小父さんから

ミーハー小父さんの落書き帳

新型コロナ 治療法、見えぬ正解 もがくNY日本人医師 / 毎日新聞

2020年04月20日 | ニュース
病院の救急救命室の前で、マスクを着けて待機する患者と医療従事者=米ニューヨークで4月13日、AP 

  

毎日新聞 2020年4月20日 東京朝刊
  新型コロナウイルスの感染拡大が日本でも勢いを増している。重い肺炎などを引き起こすが、確立した治療法はない。米国で感染拡大の「震源地」となったニューヨークの医療現場ではどのような治療が行われ、医師は何を感じているのか。ニューヨーク市のマウントサイナイ病院の集中治療室(ICU)で患者の治療にあたる呼吸器集中治療医、石川源太医師(39)に聞いた。【ニューヨーク隅俊之】

 ――ニューヨークで感染拡大が始まって1カ月以上が過ぎた。治療にあたって実感するのはどんなことか。

 ◆分からないことが多い。普段診ているぜんそくや細菌性の肺炎には、治療法がある。細菌性の肺炎なら抗生物質を投与すれば、呼吸状態も良くなる。「よし、効いたな」という瞬間、医師として納得できる瞬間がある。しかし、新型コロナはそれがない。特効薬がなく、症状が急変して亡くなる人もいる。私は果たして患者の病気を治せているのだろうかと、もどかしい気持ちになる。悪くなった理由がよく分からないのだから、逆に良くなっても、なぜ良くなったのか正直よく分からない。 ウイルスをコントロールするのが難しい。医者になってからこんな感覚になるのは初めてだ。

――ニューヨークでは重症化して人工呼吸器につながれると、8割が助からないとされる。

 ◆理由の一つには、急に炎症が肺全体に広がるため、急いで人工呼吸器をつけても既に治療が難しいということがある。多いのは、救急で病院に運び込まれて12時間以内に肺炎があっという間に広がり、人工呼吸器が必要になる人だ。だが、小さな肺炎があるくらいで、1週間ほど一般病棟で診ていたら肺の炎症が急に広がり、ICUに運ばれるという人もいる。悪くなる時には急変するのだが、なぜそうなるのか分からないことが多い。

 また、ICUに入ってから人工呼吸器につながれている期間が長くなっている。肺炎がひどくなると低酸素血症で血中の酸素が低下し、呼吸回数が多くなるため呼吸筋の疲労が起きる。これらを防ぐために人工呼吸器をつける。だが、人工呼吸器と呼吸のタイミングが合わなくなることがあり、多量の鎮静剤、時には筋弛緩(しかん)剤を投与せざるをえない。

 すると、日ごとに呼吸筋が弱ってくる。人工呼吸器につなぐことで肺炎は改善することが多いが、その間に自力呼吸に必要な筋肉が弱っていくので、人工呼吸器を外すに外せなくなる。そういう状態が長く続く患者が多い。

 ――治療の難しさはほかにもあるのか。

 ◆肺だけではなく、炎症が全身の他の臓器にも広がる。急性腎不全を併発するケースが多く、人工透析が必要になる。また血栓ができやすいことも分かっており、肺の血管に血栓が詰まって容体が急変するケースが少なくない。実際に新型コロナで死亡した患者の肺を調べたところ、細い血管内に微小な血栓が確認されたという報告がある。このため、重症化した場合は血をさらさらにする抗凝固薬を投与するようにしている。

 ――人工呼吸器を使えば大丈夫だというわけではないのか。

 ◆人工呼吸器と一言で言っても扱いは難しい。肺炎が悪化すると、人工呼吸器で肺に高濃度の酸素を送るのだが、実は酸素には毒性がある。高濃度の酸素を長期間にわたって吸入し続けると、肺に障害を引き起こす。とにかく酸素を送ればいいというものではない。

