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かものはしのハッシイ

アクリルケージ屋さんの日常 by norita

飴売りハッシィ 第2話

2006-12-24 07:00:00 | ハッシィ童話

つづき
子供達はスルスルと松の木を登るハッシィを見上げていました。
パオーン「まるで猿だぁ、自分がカモノハシだと思ってないね。」
ポンキチ「長い棒を持ったよ。」
キツネ「高いねぇ。」
コブタ「本当に渡るのかしら?」
ハッシィからは、下の子供達が豆粒の様に見えます。
ハッシィは下に向かって叫びました。
「とざい、とーざい、皆様始めさせていただきます。」
ハッシィは長い棒を持って、ソロリソロリと綱を渡って行きます。
下から
「わードキドキ」
「キャー怖い」
「もっと早く行けー」
「高っいー」
いろいろな声が聞こえます。
ハッシィが進んで行くと、カラスのカンキチが飛んで来ました。
カンキチはハッシィの持っている棒にとまりました。
グラグラッとハッシィのバランスが崩れました。
ハッシィ「カンキチあっちに行け。」
ハッシィは必死です。
カアーと一声鳴くとカンキチは飛んで行きました。
またまたグラグラっとなりました。
「キャー」
「あぶなーい」
「見てられない。」
「あっバランスを取り戻した。」
ハッシィは、ゆっくりゆっくり進んで行きます。
ハッシィ「カンキチのせいで危なかった。帰ったら怒らなきゃ。」
ついにハッシィは真ん中までやって来ました。
ハッシィは又下に向かって叫びました。
「皆様、最大の見せ場でございます。それではハイッ」
と言うとハッシィは逆立ちをしました。
下の方から
「すっ凄い」
パチパチパチ、パチパチパチ
割れんばかりの拍手です。
その後もゆっくりゆっくり、ハッシィは綱を渡り、
ついに五重塔まで来ると大きく手を振りました。
「わーやった」
「やるもんだぁ」
パチパチパチ。
五重塔に着いたハッシィは、
何やらリュックの用な物を背負うと、
ヒラリと空中にダイビングしました。
下から
「どっひゃー」
「ギャー」
「飛んだよ」
と声がします。
ビッユーンー風を切ってハッシィが落ちて来ます。
途中でバサッと大きな音がすると、パラシュートが開きました。
ユラユラとハッシィが観客の前に降りて来ました。
「うっおー」
「びっくり」
パチパチパチ
ハッシィ「皆様こころづけは、この帽子にお願い致します。」
帽子に小銭を集めると、ハッシィは何やら着替えています。
パオーン「スカイダイビングもするなんて、おじさん凄いね。」
ハッシィ「はっはっは、
坊やおじさんはスカイダイビングも長いんだよ。」
ポンキチ「いったい何者って感じっ」
ハッシィ「そうかい、色々できた方がいいじゃないか。」
そう言いながらハッシィは黒いタキシードに着替え、
黒い山高帽をかぶり、ステッキを持って言いました。
ハッシィ「レディース、アンド、ジェントルメン。
ただいまよりハッシィのマジックショーを
始めさせていただきます。」
パオーン「ドッシャー」
ポンキチ「まったく謎ばっかりだぁ。」
すると近くの空き地に、
いつの間にか黒い円形の大きなテントが立っていました。
パオーン「いつの間にテントが」
ポンキチ「もう切符売ってるし」
ハッシィは切符を売っていました。
つづく

