現代日本人文芸：呉原百合蔵小説：次の総理の椅子に座る者は誰だ：第３７回：フィクション

「安倍総理は稲田朋美を日本で初の女性総理にしたがっている。だが、今激しいバッシングにさらされている。誰が仕掛けているのだ。君たちはどう思う」

　Nが仲間に問いかける。

「野党に顔が利く大物」

　仲間が答える。

「現役の代議士かなあ」

「現役にはそんな大物いないだろう」

「女性を総理にしたくない大物」

「いやそれは違うなあ。安倍総理に対する嫌がらせだろう」

　色々な意見が出てきた。

「この日本の国には今でもキングメーカーや黒幕なるお方がおわすのか」

　Nが呆れたように口を開いた。

「いつの時代でもいるよ」

「そうだ。安倍首相を快く思わない勢力があるのだ」

「官僚とそのOB達か」

「そうかもしれないなあ。安倍総理は二度も消費税を延期して官僚のメンツを潰したからなあ」

「官僚に安倍首相を追い落とす力があるか」

「応援している大物がいるかも」

「まさか・・・・」

　Nとその仲間は世を徹して次の総理が誰になるか語り合っている。