 肺炎が進行すると(酸素をとりこむ極小の風船のような)肺胞がしぼんだような状態になる。ある程度の圧力で肺に空気を送り込んで肺胞が膨らんだ状態にするのだが、圧力が強すぎると逆に肺を傷つける。また、肺に送る空気量が多すぎると同じように肺に障害を与える。このさじ加減が難しく、ICUでも人工呼吸器を使うには高度な専門知識や経験が必要になる。

■人物略歴
石川源太(いしかわ・げんた)さん
 2007年、北海道大医学部卒。聖路加国際病院呼吸器内科専門研修修了後、13年に渡米。17年5月、米エモリー大公衆衛生大学院で修士課程修了。同年7月から現職。日本呼吸器内科専門医、米国呼吸器内科専門医。 
 
左は夕べ放送された「情熱大陸」での感染管理専門家・坂本史衣さん。ラストシーンで「希望はありますか?」との問いに「終わります。あのう、いつか終わります。前に進んでいるってことは終りに向かっているんで、前に進めば終わりに近づくという気持ちで毎日毎日を進んでいっている状況です」との答え。上の石川源太医師にしろこの坂本史衣さんにしろ頭が下がるし、感動してしまう。新型コロナに立ち向かわれているお二人と、数多くの医療関係者従事者に感謝です。

 小父さんに出来ることは新型コロナに感染しないことだ!近くの公園で見かける光景にしろ、テレビから発せられている情報にしろ、特に日本では危機感が低すぎる気がする。医療現場に送り込まないためには、もっと自粛する他ないだろうね!

 情熱大陸見逃し編は1週間くらいこちら 感染管理専門家・坂本史衣さん 院内感染をどう防ぐのかーー「私が医療現場を守る・・・・・」で観ることが出来ると思う。
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2 コメント

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Unknown (ree)
2020-04-21 03:27:04
いつか終わる、のではなく、ワクチンが出回ってインフルのように身近なウィルスとなるんじゃないか?と私は思いますけどね。

うちは息子がアレルギーの季節には咳喘息が出ますし、父ちゃんは生まれつき腎臓が1個しかないし、この2人のリスクが高いんですよ。

むかーし映画『感染列島』を見た時、映画の世界だと思ってたのがこんな風に世界中で感染拡大するなんて思ってなかったです。

さっきまで録画してた『ぴったんこカンカン』見てたんですよ!!
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reeさんへ (小父さん)
2020-04-21 06:24:30
reeさんのところでこのテレビや見直しネット版を見ることが出来ないのかも知れませんが、

感染管理専門家・坂本史衣さんの名誉の為に書いておきます。
「いつか終わる」というのはそんな軽い言葉の発言ではないです!

そもそもTBS系列で夜の23時から取り上げられる「情熱大陸」はアスリートを含めて社会の超一流の方々ばかりです。そして番組の最後に語られた

>「終わります。あのう、いつか終わります。前に進んでいるってことは終りに向かっているんで、前に進めば終わりに近づくという気持ちで毎日毎日を進んでいっている状況です」

とは、終わりの見えない闘いに、淡々と立ち向かわれている感動的な意志表明です。

治療の難易度は、石川源太医師が

>ウイルスをコントロールするのが難しい。医者になってからこんな感覚になるのは初めてだ

と述べているようにICUではドクターたちが疲労困憊しておられる様子が目に浮かびます。

私も慢性の気管支炎で通院しています。

新コロナ報道から感じられるのは「肺炎」をイメージしてしまいますが・・・
細菌性の肺炎でもなければ、重症化して人工呼吸器につながれると、8割が助からないとされるし、急性腎不全を併発するケースが多く、人工透析が必要になったり血栓ができやすいことも分かっているなどなど
現代医学の全く手の届かない症状のようです。

このお二人以外にも懸命に新コロナに対処されている方々を見聞きします。

ワクチンは全世界で全力挙げて研究しているようですが、容易いものではなさそうです。

失礼しました。
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