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飴売りハッシィ 第1話

2006-12-23 07:00:00 | ハッシィ童話

トコトントコトントコトン、
「飴屋でござーい」
トコトントコトントコトン
太鼓を叩きながら、飴屋のハッシィが歩いて来ます。
トコトントコトントコトン
「どんな形でもたちどころに飴で作りまーす。」
するとゾロゾロと子供達が集まって来ました。
「おじさん飴で何でも作れるの?」
コブタくんが言いました。
ハッシィ「おじさんはこの仕事を長年してるからね。」
ハッシィは自信たっぷりに言いました。
コブタ「じゃあねぇ、キリンさん。」
ハッシィ「お安い御用だよ。」
ハッシィは素早く作るとハイッと渡しました。
「はい、お金!」 
コブタ君はスキップをしながら行ってしまいました。
そこにキツネ君がやって来ました。
キツネ「何でもいいんですか?」
ハッシィ「もちろんいいですよ。」
キツネ「じゃあカブトガニ」
ハッシィ「マニアックなリクエストだね。」
ハッシィは考えながら、作りました。
キツネ君も嬉しそうに行ってしまいました。
そこにパオーンがやって来ました。
パオーン「どんな物でもいいの?大きい物でも?」
ハッシィ「かまわないよ坊や!自分の好きなもので。」
パオーン「じゃあねぇ、2メートルの東京タワーがいいの」
ハッシィ「大きいねぇ、飴が足りるかなぁ。」
ハッシィは飴を細くねじると、
器用に東京タワーを作っていきました。
「すっごい」
「でっかいねー」
「カッコイイ。」
見ていた子供達から、パチパチパチと拍手喝采です。
ハッシィ「ハイ坊や東京タワーだよ、持てるかい?」
パオーン「うん、おじさん大丈夫だよ!」
パオーンはとても重そうに持って行きました。
次に並んでいた子供が言いました。
「おじさん次は僕だね。」
ハッシィ「坊やごめんよ、
今ので飴が無くなってしまったんだよ!」
ハッシィは棒付きの飴を子供達に配ると
「また沢山持って来るから。」
「えーもう終わりなの」
「おじさんも帰っちゃうの?」
「つまんないよー」
ハッシィはくるりと後ろを向くと、
赤いづきんをかぶり前を向くと大声で言いました。
「とざい、とーざーい皆様カモノハシハッシィ、
一世一代の芸でございます。
こちらの松の木よりあちらの五重塔まで、
細いつなの上を、そろりそろりと渡って行きまする、
見事渡りきりましたら拍手御喝采!」
松の木下で、たぬきのポンキチが見ていました。
ポンキチ「いつの間に五重塔が」
パオーン「おじさん飴屋が長かったんじゃ?」
ハッシィ「坊やおじさんは綱渡りも長年してるんだよ。」
ポンキチ「あんなに高い所大丈夫なの?」
パオーン「落ちたら死んじゃうよ!」
ハッシィ「まあ見てなさい。」
ハッシィはするすると松の木を登って行きました。
つづく

