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都知事選、票を伸ばして二位だった石丸伸二氏

2024-07-09 14:04:59 | 東京都知事選
石丸伸二氏があれよあれよという間に得票数を伸ばして、蓮舫氏を追い越し、二位で終わった東京都知事選。

読んで名のごとく、結果は伸二であった。

筆者は高齢者と言われる年齢層に属する。
行動様式や考え方を年齢層で一括りにし、決めつける日本の風潮には嫌気がさしている。
日本社会に個を尊重する兆しはない。

この度の選挙でも石丸氏に票を投じたのは若者層と、メディアが世代間格差を半ば煽った感さえある。

一方で、SNSとTV・新聞等の既存のメディアの利用者の世代間の違いを強調し、若者受けを狙う候補者もいたようだ。
問題は東京都政のあり方なはずだが。

話はかわって、
情報伝達の手段は、その時の状況によって変化する。
災害時や戦争・地域紛争時に活躍するのは、口づての情報や手書きのビラ、即席の新聞であることは、東日本大震災と福島第一原発事故で経験したばかりである。
何しろ災害によって設備が破壊され、電波も届かなくなったのだから。そうした原始的な情報伝達法からやがてラジオ、TV、SNSと復活していった。
ドローン技術がより発達した今日ではまた状況は変化しているだろう。


さて、東京都民ではない筆者もそれなりにこの度の都知事選には関心があった。
学歴詐称疑いという問題はあれ、小池百合子氏の当選は揺るがないだろうと推測していた。
日本社会は米国などに比べ、学歴、経歴詐称について、それほど厳しくない。米国だと”Lier!”と罵られているところだ。

都知事に小池氏がなろうと、蓮舫氏や石丸氏がなろうと、組織が分厚くしっかりした東京都において政策の大枠は変わりそうにないこと。
蓮舫氏や石丸氏では新たな悶着がおきそうだし、それよりは行動パターンが読める小池氏の方が政府・都庁組織は手法を大幅にかえる必要がないこと。
 
では、石丸氏が蓮舫氏に得票数が勝った理由はと言えば、経歴が輝かしかったこと、単に新しい未知の人材だったこと、メディアやSNSを駆使し目立つことに成功したからであろう。日本人は新しもの好きで飽きっぽい。
蓮舫氏は意外と本音で語れる人なのではないかと思うが、この人の歯切れの良い、というよりむしろ攻撃的な物言いを敬遠する人も少なくなかっただろう。年中、反対ばかりしている印象が強い。


筆者は石丸氏は30代半ばだと思っていたが、41歳だという。若くはない。
たしかに有能な人物なのだろうが、年齢相応の安定性を感じないのは筆者だけだろうか。

石丸氏は、今回の選挙戦では随分と持ち上げられたが、小池氏と言い、蓮舫氏といい、かつて随分と脚光を浴びた日があっての今日である。
さんざん持ち上げられたあと突き落とされるのは、世の習いである。





フェイク情報満載だった2016年東京都知事選ー豊洲市場、オリンピックとも増田寛也氏を選んでおけば…

2017-05-15 13:12:29 | 東京都知事選
案の定、小池都知事の都政の下、豊洲市場移転問題、東京オリンピック準備が遅れに遅れ、もはや失政と言われるレベルにさえ陥っている。

都知事選で争った元総務大臣、元岩手県知事増田寛也氏を巡っては、県知事時代の赤字増大だとか自殺率の増加とかいうネガティブ情報が、プレジデントオンラインや某ブロガーの手でネット上を駆け巡り、氏の実務・調整能力に対する正しい評価を妨げ、票を減らした。もっとも主たる敗因は自民党都連推薦であった。
都連に推されたとしても、増田氏であれば、圧すところは圧し対処したと思う。氏は元建設省紛争調整官だ。
選挙スタッフが勝手連でなかったことは清新さを欠き、男性スタッフの高身長は増田氏の長身のアピールを妨げ、敗因の一つになったのではないだろうか。

一方、メディア出身の小池百合子氏のファッションや演出は素晴らしい。東京オリンピックなど大イベントに華を添えるにふさわしい。しかし、実務調整など裏方仕事を取り仕切る力はやはり増田氏にはかなわないだろう。

自殺の話だが、岩手県の1998年から2006年頃の自殺率の急上昇は増田知事の失政の結果という酷いフェイク情報と笑わせるような小細工を施したグラフが飛び交ったが、全国統計を見れば明らかなように、バブル崩壊後、大企業から中小企業に及ぶ倒産の嵐の中の全国的現象であった。
増田氏が知事としての責任が問われるのなら、内閣や全国の首長の職にあった全員が責任を問われねばならない。
また、岩手県内のインフラ整備は喫緊の課題であり、あの時整備をしていなければ、東北新幹線の北への延伸や東日本大震災の復興はさらに遅れたに違いない。

自殺率が特に高い北東北三県は大きな製造業や企業が非常に少なく人口流出に歯止めが掛からない。地政学的な弱点とでもいうべきである。労働、失業、教育、家庭環境、病苦等々、自殺の原因は重層的である。

因みに、自殺統計には厚生労働省の人口動態統計を基にしたものと、警察庁の自殺統計の二つがあって、しばしば混同して報道される。前者は住民票(日本国籍を持つ海外移民は本籍地)をもとに、後者は事案発生地別に集計されているため、自殺の名所と言われる富士山樹海のある山梨県などが高い自殺率を示すなどの問題がある。

警察統計では、自殺の原因を遺族から聴取することが多く、病苦というものが多い。あくまで遺族の申告であり、真実が語られるとは限らない。警察官の自死遺族への聞き取りは遠慮がちになされる点を考慮する必要がある。
病気としてうつ病がとり上げられることが多いが、家庭内の問題、貧困の結果としてのうつ事例が多いように思う。
金銭問題においては、所得が低い上に、パチンコなどのギャンブルによるサラ金への借金苦が原因として大きな位置を占めている。
豊洲市場の建物を新たにカジノに転用するという考えを耳にするが、日本人の国民性には馴染まないと思うし、後年ギャンブルが原因のさまざまな問題を引き起こすのは目に見えている。

失礼ながら、都知事は部下をあまり信頼していないような印象を受けるのだが、都職員と一丸とならずに問題解決ができるのだろうか。