

(見出し画像)ハリーム・アル・カリーム「無題1(「都会の目撃者」シリーズより)」2002
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
ちょっと前ですが…行ってきました、アラブの現代美術展。
「アラブ」と言われても、ぱっとイメージできない。
アジアという枠組みの中で意識するのはワールドカップ予選の時くらいで、非常に遠い。
展示会の途中にアラブ諸国の地図の大きなパズルがあったので、ひととおり作ってみました(ひと少なかったし…)。
アラブ、とひとくくりにするにはあまりにも広く、その国数の多いこと。当たり前ですが、そこには多様性が見えるのです。


ターレク・アル・グセイン「無題23 (Dシリーズ)」2008-09
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
グリーンのシートで境界線をつくり、壊す。この作品は、境界線をモチーフにした作品です。
現在でもなお国境紛争がなされる地域において、線を引く意味が重くのしかかります。


シャリーフ・ワーキド「次回へ続く」2009
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
一見、テロリストの犯行声明のようですが、日本語字幕を読んでいると何かが違う。
映像の男が読んでいるのは、あの「千夜一夜物語」なのです。固定概念にとらわれていることを明示的にしてくれます。
争いが続いくこの地域では昨今、アラブの春のような大きな社会構造の変化が起きています。
また、ドバイのように、経済成長のシンボルとその裏の労働環境の悪化など、資本主義的な世相も見て取れます。
一方、毎日をいつものように過ごす市井の姿もそこにはいきいきと現れています。
私たちから近くて遠い隣人アラブ。その歴史・文化を知り、自らを問い直すことのできるよい展示会です。
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アラブ・エクスプレス展:アラブ美術の今を知る
森美術館
2012.6.16(土)-10.28(日)
http://www.mori.art.museum/contents/arab_express/
http://moriartmuseum.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/1-db3f.html ※公式ブログはココログなのか…
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