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ハッシィとおもちゃ屋さん 最終回

2006-12-22 07:00:00 | ハッシィ童話

つづき
ヘビヘビおとうさんが、何とか直して言いました。
ヘビ「じゃ動かしますね。」
小僧さんが走って来て言いました。
「旦那様、母屋に幽霊が!」
「よし、わしが行こう。」
主人の人形が言いました。
パオーン「変身するのかなぁ」
すると主人の人形の髪がバサッと抜けました。
ハッシィ「どっひゃー、ハゲツルピーになった。」
パオーン「あっ服脱いだ、下にお坊さんの服着てる。」
ポンキチ「あっ変身した。手に魔よけの札持ってるよ!」
パオーン「でも遅いっ、
もう化け猫がお坊さんに噛みついてるし!」
ハッシィ「あっ、小僧が化け猫にキックした。」
ポンキチ「ソフトクリーム幽霊も近づいて来た。」
みるとピラニヤの池の回りで、
化け猫とお坊さんと小僧と幽霊が取っ組み合いをしています。
ハッシィ「うぁ乱闘だね!」
パオーン「これ幽霊屋敷じゃないね。」
ポンキチ「誰が勝つのかなぁ。」
ハッシィの前に、ヒラヒラとお札が飛んで来ました。
ハッシィ「戻さなきゃ」
ハッシィはお札を石燈籠に乗せました。
お札は勢いよく燃え上がりました。
ハッシィ「けさなきゃ!」
ハッシィはフウフウと息を吹いたので、炎は勢いをまし、
回りのおもちゃも火まみれです。
パオーン「ハッシィ吹いたらだめだよ、
どっしゃー早く逃げよう。」
炎はヘビヘビおとうさんのおもちゃ屋を、
あっという間につつんで燃え広がっていきました。
四人は命からがら、やっとの思いで脱出しました。
ハッシィ「わーごめんなさいっ」
ハッシィは泣きっぱなしです。
ヘビ「いや、皆無事でよかった。
店もおもちゃもまた作ればいいさ。」
パオーン「ごめんなさい僕らもあやまります。」
ヘビ「気にしなくていいよ、ちょっと火を使い過ぎた。」
ポンキチ「でもみんな燃えちゃったし。」
ヘビ「大丈夫だよ!」
ヘビヘビおとうさんは、ポケットからリモコンを出すと
スイッチを押しました。
するとどうでしょう、跡形も無く燃えてしまった店の地面が
大きく割れて、前よりも立派なおもちゃ屋さんが地下から、
せりあがって来ました。
ハッシィ「ビックリ凄い!」
パオーン「どっひゃー。」
ポンキチ「秘密基地みたいだぁ。」
ヘビ「どうだい!大丈夫だろう、また明日からよろしく。」
三人は顔を見合わせて
「すっごーい。」
「やっるー」
「またねー」
そろそろ夕日がさして来ます。
「さよなら、バイバイ!」
三人は楽しそうに帰って行きました。
めでたし、めでたし

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ハッシィとおもちゃ屋さん 第5話

2006-12-21 07:00:00 | ハッシィ童話

つづき

ヘビ「今回は、自信作なのでプログラムミスもありません。
完全完璧ですよ!」
パオーン「完全なんて、ありえなぃよ」
ポンキチ「話しだけ完璧なんじゃないの?
ハッシィやっぱり帰ろう。」
ハッシィ「ワクワクするなぁ、高いんですか?」
パオーン「買う気なんだぁぁ!」
ヘビ「特別価格で1000円です。」
ハッシィ「ここまで動いてっ、安いなぁ」
ポンキチ「ハッシィ本気なのぉぉ。」
ハッシィ「やっぱり一度、動かして下さい。」
ヘビ「はいはい。」
ヘビヘビおとうさんはスイッチを入れました。
パオーン「確か不気味な音とヒトダマだよね」
三人はジーィッと見ています。
すると
「チャーンチャカチャカチャカ、チャーンチャカチャカチャカ、
ラジオ体操第一、よーい」
という音楽でヒトダマが飛んで来ました。
ハッシィ「ラジオ体操だぁ、健康なヒトダマだねー」
パオーン「音楽変だ!」
ヘビ「あっ間違えた!」
ヘビヘビおとうさんは横のツマミを回しました。
すると、いかにも幽霊が出て来そうな音楽に変わりました。
ポンキチ「色々なバージョンがあるみたい」
パオーン「無意味だぁ」
すると沢山のヒトダマが飛んで来ました。
ハッシィ「蛍みたいでキレイだね。」
パオーン「多過ぎじゃないの?」
そして石燈籠に火がともりました。
ポンキチ「ようやく化け猫が出てくるんだ!」
「ニャーゴ、ニャーゴ」
とってもポッチャリした化け猫が出て来ました。
ハッシィ「化け猫って、熊みたいだね!」
パオーン「太りすぎじゃないの?」
ポンキチ「白黒だからパンダみたい。」
ハッシィ「じゃ化けパンダだぁ。」
化け猫は庭の 池でエサをやっている、
この家の主人に近づいて行きました。
パオーン「お坊さんに変身しないねぇ。」
ポンキチ「池の魚、コイじゃなくて、ピラニヤだよー。」
主人は化け猫にピラニヤを投げています。
ハッシィ「予想外でおもしろい。」
パオーン「化け猫がピラニヤだらけだね!」
ポンキチ「この化け猫、ピラニヤをバクバク食べてるよ、
なかなかやるー。」
パオーン「幽霊屋敷と言うより、妖怪大戦争だね!」
すると小僧さんが走って来て、
「旦那さま」
と言って倒れました。
パオーン「小僧が小坊主に変身する前に動かなくなったよ!」
ハッシィ「訳わからないところが最高!」
ポンキチ「幽霊は出た?」すると母屋の方向から、
またまたポッチャリとした幽霊が出て来ました。
パオーン「今度も太り過ぎで、ソフトクリーム見たいだぁ。」
ハッシィ「じゃパンダとソフトクリームでほのぼのだね。」
ポンキチ「全然話しそれてるよ!」
ヘビ「プログラムがぁ!ちょっと。」
つづく

