いずれ日本上空を飛び越えるミサイルを北朝鮮が発射するのではないか、とか寝ぼけたことを言う人がいるのだが、北朝鮮はすでに1998年8月に青森県にある三沢基地を飛び越えるようなミサイル発射をしている。
24年も前に。
2009年には秋田、岩手上空を飛び越して太平洋に着弾している。
このブログで何度も書いたとおり、青森県三沢市には米空軍と航空自衛隊の共同運用している基地があり、広く東アジアの情報収集にあたる基地も近くにあるという。
三沢市の南の八戸市にも飛行場がある。
三沢基地から20㎞ばかりの近距離に六ケ所村使用済み核燃料再処理施設等があり、使用済み核燃料ほぼ3000トンが冷却されている。
その近隣に国家石油備蓄基地があり、北海道と本州をつなぐ送電網の東北電力上北変電所もある。
青森県下北半島には東通原発(運転休止中)、大間原発(建設中)、海自基地、県内には陸自基地、日本海側にはXバンドレーダーとPAC3も配備されている。
また、本州側津軽半島今別と北海道渡島半島知内間には青函海底トンネルが敷設されている。
津軽海峡は国際海峡なので、青函トンネルの上を各国の艦隊、つい先日はロシア艦船10隻が横断しているわけだ。
この一帯をウクライナのように狙われたら、島国の日本はどうなるのか。逃げ場がない。
太平洋側、下北半島にある原子力関連施設において原子力災害が発生した際、住民は日本海側の津軽地方に避難するように計画されているそうだ。
この避難計画は非現実的である。
なぜなら、青森県の中央部にはあの「八甲田山雪中行軍遭難事件」で有名な八甲田山系が横たわっており、これを越えて多くの住民が避難するなど夏場でも困難だ。
避難路は国道4号線一本に近い。これがもし冬場だったらどうなるのか。
第二次世界大戦で、米軍により東北地方でもっとも大きな空襲を受けた港湾都市青森市を経由するしかないのだ。
現実に原子力災害が発生した場合、住民は津軽地方よりずっと雪が少なく、複数の避難経路を選択できる南の岩手県に避難するに違いない。
岩手県は地震津波に関しては危機意識は高いだろうが、原子力関連施設がないので、原子力災害に対する意識は高くないはずだ。
まさか北から住民が避難してくることは想定していないだろう。
岩手県は青森県からの避難民の受け入れについて想定しておくべきだろう。
国際海峡津軽海峡によって隔てられている本州と北海道は、攻撃を受ければ容易に分断されることは第二次世界大戦時の青森大空襲で証明されている。
こんなことが現実にならなければと祈るばかりだ。
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