芸州一高の一年生はバスを連ねて瀬戸の島々を巡った。海を見ていたら由紀の脳裏にあの津波の悪夢が蘇った。
「思い出したくない」
倒れそうになるほどのショックに見舞われた由紀だったが、バスガイドが唄った、
「瀬戸の花嫁」
に救われたのだった。
「瀬戸は日暮れて夕波小波・・・・」
由紀はこの歌で自分を取り戻した。
「ここは瀬戸内海だ」
自分にこう言い聞かせたのである。
じっくりと瀬戸内海を見ているとめったやたらにきれいなのだ。
「静かな海だ、湖のようだ。海にもいろいろあるんだな」
由紀はこう実感した。
「この海を私の故郷にしなきゃあ」
こう思っているとクラスのリーダーが、
「芸州一高の応援歌を歌おう」
と言ってバスの中でみんなで歌った。
「広島城が夕日に染まる。みんなで眺めるこのよろこび。大事にしよう仲間の絆 大事にしようわが母校」
由紀はこの歌を唄っているとなぜか心が落ち着いた。
「私には大勢の仲間がいる」
このよろこびがこみ上げてきたのである。
「思い出したくない」
倒れそうになるほどのショックに見舞われた由紀だったが、バスガイドが唄った、
「瀬戸の花嫁」
に救われたのだった。
「瀬戸は日暮れて夕波小波・・・・」
由紀はこの歌で自分を取り戻した。
「ここは瀬戸内海だ」
自分にこう言い聞かせたのである。
じっくりと瀬戸内海を見ているとめったやたらにきれいなのだ。
「静かな海だ、湖のようだ。海にもいろいろあるんだな」
由紀はこう実感した。
「この海を私の故郷にしなきゃあ」
こう思っているとクラスのリーダーが、
「芸州一高の応援歌を歌おう」
と言ってバスの中でみんなで歌った。
「広島城が夕日に染まる。みんなで眺めるこのよろこび。大事にしよう仲間の絆 大事にしようわが母校」
由紀はこの歌を唄っているとなぜか心が落ち着いた。
「私には大勢の仲間がいる」
このよろこびがこみ上げてきたのである。