石丸伸二氏があれよあれよという間に得票数を伸ばして、蓮舫氏を追い越し、二位で終わった東京都知事選。
読んで名のごとく、結果は伸二であった。
筆者は高齢者と言われる年齢層に属する。
行動様式や考え方を年齢層で一括りにし、決めつける日本の風潮には嫌気がさしている。
日本社会に個を尊重する兆しはない。
この度の選挙でも石丸氏に票を投じたのは若者層と、メディアが世代間格差を半ば煽った感さえある。
一方で、SNSとTV・新聞等の既存のメディアの利用者の世代間の違いを強調し、若者受けを狙う候補者もいたようだ。
問題は東京都政のあり方なはずだが。
話はかわって、
情報伝達の手段は、その時の状況によって変化する。
災害時や戦争・地域紛争時に活躍するのは、口づての情報や手書きのビラ、即席の新聞であることは、東日本大震災と福島第一原発事故で経験したばかりである。
何しろ災害によって設備が破壊され、電波も届かなくなったのだから。そうした原始的な情報伝達法からやがてラジオ、TV、SNSと復活していった。
ドローン技術がより発達した今日ではまた状況は変化しているだろう。
さて、東京都民ではない筆者もそれなりにこの度の都知事選には関心があった。
学歴詐称疑いという問題はあれ、小池百合子氏の当選は揺るがないだろうと推測していた。
日本社会は米国などに比べ、学歴、経歴詐称について、それほど厳しくない。米国だと”Lier!”と罵られているところだ。
都知事に小池氏がなろうと、蓮舫氏や石丸氏がなろうと、組織が分厚くしっかりした東京都において政策の大枠は変わりそうにないこと。
蓮舫氏や石丸氏では新たな悶着がおきそうだし、それよりは行動パターンが読める小池氏の方が政府・都庁組織は手法を大幅にかえる必要がないこと。
では、石丸氏が蓮舫氏に得票数が勝った理由はと言えば、経歴が輝かしかったこと、単に新しい未知の人材だったこと、メディアやSNSを駆使し目立つことに成功したからであろう。日本人は新しもの好きで飽きっぽい。
蓮舫氏は意外と本音で語れる人なのではないかと思うが、この人の歯切れの良い、というよりむしろ攻撃的な物言いを敬遠する人も少なくなかっただろう。年中、反対ばかりしている印象が強い。
筆者は石丸氏は30代半ばだと思っていたが、41歳だという。若くはない。
たしかに有能な人物なのだろうが、年齢相応の安定性を感じないのは筆者だけだろうか。
石丸氏は、今回の選挙戦では随分と持ち上げられたが、小池氏と言い、蓮舫氏といい、かつて随分と脚光を浴びた日があっての今日である。
さんざん持ち上げられたあと突き落とされるのは、世の習いである。