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ハッシィとおもちゃ屋さん 第4話

2006-12-20 07:00:00 | ハッシィ童話

つづき
ヘビヘビおとうさんは店をフキフキ言いました。
ヘビ「まぁ失敗もありますよ。」
ハッシィ「失敗ばっかりじゃないの?」 
パオーン「火はアブナーイ」
ポンキチ「ハッシィやっぱり普通のおもちゃ屋に行こうよ」
ヘビ「じゃとっておきのを出しましょう。」
ハッシィ「とっておきって凄いんだろうなぁ」
ハッシィは目を輝かせて言いました。
パオーン「凄く危ないかもしれないよ。」
ポンキチ「とっておきってどれですか?」
ヘビ「これです。」
ヘビヘビおとうさんは、何か古い屋敷を持って来ました。
ハッシィ「これは古そうな屋敷ですね、
ここに古い倉までついてる。」
パオーン「庭に池があるしコイも泳いでるし」
ポンキチ「誰も欲しいと思わなそうなおもちゃだぁ。」
それでもハッシィは興味深々でした。
ハッシィ「とっておきはどういう物ですか?」
ヘビ「それでは説明しましょう。
この古ボケた屋敷は幽霊屋敷です。」
ハッシィ「またまた予測不可能な
場面設定でワクワクだなぁ。」
ヘビ「まず夜になると不気味な音が流れてきます。」
パオーン「やっぱりコウモリの鳴き声かなぁ」
ポンキチ「日本の屋敷には似合ってないよ。」
ヘビ「不気味な音の後に火の玉が飛んで来て、
庭にある石燈籠に火が燈ります。」
ハッシィ「ワクワク」
ヘビ「すると倉の中から大きな化け猫がスウーと出て来ます。」
パオーン「お化けは出て来たけど、肝心の驚く方の人は何処?」
ヘビ「その時、庭の池でコイに餌をあげてる人がいました。
それは、この家の主人です。」
ハッシィ「主人あやうしだね」
ヘビ「そこに、この家の使用人の小僧さんが走って来て言います。
「母屋に幽霊がでました。旦那様いかがいたしましょう。」
すると主人が「ついに出たかっ私が行こう!」と言って変身します」
ハッシィ「変身するの凄いっ。」
パオーン「何に変身するの?相手は幽霊だし。」
ポンキチ「化け猫に幽霊ってややこしいっ。」
ヘビ「主人はお坊さんに変身します。」
ハッシィ「凄いやっるー。」
パオーン「かってにお坊さんになっていいの?」
ポンキチ「お坊さんじゃなくて妖怪退治の侍かなんかにならなくちゃ。」
ヘビ「お坊さんになった主人はお経と魔よけのお札で戦います。」
パオーン「主人はともかく、小僧さんが危ないねぇ。」
ヘビ「小僧さんも変身して、小坊主になります。」
パオーン「意味の無い変身だね、どのみち端役だし。」
ヘビ「しかーし、お札を三枚持っています。後はお楽しみ。」
ハッシィ「本当、楽しみだね!」
パオーン「そうかい?」
ポンキチ「たいしたことないんじゃ?」
ハッシィ「でも、一度見みたいなぁ」
つづく

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