Max Rod Craft Blog

Max Satohの工作に関するブログ

アンテナ切替器 アンテナのリアルタイム 送受信 比較

2024年06月15日 | アマチュア無線
前にアンテナ切替器を作ったことを投稿した。
右のツマミでアンテナを選択、左のトグルスイッチでCMC有・無しを切り替える

アンテナからの同軸ケーブルは左側5個:アンテナに接続、右側上下2個:無線機またはnanoVNAに接続

内部。左のテープはCMC(FT114#43のW1JR巻き10回巻き)

トグルスイッチとロータリースイッチ配線
トグルスイッチで上下の回路が切り替わる。 出力2個はショートしているので同じ性質の出力となる。 例:上下ともCMC有、あるいは上下ともCMC無。

この切替器、下記の切り替えが簡単に出来る。

・無線機に繋ぐアンテナ(同軸)の切り替え
・アンテナに繋ぐ無線機またはnanoVNAの切り替え
・アンテナと無線機の間にCMCを入れるか入れないか

今回はこれを使って、2つのアンテナの聞き比べ、送信 比べをしてみた。

以前作って放置してあった7MHz用の再調整済みマイクロバートアンテナと、7MHz用のスーパーラドアンテナをベランダに並べて立てた。

左:スーパーラド、右:マイクロバート

2つのアンテナを切替器に繋ぎ、切替器の出力側は無線機FT-891Mに接続し7MHz SSBを受信する。 受信音の比較なのでCWでも、もちろん、構わない。

2つのアンテナの個々の調整状況は以下のとおり;
送信時無線機SWRメータ: 
マイクロバート: SWR<≒2.0帯域幅 約200 Khz
7.000~7.050Mhz  ほぼSWR≒1.0  (swr=1は初めて経験した)
7.050~7.100Mhz  1.0<≒ SWR <≒1.5
7.100~7.190Mhz  1.5<≒ SWR <≒2.0
アンテナカプラ無しで全帯域送受信は可能だが、カプラがあれば
どの帯域でもSWR≒1.0で送信できるようにはなるだろう。

スーパーラド: SWR<≒2.0帯域幅 約200 Khz
4段純伝送線路トランス(1対16)にてインピーダンス整合させている。

7.000~7.190Mhz  1.5<≒ SWR <≒2.0  (swr=1.0の経験なし)

まずいずれかのアンテナを選択してSSBを受信する。 音声が聞こえたら即ロータリースイッチを切り替えて、別のアンテナに切り替える。 
同じ受信音にたいして両方の聞こえ具合、無線機の信号強度計を即座に比較できるのである。 
トグルスイッチでCMCを入れた場合、入れない場合の信号強度計も比較できる。 また、送信してみて、無線機SWR計の値を比較することもできる。

結果、受信は再調整したマイクロバートの方が、強度計目盛で1~2程度、信号強度が強いことが判明した。 自分の耳でも受信音には差が感じられる。
また、CMCは入れた方がSSBの声は明瞭に聞こえる。

四苦八苦して調整を続けてきたスーパーラドではあるが、インピーダンスの調整に4段純伝送線路トランスを付けたりしているので、CMCの挿入と相まって、送受信時に挿入損失が小さくないことが分かった。  だが、広帯域で使えるので便利ではある。 

マイクロバートの方は、再現性が高く、通常の作り方をしさえすれば、インピーダンスR値は自動的に50Ωとなる。 ラジエーターの長さとコイル巻き数で同調周波数が決められ、可動式ラジエーターにしておけば架設後の同調周波数の増減が簡単にできる。  アンテナカプラーを無線機側に取りつければ、同調周波数の微調整やマルチバンド化は容易に出来そうである。

可動ラジエーターはカプラーのバリコンの代わりで、コイルの巻き足し巻き戻しはカプラーのコイルタップ位置の調整にあたる。 

両者の絶対的な違いは、可動ラジエーター、コイルの巻き数調整というのはアンテナそのものを調整しているのであって、アンテナカプラーはアンテナの外で、同軸ケーブル+アンテナ+アンテナ架設高度、などの全体を調整することになるので、必ずしもアンテナ自体の性能を向上させるわけではない。

CMCの有無で信号強度は大きく変わらない。 CMCは、むしろノイズの除去として働いているようだ。 信号の明瞭度が良くなる。
CMCから先の同軸ケーブル自体がカウンターポイズとして働くので、同軸ケーブルの長ささえしっかり押さえておけば簡単に同調する。 同軸ケーブル長はnanoVNAに繋ぐだけで簡単に電気長が測定可能である。

同調周波数の調整:
室内でnanoVNAを使って周波数の同調点を見つける。 これが同調周波数。
CMCを入れると約150~200Khz同調周波数が高くなる。
アンテナをベランダから3m上に上げると更に同調周波数は約150~200Khz高くなる。
これを計算にいれて室内でラジエータの長さとコイルの巻き数を調整して同調周波数を決める。 SWR最低点を7.000から300~400KHz下(つまり6.7~6.600Mhz)に調整しておけばよい。

・・・ということで、スーパーラドにはずいぶんと傾聴してきたのではあるが、作りやすさ、調整のしやすさ、完成度、実用度、の観点からマイクロバートをわがアンテナとすることに決した。  

架設環境の悪いアパマンハムにとっては、マイクロバート、スーパーラド共に優れたアンテナであることには違いない。

面白い現象が・・・
7MHzで調整し終わったマイクロバート・・・繋いだまま無線機を3.5Mhz SSBにチューンしてみたところ、

・何も聞こえない・・・出演者が居なかったので当然である
・SSBで送信ボタンを押すと、無線機SWR計は7Mhzの時とほぼ同じ、1.5~2.0内に収まっている

・・・ということは、3.5Mhz と 7MHz のマルチバンドアンテナとして使える、と言うことなのか・・・だとしたら、 ”とんだひょうたんから駒”である。 QSOで試してみよっと・・・

ワ~イ!

つまり、この投稿で言いたいことは・・・アンテナ(同軸)切替器を作ったおかげで、このような比較実験が簡単に出来るようになり、かつ、実用的なアンテナを決定することが可能になった、ということ・・・作って見て!アンテナ切替器!
コメント
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