詩集情熱のかけら

時を越えて言葉のリズムが淡い旋律とともによみがえってくる。
この胸の嘆きを、しがない詩編に託したい。

空にいった姉

2014年01月30日 | 日記

碧の中で幾重にもアーチを映しながら

流れていく白い雲

「苦しみの中にも幸せは存在する

常に夢を抱いていれば

いつか花咲く時がくる」と

姉は口癖に言っていた。

空は青いと言うけれど

灰色の空だって又空なのか

白雲のむこうには

姉の嫁った町がある。 

 

 故郷のデイゴの花を後にして

内地へ嫁いでいった姉

だが、幸せもつかのま

うまれつきの、病いに倒れ

若くしてこの世を去った姉

かわいそうな

かわいそうな姉 

 あの雲に  あの雲に

いくら叫んでみても

花咲く春はやってこない。

 

あの雲に あの雲に

いくら叫んでみても

姉はかえってこない。

 

 


葛 藤

2014年01月01日 | 日記

とある夜に二人は燃えた。

切なく、

激しく、

何もかも  かなぐりすてて

ただ、ひたすら抱擁した

その後、君は

月下に咲く

花のように

淡い光に  溺れていた。

 

抜けてしまった魂を

取り戻すため

無情に渚を打ち抜く

潮騒のように

天地に叫びたい。