われて

くやし涙のやるせなさ

 

つくしみたとて何になる

どうせ俺には 遠(たか)すぎて

思い寄せてもかなわない

明日は切なく あの街へ



夜更けのマンボ


夜更けの渚で踊ろう 

二人で朝まで楽しく

マンボのリズムで

月明かり潮風が あなたを映して

恋するふたりは雲の中

夢中に踊ろう

夜明けの朝日が昇るまで


夜更けの渚で踊ろう

明日の事など言わないで マンボのリズムで

漁り火が燃え移る ふたりの胸に

愛するふたり幸せの言葉を交わして

燃える朝日が上がるまで


おしゃれなブラウスにマンボのリズムが

似合うあなたの素敵な動きに笑みを交わそう

何もかも忘れて今夜は踊るだけ

に流してふたり踊り明かそう


 鈴 鹿 山 歌


あか抜け空に いわし雲

鈴鹿の峰にサギが行く

ソノドの尾根は秋長けて

藪谷林道 色濃うる


青天井の絵巻物 

谷間にはゆる広葉樹

林に残る石積みが 

栄枯を語る焼尾山


鳥帽子岳尾根伝い

眼下に広がる草花の

魅惑の風情に誘われて

を奏でる山男



 奇跡を越えて


栄えの世を共に生きて

喜び、時に苦しみ

愛する仲間に支えられ

海の怒濤に耐えて

騒ぐ松の精


忘られぬ波の怒り

松原の奇跡の形見

もの皆朽ちて後の世に

未来へ続く思いを

語り繋げよう


寄せる波、戻る波も

波状連ねて襲い来る

修羅のうねりに、打ち絶えて

奇異地と変わりても

残る松の木よ


 ふる里情歌


ふる里の山や川よ

サトウキビ畑刈り入れ時期に

頬にかぶった手ぬぐいで

汗を拭いてたあの頃に

翼広げて飛んで行こう


懐かしい母のこえに

三味の音流れ語りのように

深紅の花咲くふる里へ

胸に響いたあの言葉

今も忘れず抱いて生きる


ラジオから島唄が溢れ

演歌やロック、ジャズ、クラシック

町グアの風までチャンプルに

世界平和の歌の島

毎夜夢見る、うるま島


  春の兆し


鳥が鳴き花が咲き

青空に雲がわき

爽やかな風が吹く

なんとなく良いことがありそうな春だから

みんな みんな笑顔に見える

花の道 恋の道

若い二人の春だから

の中 はなやかに

みんな楽しそうに歩いてる

あの人も この人も

時はこれから始まるよ

子猫ちゃんも わんこちゃんも

みんな、はしゃいでうれしそう




沖 縄

2012年06月08日 | 日記

  

    空の青さは
   絵のようで、 

   海は輝く
   
エメラルド、
   

   心を染める
   うるま島。

    守礼の門をくぐれば
   そこが僕の故郷、沖縄である

    デイゴの花に
    ハイビスカス、

     ブーゲンビリアに
    クロトンが美しくおりなす


  南国の
 情緒あふれる港町。

 

 赤い瓦を
  白くふちどった
  エキゾチックな
  あの屋根よ


  そして、魔除けのシーサーよ
  山原のパイン畑よ
  ススキのようにおいしげる 

 

 サトウキビの仄かな

 

 ああ忘られぬ 淡い思いが
 胸の底から湧いてくる


 満月の月のあかりにしみながら・・・ 


五  月

2012年05月08日 | 日記

あまい新影をひきつれて
夢の五月がやってきた
あざやかな緑
まばゆい季節

眠る若草よ
さあ、瞳を覚ましなさい
さりげな顔をしてないで

ああ、なんと清がしい五月の風よ
今、夢に乾いた私にも

いささかの潤いを

恵んでください


春の光景

2012年04月08日 | 日記

     花が散る。
     花が散る。


     小さな駅の
     ベンチに、
     プラットホームに、


     そよ風の匂いを受けて
     桜の花が風に酔い
     旅人の帽子の上に
     肩に
     花びらが
     ふんわり

     ひらひら
     きてとまる。

     風に吹かれて
     白やピンクの花びらが
     丘の斜面をかけていく。


     淡緑の山を遙かに
     春がそっと
     語りかける。

     花が散る。
     花が散る。


     優雅に
     のどかに


     桜の花が
     風に舞う。


     名も知らぬ駅に
     花が散る。


春の兆し

2012年03月10日 | 日記

                お前が帰って来るというだけで
              俺は嬉しい。


              古い皮下脂で
              カサカサに、ひからびた
              この手足を
              お前はいつも
              光緑に染めてくれる。

              やわらかな、その愛撫は
              耐え難き、叫びのように
              やがて、絶頂へと化していく。

              ああ、風よ 


              今、愛に乾いた俺は


              すべてお前にかけている


結 婚

2012年02月29日 | 日記

     遠い見知らぬあの国へ
    貴女と共に出かけよう
    銀の馬車に乗っかって
    果報な色に染まりたい

    つきせぬ苦しみから
    逃れるために
    冒険と
    革新を求めて
    遠い異国の土で暮らしましょう

    飾り窓の
    小さな家で
    愛のたいまつは
    限りなく燃えて
    やがてビロードの灰となるであろう
    


出逢い

2012年02月18日 | 日記

波にあらわれて

浜辺にたどりついた

美しい貝殻ひとつ

遠い見知らぬ島から流れきて

幸せを求めてきたのでしょうか

 

けなげな心

輝くひとみ

純なあなたは 何も知らずに

貧しいこの手の中で

ひたすら夢を語り告ぐ

いつまでも・・・・・・